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脅迫?いえいえ、説得です。

とうとうここから乙女ゲームに入ります!

ついでに主人公の頭の軽さが発覚します。

「風ちゃん、4月から、この『鳳華中高一貫校』に通ってもらうから。」


 






・・・・・家に帰った私に告げられたのは、そんな、慈悲もへったくれもない残酷な一言だった。


「お、お母さん!何で!?」


 そもそも、私が大阪に居たのはこの学園に通いたくないからである。理由は単純。この学校が件の乙女ゲーム、『桜華恋咲学園』の舞台だからである。この学校に通うのは別にいいのだが、既にこの学校に通うことが決まっている超美青年の景とは兄弟・・・・・











・・・ぜえったい女子たちの嫉妬が凄いよ!!私は、繊細だから、胃に穴が開く!!

しかも、これでゲーム補正とかになって、私が悪役令嬢道を突っ走ることになったら目も当てられない・・・!死ぬじゃん!!私!!!








兎に角、お母さんへの説得を(死ぬ気で)本気でやったろーではないかっ!西日本一の番長の実力を見せてやるよ!!



「え・・・?理由は・・・





















この学校の学園長が学費を安くしてくれるっていったから?」


えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?うっそ~ん!?お母さん、そんな理由で娘売ったの!?奥さん、あなたの娘さんこの学園に入ったら、死ぬんですよ~~~!?(多分)


「元々この学校にうち(緋桜財閥)が出資してるからさ~。この学校の学園長と知り合いでね?この学校に緋桜家の人物、それに加えて由緒ある緋桜家第108代当主様が入学するとなると、箔が着くのよ、箔が。だから、風ちゃん、この学校に入ってね。」


ハートマークを語尾につけながら、決定事項として私に告げるお母様。

それに対する私は、思いっきり顔から血の気がひいていく。


「っ!でもっ!私は行きたくなっ



カッ



「・・・何か言った・・・?」



・・・・・・えー、ヨロコンデソノガッコウニイカセテモライマス」


「あら、素直でよろしい 。」


ニコニコと笑うお母様。ひきつった顔で笑っている、私が背にしている 壁にぶっ刺さっているのは、






お母様が投げた ボールペン







・・・・・・は、ハハハハハハハハ・・・ヤヴァイ、さっき、マジで生命の危機を感じた・・・。

真剣と書いてマジと読む。


つーか、ボールペン、壁に刺さったよ。一応壁、大理石なんだけど!


・・・生命の危機には代えれないよねっ!

いくら日本一の番長と言っても、化物にゃ勝てん。死ぬわ。あれ。


・・・ふぅ。しょうがない。腹をくくろう。では、今から、逝ってきます!!




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

風華が母親に脅迫・・・諭されている頃のと同時刻 同じ家のある場所にて


「・・・お姉ちゃん、大丈夫かな。」


「・・・大丈夫。風華なら生きて帰るよ。」


風華の義弟と妹達が一堂に介していた。久しぶりー約一週間ぶりだーに顔を合わせたその第一声がそれである。どうなんだ。それは。


ちなみに、風華の兄妹は、三人。


風華と同い年であり、今年から同じ学校に通うことになる風華の義弟、

緋桜 景


風華の一つ下であり、中高一貫校である『鳳華学園』中等部三年生である双子の妹、

緋桜 月華

雪華


三人は、あることについて集まっていた。・・・それは勿論、風華についてである。


「お姉ちゃんにやっぱり、私達、嫌われちゃうかな・・・」


「・・・そうだよね。お姉ちゃんが、一緒に学校行ってくれるかもしれないって、喜んじゃったもの。

お姉ちゃんには大阪に仲間もいるのに・・・」


「・・・・・・・・・・・・」


大変にシリアスな雰囲気の緋桜兄妹ズ。そんな雰囲気をぶち壊す存在が声をかけた。


「・・・何やってんの、三人とも。私の部屋の前で。」


飛び上がった三人の前で首を傾げているのは先程まで母とお話をしていた姉、風華。


「まあ、とにかく、私の部屋に入りなよ。」


そう言って招き入れたはいいが、三人は借りてきた猫のように大人しい。何故かと首を捻るが分からない。風華が首を捻っていると、月華がオズオズと話し出す。


「ふ、風姉は、私達に怒ってない?」


「・・・は?」


「あの、風姉が行くことになった学校、私達も通っているんだけど」


「マジで!?」


「う、うん。それで、私達、風姉が一緒の学校に通ってくれるかもって思って喜んじゃったの。うぅぅ、ごめんなさいぃぃぃ」


固まってしまった風華。それは決して状況が把握できていないのではない。

自分が一日のスケジュールまで全部把握していたと思っていた、溺愛している弟妹達の学校名を把握していなかったことと、今まで自分が逃げればいいと思っていたけれど、すると最愛の弟妹が犠牲になってしまうということにショックを覚えていたのだ。


「ふ、ふう姉?大丈夫?(うわぁぁぁぁ、お姉ちゃんすごいショック受けてる・・・)」


「ふう姉・・・。(絶対怒ってる!ふう姉に怒られるのはヤダ・・・)」


「姉さん・・・。(姉さんに嫌われる・・・!い、嫌だ・・・!)」


雪華、月華、景の頭の中は、そんな思考で埋め尽くされていた。

その時、風華の頭の中は、


「(えぇぇぇぇぇ!!そ、そういえばゲームでは、景は攻略対象者、雪華と月華は私と同じで悪役だった・・・!!・・・・・・ん?よく考えたら、これでシナリオどうりその・・・なんチャラ?高校に行けば、景や雪華や月華の学校生活を見れるのかも。そこであんな姿やこんな姿を・・・ウヒヒ♪)」


変な方向に、絶賛妄想街道爆進中だった。今、風華の頭の中に自分が悪役とか、その学園に行くのを避けようとしていたことなど、サッパリ・・・もう本当にスッポリ抜けていた。

・・・・・・・・・アホたれである。馬鹿野郎である・・・!風華のブラコン+シスコン度は相当根深かった。

・・・もう矯正は無理なほどの末期である。可愛い弟と妹に釣られて意見を翻す、つーか周りの世界が見えなくなる馬鹿。・・・いいのか、日本一の番長がそれで。風華はかなり自分の都合のいい世界に生きていた。

そして、


「景!雪華!月華!私行くよ!!その・・・うんちゃら学校に!」


「姉さん・・・鳳華中高一貫校・・・鳳華学園だよ。」


「え、えへ?」





大丈夫か、それで。




・・・こうして、風華の今後の人生を左右する重要な決断が下された。・・・・・・その場のノリと勢いで。(本人に後悔など一欠片もない。)風華の今後に不安が有り余る出来事だった。







義弟と妹を溺愛している主人公。

こいつ、頭はいいけど、アホです。とにかく阿呆です。

そんな馬鹿ですが、これからもよろしくお願いします!

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