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悪魔と天使の過去~悪魔の気持ち~

あれから、優ちゃんは人気者になった。

「天使ちゃん!!ここどーやるの!?」

「天使ちゃん!!今日、ゲーセン行こっ!!」

「天使ちゃん!!日曜日にスポーツセンターに行かない?」

「天使ちゃん!!」

優ちゃん......次は何をする気だろう。

また、権力を取り戻したってことは、やりたい事があるんだよね...?

「輝莉。暗い顔してどうした?」

「優樹っ!!...少し、優ちゃんのこと考えてたの。」

「花川...。またやりそうだよな。」

「うん。」

やっぱり、優樹も思ってたか。

「今は、皆、私達の事も信用しているが、それ以上に花川の事を信用している。だから、皆に言ってはダメだ。」

「じゃあ......どうしたらいいの?私、もう前みたいな想いしたくない......。」

「私が直接、花川に言う。」

「えぇぇ!?!」

私は驚いた。

「今はそれしか出来ない。もう、2度とあのような事にしない為にはこれしか方法がない。」

優樹......。

「わかった!!でも、優樹......無理しないでね。」

「ポンポン」

優樹は私の頭を撫でた。

「輝莉こそ無理するなよ。」

「うんっ!!」

大丈夫。

私達は、1人じゃないっ!!


花川......このクラスではお前の思う通りに動かさない。


...


「ピンポーン」

私は花川の家のピンポンを鳴らした。

「あっ!優樹ちゃんじゃない!!久しぶりね!フフフッ」

「あっ...はい。お久しぶりです。」

花川のお母さんだっ...!!

本当に久しぶりだな。

「優ちゃんなら、部屋の中よ。入っていいわよ。」

「すみません。お邪魔します。」

私は花川の家に入り、花川の部屋に入った。


...


「あっ!優樹ちゃんっ!!どうしたの?遊びに来たの?」

「違う。お前も違うと分かってるのにわざわざ聞くな。」

「優樹ちゃん...今までの行いを謝りに来てくれたの?」

「優樹ちゃん......今まで私にそっけなかったし、反抗してきたし、オマケに5年3組を潰したし......ね?」

「でも、私は優樹ちゃんの良いところを知ってるよ。本当は誰よりも優しいってこと!」

「だから、優樹ちゃんが謝ってくれるなら私も許すよっ!!」

本当、花川は反省してない。

むしろ、私を恨んでる...。

「私は、お前なんかに謝る気はない。むしろ、謝るべきなのはお前じゃないのか?...花川。」

「また、いじめをする気だろ?」

私は花川の瞳をじっと見つめた。

「優樹ちゃんっ!!あのね、いじめは...正義なの。悪を倒す......手段なの!!」

「だからね、私がいじめをする事は間違いじゃないんだ~。」

「ニタァ」

花川が不気味な笑顔を見せた。

「バチンッ!!!!」

私は花川を叩いた。

「お前......結局はそう言って、ストレス発散してるだけじゃないかっ!!!!」

「いじめが正義?ふざけるなっ!!!!いじめは悪だっ!!!!」

「お前はっ......やられた方の気持ちを考えた事はないのかっ!?!」

「うん。考えたことないよ?だって、私は正義で、向こうが悪だもん!」

ふざけるな...。

結局は、そうなのか。

「お前は、本当...『悪魔』だな。」

「悪魔にした原因は優樹ちゃんの中にあるんだよ?何も知らないのに、そんな事、言っちゃダメだよ。」

私が原因......?

「何が原因であろうと、いじめはダメだ。絶対。」

私は、そう言ったあと、花川の部屋から出た。

本当、何を言っても、いつも花川には届かない......。


私と優樹ちゃんは、昔は仲が良かった......。


...


「優っ!!おはよう!!」

「おはよう!!」

私達は、毎日、一緒に登校していた。

「「優ちゃんっ!!おはよう!!」」

「おはよう!皆。」

私には、たくさんの友達...その中でも優樹ちゃんっていう大好きなお友達がいて、毎日が楽しかった。


...


「は~い!皆さんっ!!体育のキャッチボールは2人組を作ってやってくださいね!!」

2人組かぁ...。

その時、私がいたグループは7人組の奇数だった。

「優ちゃんっ!!一緒にやろっ!!」

「ずる~い!!私も一緒にしたい!!」

皆、私で、あーだこーだ言って、結局は桃ちゃんとやる事になった。

「あっ...優樹ちゃんが1人だ...。」

私は、決まってから気づいた。

「優樹ちゃんっ!!ごめんねっ!!私が桃ちゃんと組むから、1人になっちゃったよね......。」

「別に。大丈夫。」

優樹ちゃん......。

優樹ちゃんは悲しそうな顔をした。

「そ~だよっ!!霧山さんは優ちゃんに頼りすぎっ!!1人でもいいじゃんっ!!」

「本当にっ!!」

優樹ちゃんは、1人だけ、グループになじめてなかった...。

「皆、そんな事、言ったら、優樹ちゃんが傷つくよ。優樹ちゃんも人間なんだから、同じように接してあげないと...!!」

「「アハハハハ!!優ちゃん、やっさし~!!」」

「霧山さんも見習ったら~?(笑)」

最近、こんな事、増えたなっとは思ったけど私は止めなかった。

だって、失いたくないから。


...


「ね~、今日、遊ぼっ!!」

「「いいよ~!!」」

「優ちゃんは遊べる?」

私...?

「私も大丈夫だよ!」

「よっしゃー!!これで決まり♪」

あれ...?優樹ちゃんは...?

「ねぇ、優樹ちゃんは?誘わないの?」

「ん~、アイツ、私、嫌いだし。」

「私も~。」

「何か、美人で勉強出来て、スポーツ出来るからって調子乗ってるよね。」

「「それなっ!!」」

「優ちゃんを見習えよっ!!可愛いくて、勉強出来て、スポーツも出来るのに、あんな風に調子乗らないんだよ!?」

「マジ天使っ!!」

皆が......私を褒めている。

「ありがとう!皆...!!」

「やっぱり、優樹ちゃんみたいに調子に乗ったらダメなんだね。」

私は、正直、優樹ちゃんが調子乗ってるか分からなかったけど、皆に合わせた。

「「アハハハハ!!優ちゃん、最高っ!!」」

だけど、これはどんどんエスカレートする。


...


「「ボォォン!!!」」

皆、ボールを優樹ちゃんに投げた。

「「霧山さ~ん。このボールなおしといてね。...クスクス」」

優樹ちゃんは睨んだ。

だけど、その後、黙々とボールをなおし始めた。

「「アハハハハ!!霧山さん...何も反抗しないっ!!やっぱり、便利だね~!!」」

優樹ちゃん......。

「お友達に裏切られて可哀想な優樹ちゃん......。大丈夫?」

「「アハハハハ!!優ちゃん最高っ!!!」」

何で、笑ってるんだろう...?

優樹ちゃんが大丈夫だから...?

「ガァァンッ!!!」

優樹ちゃんが壁を蹴った。

皆、静かになった。

「うるさい。目障り。不愉快。」

「話すなら、場所を変えろ。」

優樹ちゃん......。

「そんなに怒ってどうしたの?私達はただ楽しく話してるだけだよ?優樹ちゃんも話したいなら、一緒に話す?」

「「アハハハハ!!こんな時でも優ちゃん最高だねぇ!!うちら、さすがに今の状況じゃ、嫌がらせ出来ないわっ!!...ハハハ!!」」

嫌がらせ...?

何の事...?

「ボォォン!!!」

優樹ちゃんが私達の方にボールを投げた。

「ちょ、ちょっと!!危ないじゃない!?」

「本当にっ!!」

皆、騒いだ。

「お前ら聞こえなかったのか?もう1回だけ言うぞ。」

「うるさい。目障り。不愉快。」

「話すなら、場所を変えろ」

優樹ちゃん......?

「あと、優っ!!」

「なぁに?」

「私はお前の便利屋じゃない。皆の気が引きたいなら、私に嫌がらせをするんじゃなくて、他で気を引け。」

お前って言われた......。

怒ってるんだね......。

でも、私、何かした?

「え?何の事?」

「ハァァ...」

優樹ちゃんがため息をついた。

「正直、最近のお前...面倒臭い。私を利用して、楽しんで...私、今は、優と気が合わない。」

優樹ちゃん......。

「「優ちゃんっ!!行こっ!!」」

「うんっ!!」

何なの!?優樹ちゃんっ!!

本当、ウザい...。

少し、痛い目に合えばいいよ......。


それから、いじめは、どんどんエスカレートした。


...


「「クスクス」」

クラスの皆、笑っている。

だって、優樹ちゃんの机には花が置いてあるから...。

「あっれ~?霧山さん、死んだんじゃないの~?」

「クスクス...もしかして、幽霊?こっわ~い!」

優樹ちゃん......傷ついてる。

とても、ユカイダナ。

「ガタンッ!!」

私は立ち上がって、優樹ちゃんの方に歩いた。

「優樹ちゃんっ!ごめんねっ!!私...優樹ちゃんが死んじゃったと思ってお花、置いちゃった。」

「あと、机の中の物......全部捨てちゃった♪」

「でも、仕方ないよね。優樹ちゃんだって悪かったんだし♪」

「バチンッ!!!!」

優樹ちゃんが私を叩いた。

初めて......。

「本当、やる事が幼稚。面倒臭い。」

本当は、優樹ちゃんは怒ってる。

だって、机の中には、私が優樹ちゃんにあげた、優樹ちゃんの宝物が入ってあったんだもん。

優樹ちゃん......そうやって、平常心を保てるのはいつまでかな?

「ねぇ、優樹ちゃん.....1回立ってみて?」

「カリカリカリ」

優樹ちゃんは勉強をし出した。

「無視すんじゃねーよ!!ガリ勉っ!!」

そう言った桃ちゃんが、優樹ちゃんの椅子を蹴った。

「ガタンッ!!」

優樹ちゃんは、椅子とくっついてた。

「椅子が...くっついてる...!?」

優樹ちゃんは驚いた顔をした。

「優樹ちゃんって、いつも椅子に座って勉強しているから、接着剤を椅子につけといてあげたよっ!!」

「大好きな椅子と一緒で良かったね♪」

「「アハハハハ!!」」

皆、笑い出した。

「だっせ~!!俺が...写真撮っといてやるよ!!」

「や、やめろっ!!」

「パシャパシャッ」

写真を撮り始めた。

「やめろおおおおおおおお!!!!」

ふふっ...人が壊れる姿って愉快だなぁ~♪

優樹ちゃんが悪いんだよ?

私の事、好きじゃないから......。

いじめは、正義。

私は、正義。


...


放課後の事。

「「ねぇ、優ちゃん。」」

「皆?どうしたの?」

皆、私の方に来た。

「あの...霧山さんをいじめるのやめない?」

「何で?」

「いじめは、正義なんだよ?優樹ちゃんは悪い子だから懲らしめているんだよ?」

「あっ!そういう意味じゃなくて......アイツ、反応あんまりないからおもんないじゃん。」

え......?

今日、反応が1回あったじゃん...。

「反応、今日で初めてで、でも反応してから、何も反応しなくなったし、アイツにやるだけ無駄だと思うんだけど...。」

「優ちゃんが嫌なら、霧山さんへのいじめ......続けるけど...。」

「いいよ。優樹ちゃんへのいじめ......やめるっ!!」

「「優ちゃんっ!!!」」

「でも、その代わりに新井さんを次のターゲットにしない?」

「あのぼっち?」

「うん!そうだよ!!」

「いいじゃんっ!!絶対、霧山さんより面白いって!!」

「「賛成っ!!」」

本当は、優樹ちゃんの方がいいけど、皆が嫌って言うから、新井さんは身代わりだよ。

でも、いじめを止めたら、また......優樹ちゃんが私の元に戻ってくれるはず...!!

そう...私は、信じていたの。


あの後から、私は新井さんに近づいた。

「新井向日葵さん...。私のこと...誰か分かる?」

「は、花川優ちゃんっ!!!」

新井さんはビクビクした。

まぁ、分かって当たり前だけどね...。

だって、優樹ちゃんのいじめの主犯者だもん。

分からなかったら『バカ』だよね。

「新井さん...小説書いてるんだっ!!読んでいい?」

「コクン」

新井さんは頷いた。

だから、私は新井さんの小説を読み始めた。


...


私は、新井向日葵。

私は、向日葵みたいに可愛い。

まるで、天使みたいに...。

そんな私にも運命の人がいる。

「新井。その本、また貸してくれない?」

「い、いいよっ!」

「ありがとうなっ!!」

「ニコッ」

そう笑った彼の顔が、私の元気の源。

彼の名前は、間宮凛くん。

凛くんはカッコよくって、クールで、知的っ!!

まさに、天使の私にピッタリ!!

そんな、凛くんと私は、いつも本の貸し借りをする。

凛くんも私が好きで、私も凛くんが好き。

これは、まさに運命...だよねっ!!

「り、凛くんっ...!!凛くんのオススメの本って何...?私...自分の本、今、読みすぎちゃって、暇だから...教えてくれないかな?」

「ん~。秘密の図書館探偵団っていうやつ。犯人が誰か分かんなくって、読み終わった後、あぁ~!!ってなるから、超オススメ。読まないと、多分、新井...損するよ。」

「あ、ありがとうっ!!読んでみるねっ!!」

あぁ~やっぱり、凛くん好きっ!!

大好きっ!!

いつか、本以外の話をしたいな。

「間宮く~ん!!その本、何ぃ~?」

「別に。」

「間宮くん!!本読まないで、うちらと遊ぼうよ~っ!!」

「無理。」

凛くんは、モテてる。

でも、見ての通り、私以外はそっけないの。

「新井っ!!これ...すげぇ続きが気になるっ!!」

「でしょ!?でしょ!?私のオススメの理由...分かったでしょ!?」

「あぁっ!!」

「ニコッ」

そう言って、凛くんは笑った。

凛くんのその笑顔も全部...運命の人の私だけ。

あぁ~、天使の私は、なんて恵まれているんだろう。

「凛くんっ!!今日、図書館に行きたいから、一緒に帰ろっ!!」

「あぁ。」

一緒に帰って、告白されるのね!?

私......。

今日こそ、運命の人の彼女っ!!


...


話は、ここまでで途中だった。

「新井さん。この話に出てる、向日葵ちゃんと凛くんって、間宮くんと新井さんがモデルだよね?」

「コクン」

赤面しながら、新井さんは頷いた。

「これって実話?一緒に帰ったり、本のお話したりするの?」

「う、うん///」

「へぇ~、そうなんだっ!凄いねっ!!この本の通り、私は...間宮くんと新井さん...お似合いだと思うよっ!!」

「ほ、本当!?///」

「うんっ!間宮くんってあんまり女の子と話さないのに新井さんとはいっぱい話してるしっ!!大丈夫だよ。2人は...『運命の赤い糸』で結ばれてるんだよ。」

そう言ったあと、新井さんは赤面して喜んでた。

「私、新井さん......向日葵ちゃんの恋を応援するよっ!!」

「あ、ありがとう!!ゆ、優ちゃんっ!!」

向日葵ちゃん、チョロ。

簡単に信じすぎ。

こうして、私と向日葵ちゃんはどんどん仲良くなっていった。

...


「向日葵ちゃんっ!!良かったね。間宮くんにお土産...貰えて。」

季節はいつしか、夏になった。

「うんっ!!これも優ちゃんのお陰っ!!ありがとうっ!!」

「そんな......私は、ただ見守っているだけだよっ!!」

「ううんっ!!優ちゃんがいなかったら、こんなにも仲良くなれなかった!!私......優ちゃんと仲良くなれて良かったっ!!」

向日葵ちゃん...バカだね。

これから、地獄が待ってるのに...。

「向日葵ちゃん。間宮くんに、告白...してみたら?」

「え、えぇぇ!?さ、さすがに無理だよ///」

向日葵ちゃんは赤面した。

「大丈夫だよ。向日葵ちゃんと間宮くんは『運命の赤い糸』で結ばれてるんだから...。自信を持ってっ!!」

「そ、そっかぁ///」

向日葵ちゃんは喜んでいた。

「「優ちゃんっ!!」」

桃ちゃん達...。

「皆、どうしたの?」

「最近、優ちゃん...新井さんとばっか仲良くしてない?」

「そんなんじゃ、新井さん...自立出来ないじゃんっ!!」

「そーそー!!新井さん...優ちゃんから離れたら?」

「皆っ!!責めないでっ!!」

私は大きめの声で言った。

「あのね、向日葵ちゃんは...好きな人がいるの。その好きな人と向日葵ちゃんがくっつくように、私が勝手にしてるのっ!!」

「だから、向日葵ちゃんは責めないで......。」

「優ちゃん......。」

向日葵ちゃんは、泣きそうな声で言った。

「でね、皆。今から、向日葵ちゃんは大好きな彼に告白するのっ!!ねっ?向日葵ちゃん?」

「え、えぇ!?い、今?///」

皆、私達の方を注目した。

「何?新井...告白するの?」

桑原くん...。

「うん。そうだよっ!!」

私は答えた。

「ちょっ!優ちゃん......皆がいるのに、恥ずかしいよぉ///」

向日葵ちゃんは小声で言った。

「大丈夫だよ。2人は両想いだから、振られる心配とかはないよっ!」

向日葵ちゃんは黙った。

そして、間宮くんの方に行った。

「り、凛くん///」

「何?」

「ぁ...ぅぅ...す、好きですっ!!///」

「凛くんの彼女(オンナ)にしてくださいっ!!///」

向日葵ちゃんは真っ赤になった。

「「うおおおおおおおおおおおお!!!!」」

皆、騒いだ。

「えええ!?イエス?ノー?」

「ノーでしょ!!あの間宮くんだよ!?」

「1組の藤本さんでも振られたんだよ!?」

「えええ!?藤本さんって可愛いじゃん!!」

「それじゃあ、新井さんなんて......到底、無理よね...。」

ふふ...無様に振られるといいよ。

「新井。ごめん...。俺、今は誰かと付き合うとかそういうの考えられない。」

ふふ...ざまぁ。

「「アハハハハハハハハ!!振られてる!!」」

「ダッセーっ!!」

「ダサすぎっ!!」

皆、笑い出した。

「ねぇ、間宮くんは、この告白で嫌な気持ちしたよね?それって...向日葵ちゃんには罰を与えなきゃいけないよね...。」

「「優ちゃんナイス!!」」

「え...優ちゃん......?嘘......だよね?私と優ちゃんは親友だよね...?」

バカじゃないの?

私の親友は、優樹ちゃんだよ。

「向日葵ちゃんにはこのクラスの下僕(ワンコ)になってもらわなきゃね...。」

「「いいねっ!!下僕(ワンコ)!!」」

「優ちゃんっ!!!!嘘って言って!?」

涙目で、向日葵ちゃんは訴えてきた。

「名前は『ひま』でいいよね?」

「「賛成っ!!」」

向日葵ちゃんは残酷だね...。

「『ひま』お座りしろっ!!」

「...ヒック..ウゥ...優ちゃ...ヒック......」

残念ながら、私は向日葵ちゃんを助けないよ...。

「『ひま』言う事は聞かなきゃダメでしょ?泣いちゃ......ダメだよ?」

「ニタァ」

私は、不気味な笑みを浮かべながら言った。

「...ヒック..ウゥ......」

「おいっ!!『ひま』泣いてないで、お座りしろよっ!!!!」

「ガァァンッ!!!」

桑原くんは、『ひま』を殴った。

皆、楽しんでるみたいだし...良かった。

これで、優樹ちゃんも見直してくれるよね......?


私は1人で家に帰った。

ほんの数週間前までは、優樹ちゃんと一緒に帰ってたのになぁ...。


...


「ママっ!!ただいまっ!!」

「優ちゃんっ!!おかえりっ!!優ちゃんの部屋に優樹ちゃんがいるわよ!!」

「本当!?」

優樹ちゃん...ついに、私の所に戻って来たんだねっ!!

私は、慌てて、自分の部屋に行った。


...


「優樹ちゃんっ!!優樹ちゃん...私の事、見直してくれた?」

「皆を笑わす事も私しか出来ないんだよ。優樹ちゃんには、持ってない部分を私が持ってる。」

「その代わりに、私が持ってない部分を優樹ちゃんが持ってる。」

「やっぱり、私達は一緒じゃないとダメなんだよっ!!」

「だから、私の事......面倒臭いとか、もう、言わないでね?」

優樹ちゃんは黙っていた。

「優。お前...今すぐ、いじめをやめろ。」

え...?

「新井さんは、優だけが友達なんだぞっ!?新井さんは......優を親友だと思っている。新井さんに大切なのは、優なんだっ!!!」

「私...『ひま』とは親友じゃないよ?」

「は...?あんなにも、仲良かったのに...?」

「仲がいいのは......私は『御主人様』で『ひま』は『下僕(ワンコ)』だからだよ。」

「バチンッ!!!!」

優樹ちゃんが私を叩いた。

「お前...新井さんを犬扱いするなっ!!!新井さんだって、私達と同じ人間なんだぞっ!?私達は皆......平等で生まれてるんだぞっ!?!」

優樹ちゃん......。

優樹ちゃんが私を変えたんだよ?

「『遊び』だよ。優樹ちゃん。」

「私の親友は、ずっと......優樹ちゃん。」

「でも、今は、優樹ちゃんと私......少し喧嘩中でしょ?」

「私......優樹ちゃんがいないと寂しいの。楽しくないの......。」

「優樹ちゃんが私の元に戻ってくれたら、いじめをやめるよ。」

優樹ちゃんは震えていた。

何で?

私は、優樹ちゃんが大好きって事を言っただけなのに......。

「今...優とは一緒にいたくない。」

え...?なん...で?

「優の考え方が......前みたいに戻ったら、また、優と一緒にいたいっ!!!でも、今の優は大っ嫌いだっ!!!!」

そう優樹ちゃんが叫んで、私の部屋を出て行った...。

「何で?何で...?」

私が変わったのは、優樹ちゃんのせい...。

それなのに、それなのに、何で...大嫌いなの?

ムカつく...ムカつく。

私のやってる事は間違ってない。

「霧山優樹。お前なんか嫌いだ...。」

だけど、まだ...これだけじゃなかった。


あれから、学年が1つ上がった。

「優樹ちゃんっ!!おはよっ!!」

「...おはよう。」

あれから、私と優樹ちゃんの距離は全く縮まらない。

「優ちゃん...まだ、霧山さんと仲直り出来てないの?」

「優ちゃんは、優しいし可愛いから、他にもたくさん友達いるし、もうよくない?」

ダメなの...優樹ちゃんじゃなきゃ...。

私の1番は優樹ちゃんなの...。

あれから、何回も嫌いになろうとしても無理だった......。

言葉で言えても、本当に好きだから......。

「でもね、私と優樹ちゃんは親友なの。私と優樹ちゃん......かけがえのない存在同士なの。だから、私は、諦めないよ。」

「「優ちゃん優しいっ!!!」」

「ありがとう!」

私の周りには人がいる...。

でも、優樹ちゃんがいない...。

優樹ちゃんは、美人で、賢くて、運動神経良くて、本当は優しくて、カッコいい、1人でも平気......。

私にはない所を持ってないから......一緒にいたい。

私達が1つになれば、完璧でしょ?

だから、私は諦めない......。

「優。」

「優樹ちゃんっ!!なぁに?」

優樹ちゃんから話しかけてきたぁっ!!

「今日、一緒に帰ろ。話したい事がある。」

「いいよっ!!」

今度こそ、戻ってくれる......。

やっぱり、優樹ちゃんは私がいなきゃ、ダメなんだよ...。


...


「優。」

「ん?なぁに?」

「私達......『親友』をやめないか?」

「え......?」

なん...で......?

私と優樹ちゃんは2人で1つのかげかえのない存在同士。

優樹ちゃんが持ってない所を私が持っていて、私が持っていない所を優樹ちゃんが持っている。

私達が1つになれば、完璧の人間......。

なのに......なんで......?

「優樹ちゃん......私は、優樹ちゃんが好きだよ。優樹ちゃんと仲直りが出来るなら、今すぐにでもしたいよ......。」

「優樹ちゃんも......私が好きだよね?」

「好きじゃなきゃ、あんなにも仲良く出来ない......。」

「お願い......優樹ちゃん......。ずっと『親友』でいようよっ!!」

私は、涙目で優樹ちゃんを見つめた。

「ごめん。優......。」

そん...な......何で......?

優樹ちゃん......何でなの!?

「あの時は、私も優が好きだった......。」

ほら......やっぱり、そうじゃん。

「優樹ちゃん......今も好きだよね......?」

少し、優樹ちゃんは黙った。

「今の優は......私を利用して......皆に『優ちゃんは優しいね』って言ってもらって......そうやって、自分の価値を上げてるようにしか見えない......。」

は......?

「人を利用する優のことは......私は大嫌いだ......。」

「それに、新井さんに犬扱いをクラス替えするまで、していた事を優は、謝っていない......。それだって、私は、優の許せない所だ。」

『ひま』は『下僕(ワンコ)』だもん。

犬扱いは当然。

「優樹ちゃん。『ひま』は『下僕(ワンコ)』だよ?皆だって、犬扱いしてるし、私だけが悪くないもん♪」

「優のそういう考えが許せない所だっ!!!!!」

優樹ちゃんが叫んだ。

「でも、優樹ちゃんも1回だけ私に注意しただけで、全然、皆に注意してなかったじゃん♪」

「必死に『ひま』を守れば良かったじゃん。体を張って......。」

「休み時間も、帰りも、ずっと一緒にいたら良かったじゃん。」

「それをしなかった優樹ちゃんは......『偽善者』なんだよ。」

「そういうの......タチ悪いと思うな♪」

優樹ちゃんは少し黙った。

ふふ。優樹ちゃん......もう、何も言えなくなったでしょ?

私はいつも『タダシイ』。

「ハッ...ハハッ......」

優樹ちゃんは突然、笑い出した。

「優樹ちゃん......?」

「私は優の方がよっぽどタチ悪いと思うけど。」

「え...!?」

何で...?何で...?

「確かに、優の言う通りだと思う。でもさ......優は私と仲直りしたいとか言って、でも、私は......優に傷つけられたんだぞ?そんな奴......許すわけないだろ?それを承知でお前は動いてるんじゃないか?」

は...!?何なんだよ。

「どうせ、優は、私と仲直りしても、前みたいに、いいように動かすだけだろ?本当......『偽善者』はどっちだっ!!!」

優樹ちゃんは叫んだ。

「優樹ちゃん......今の言葉、取り消して。」

「無理だ......。本音だから......。」

「優樹ちゃん......謝って?謝ってくれたら前みたいに一緒にいれるよ?楽しい毎日を送れるよ?」

「今の私は、優と一緒にいたくない。それに、言葉だけで......心の底から謝れないから、謝りたくない。私は、思ってない事を言いたくない。」

何なわけ...!?

ムカつくっ!!

お前なんか......ぼっちのくせにっ!!

「優......『親友』やめよう。もう......赤の他人になろう?」

「いいよ。でも、その代わりに優樹ちゃんは、2度と私のいじめに口出ししないでね。赤の他人なら......優樹ちゃんも止める気ないでしょ?」

優樹ちゃんは黙り込んだ。

「優はズルイな......。」

「は!?」

「そんな事、言って『親友』をやめさせない気だろ?」

何で...分かったの?

やっぱり、嫌だ......。

『親友』をやめたくないっ!!

「でも、そんなズルイ優とは、もう、一緒にいたくないから、『親友』やめる。赤の他人になる。」

嘘......。

嘘って、言って......。

「じゃあ、また、明日な。『花川』。」

花川......。

優って呼んでくれなかった。

「...ヒック..ウゥ......霧山優樹なんか...嫌い...ヒック......」

初めて、本気で泣いた時だった。

そして、優樹ちゃんが嫌いと思い込んだ時だった......。


「チュンチュン」

鳥が鳴いている。

朝の合図だ......。

「...優樹...ちゃん......。」


...


思い出したくない過去を思い出してしまった。

あの過去は、リセットしたい......。

初めて、私の名前を呼び捨てにしたのも、初めて、『一緒にいたい』って思えたのも、全部......優樹ちゃん。

だから、あの『別れ』が......。

私にとっての心の傷。

でもね......。


「ピロリン♪」


LINEだ......。


『優ちゃんおはよう(。・・)ノ

今日も一緒に学校、行こうねっ!!』


私にはたくさんの友達がいるの。

「霧山優樹......お前なんかいなくても、どうでもいい。」

心の傷があっても、周りが私の思う通りに動かすの......凄く楽しい。

だから、霧山優樹なんかどうでもいい。

むしろ、私の邪魔をしてくるし、『イラナイ』。


『夢香ちゃんおはよう٩(*´`*)۶

うんっ!一緒に登校しようね(๑´`๑)』


私は、そう送信した。

夢香ちゃんは、今回、初めて同じクラスになった子。

私の本性を知らない夢香ちゃん。

「残酷だね♪」

さぁ......優樹ちゃんの事、忘れよう。

私は、『今は』天使を演じよう。

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