悪魔に勝つ天使達
霧山さん...今頃、私の日記を見せて反撃中かな...。
...
私は、まだ自分の部屋にいた。
でも、最近は明かりをつけているし、服だって...パジャマじゃない。
「霧山さんのお陰だな...。」
「コンコンコン!」
ドアのノックの音が聞こえた。
お母さん...?
また...霧山さんが来たのかな?
「ガチャッ」
私はドアを開けた。
「ひ、輝莉っ...!!大変なのっ...!!」
「え...?」
「ちょっと来て......。」
私はお母さんの後ろをついて行った。
リビングに来た。
テレビがついていた。
『○○小学校で小学五年生こ男女2人の飛び降り自殺がありました。』
え...!?
○○小学校って...うちの学校!!
私はテレビに目を向けた。
『男の子は死んでしまいましたが、女の子の方は意識不明の重体です。』
男子の顔が先に映った。
「ま、間宮くん!?」
嘘...あんなに大人しいのに...。
まさか、ターゲットにされた...?
でも、女の子って誰...?
女の子の顔も映された。
「霧山さん!?」
「...ヒック..ウゥ......ウグゥ...」
お母さんは泣いていた。
「霧山...さん...。」
何で...何で...飛び降り自殺なんか...。
何か、間宮くんと関係あるの...?
『女の子のランドセルの中には日記がありました。』
日記って...私のだよね。
まさか...まだ先生に言ってなかった!?
『日記の内容からはいじめの内容が読み取られており、この女の子とは何か別の子の日記と考えられるものです。』
『では...今から○○小学校で先生方にインタビューしたいと思います。』
そう言って、テレビ局の人達は小学校に入った。
『あの...すみません。10チャンネルの△△なんですけど...この小学校にいじめはありましたか?』
『すみません。ノーコメントで。』
『あのっ!!ノーコメントってことは...あったっていうことですか!?』
テレビ局は先生を追いかけた。
『うちの学校にはありません。』
「せ、先生っ...!!」
テレビに映ったのは、見慣れた担任の先生だった。
『うちの学校はとても仲良くて楽しいので、いじめなどありません。』
いじめ...あったんだよ。
いじめはあったんだよ...。
『じゃ、何故、飛び降り自殺があったんですか?』
『それは何かの事故だと思います。』
そう言ってから、先生は逃げた。
『えっと...今回は事故の可能性もあるっていうことです。まだ、よく分からないところですね。まだまだ調べる必要があるみたいですっ!』
私...戦わなきゃ...。
「お母さんっ!!私...明日、学校に行くっ!!!」
「輝莉!?何、言ってるの!?霧山さんが死んだ所よっ!!今...輝莉が行けるような所じゃないわ!!」
「私...行かなきゃいけないのっ!!!戦わなきゃいけないのっ!!!」
「今回の件を...私は事故で終わらせたくないっ!!!!」
私は叫んだ。
「ポロポロ...」
涙が溢れ出た。
「霧山さんはあんなにもいじめを止めようと頑張ってた...そんな霧山さんの自殺を...無かったことにしたくないっ!!!」
「もう、私は逃げないっ!!!私......強くなりたいっ!!!!」
「輝莉......。」
お母さんも泣いていた。
「分かったわ。私も嫌だもの...霧山さんの自殺を事故で終わらすなんて...。」
お母さんっ...!!!
「でも、無理しない事を約束してね。」
「うんっ!!」
霧山さん...待ってて。
私が、霧山さんの自殺を無かった事にしないから...。
翌日。
私は学校に行った。
正門の周りにはテレビ局が来ていた。
「だから、この学校にはいじめはありませんっ!!」
「なら、何故...飛び降り自殺があったんですか?」
「あれは、事故ですっ!!!」
事故...なんかじゃないっ!!
私達のクラスにはいじめがある...。
だから、事故なはずないっ!!
「○○小学校の5年3組ではいじめがあるんですっっ!!!!!」
私は叫んだ。
その途端にテレビ局の人達が私の方に来た。
「では、あの日記の内容は本当にあった事ですか?」
「はいっ!!全部...本当の事ですっ!!」
「あの日記に書かれていない事もありましたか?」
「あります。今から私が今までの事を話します。」
そう言ってから、私は今までのいじめを話した。
...
「...ヒック..ウゥ......」
最後らへんになってから、涙が止まらなくなった。
「では、今回の自殺した女の子は、いじめを止めようとしていた人...てことでいいですか?」
「コクン」
私は頷いた。
「...ヒック..あの自殺...ウゥ...事故なんかじゃないっっ!!!!...ウゥ...」
「先生達...現実から逃げないでっっ!!!!...ヒック...真っ直ぐ受け止めてっっ!!!!......私達を..ヒック...私達を救ってくださいっっ!!!!」
そう言ってから私はお辞儀した。
そして、教室に向かって歩き出した。
「...泣くな。..ヒック...強くなら...なきゃ...ウゥ...。」
「ゴシッ」
私は涙を拭いた。
「よしっ!頑張れ...自分。」
私は真っ直ぐ歩いた...。
真っ直ぐ...真っ直ぐ。
「スー...ハー...」
教室の前で私は深呼吸した。
「プルプル」
体が震えた。
ダメだ...こんなんじゃ...。
私は霧山さんの為に戦わなきゃっ!!
「ガラッ」
私は教室に入った。
「おいっ!!鈴木...お前、何テレビの前で『デタラメ』言ってんの?」
デタラメ...?
私、デタラメのことなんか言ってないはず...。
「輝莉ちゃん。悪い子だね。私達...いじめなんかしていないのに、いじめしたって嘘ついて...。」
優ちゃん...!!
「プルプル」
体は震えた。
し、しっかりしなきゃ...!!
ここで逃げたら、前と同じっ...!!
「私...嘘なんかついてないっ!!嘘ついてるのは優ちゃん達の方だよっ!!いじめ...優ちゃん達してるじゃん!!」
「はぁ!?ふざけんなよっ!!」
「ボォォン!!!」
私は裁判員の桜ちゃんに押された。
「ガンッ!!!」
机が頭に当たって痛い...。
でも、こんなんでヘコタレないっ!!
「こんな風に...大勢で1人に攻撃するの...やめようよっ!!攻撃して...何か得するの!?」
「グイッ」
優ちゃんが私の胸ぐらを掴んだ。
「ねぇ...輝莉ちゃん。輝莉ちゃんは、YouTubeに動画投稿されたんだよ?よくテレビの前に出れたね。」
「ゾクッ」
ど...しよ。
もし、ネットに上げられたのが私だって誰かにバレたら...。
どうしよ...どうしよ!!
私...本当にバカだ!!
「もし、誰かにバレたら...ネットで上げられるかもね。『YouTubeでおじさまの彼氏を募集した子がテレビに出て生意気に何か言ってる』って。」
どうしよ...どうしよ。
もう...取り返しのつかないことをしてしまったよ。
「ねぇ...輝莉ちゃんが罰を受けてくれたら、YouTubeに投稿したヤツ消してあげる♪」
消してくれる...でも。
次の罰は前よりもっと酷いかもしれない。
それに、罰を受けたら止まらない。
このいじめは一生続く。
「わ、私...罰を受けないっ!!確かに...YouTubeに投稿したヤツ消してほしい。でもっ!!ここで、罰を受けたら前と一緒!!このいじめは止まらなくなって...もっと加速するっ!!!」
「皆も...本当は思ってるっ!!!こんないじめ...止まればいいのにって...。」
「バシャッ」
冷たい...!!
お茶...?
何かをかけられた。
「お前、ムカつくんだよっ!!!偽善者っ!!今まで...不登校で、学校から逃げてた癖にっ!!!」
桜ちゃん...。
確かに私は不登校で学校から逃げてた。
でも、今の私は正しいと思う。
私...今の私は好き。
「そんな事やっていいと思ってるの!?」
「はぁ?何だよ鈴木。」
桑原くんが私を睨みつけながら言った。
「今、私のバックにはテレビ局がいるんだよ。こんな派手にやったら...私、またテレビに出て言ってやるからっ!!!」
「今は一旦やめよっか♪」
「スルッ」
優ちゃんは私の胸ぐらを掴むのをやめた。
「輝莉ちゃん。また...新しい罰を与えれそうで...私、とっても嬉しいな♪」
「ゾクッ」
怖い...けど、私は逃げないっ!!
私は強くなるの...。
鈴木さんがトイレに行った後、すぐに教室の鍵を閉めた。
「さぁ、輝莉ちゃんにどんな罰を与える?」
「ゾクッ」
こ、怖い...。
今は鈴木さんだけど、いつ...私の番に来るか分らない!!
「はいは~い!!『事故死』にさせよーぜ。」
桑原くん!!
鈴木さんを...こ、殺すってこと...?
「今、霧山と間宮の事件でニュース持ちきりだから、事故死させたら、いじめの件もなかったことにさせられるだろーし...。」
「いいね!そのアイデア。皆...陸くんのアイデアに賛成だよね?」
「「うん!!」」
「じゃあ~、優美ちゃん!」
「な、何...?」
こ、怖い...。
な、何をされるの...!?
「優美ちゃんが...輝莉ちゃんを事故死にさせてね♪」
「え...?」
「どんな手を使ってもいいよ。輝莉ちゃんが死んだらね...。」
鈴木さんを...私が!?
また...私は裏切るの...?
「もし、嫌なら...また、私達が罰を与えてあげる♪」
嫌だ...嫌だ!!
また、いじめられるのとか嫌だ!!!
「ゎ、私...や、やるね...。」
「が、頑張る...ね。」
また...私の選択肢は間違えたと思う。
でも、いじめられたくないの。
これは...仕方ない選択。
「ありがとう!優美ちゃん!優美ちゃんならやってくれるって思ってたよ!」
頑張らなきゃ...。
へまをしちゃいけない...。
「ピクッ」
体中が痛い...。
こんなんじゃ...花川達に負けてしまうっ!!
いや...負けるも勝つもないか...。
私は間宮と一緒に夢の国へ飛んだのだから...。
「パチッ」
目が開いた...。
見慣れない天井。
でも、この天井...知ってる。
確か...鈴木さんに突き落とされて目が覚めた時も見たはず...。
「優樹っ!!優樹っ...!!生きてるのね...!?」
「お母...さん...?」
私...生きてるのか...?
「ギュウウ」
お母さんは私を力強く抱きしめた。
「...良かったぁ...ヒック...ウゥ...」
あぁ...またお母さんを、前みたいに心配させちゃった...。
「前より目覚めるのが遅かったから...死んじゃったかと思った...ヒック......」
「お母さん...。」
「ハッ!!」
間宮...間宮は生きてるのか!?
私は生きていた...間宮も生きているはずだっ!!
「お母さんっ!間宮は...間宮は...生きているのか!?」
「スルッ」
お母さんは抱きしめるのをやめた。
「バチンッ!!!!」
お母さんは私を叩いた。
「お母...さん...?」
「あの、ろくでもない男の子は死んだわよ。」
死んだ......?
なら、何故...私は生きている?
それに、ろくでもないって...。
「幸い優樹が土の上に落ちたから、生きて良かったけど、何で『自殺』っていう行為をしたの?私...恥ずかしくて外で歩けないじゃない。」
「ごめん...なさい。」
「ハァ...」
お母さんはため息をした。
「優樹を私立に行かせるべきだったわ。」
「リハビリする時は私に言ってからしなさい。あと、リハビリ以外はどんな時でも病室から出ないこと。いいわね?」
「コクン」
私は頷いた。
「全く...公立に行かせるんじゃなかった。」
そう言ってから、お母さんは出て行った。
「...ヒック..ウゥ......ヒック...」
間宮...間宮。
「...ヒック..何で...ヒック...間宮は......土の上に落ちなかったんだろう?...ヒック...」
「...ヒック...何で...?」
私が生きて、間宮が死ぬなんて意味がない。
「もう嫌だっ!!!!」
「ガァァン!!」
私はテレビのリモコンを投げつけた。
「カチッ」
テレビはついてしまった。
すぐ消そうと思った...だけど。
『あの人』の声が聞こえたから消すのをやめた。
『○○小学校の5年3組ではいじめがあるんですっっ!!!!!』
「す、鈴木さん!?」
私は画面を見た。
鈴木さんだ...。
でも、何で鈴木さんがテレビに...?
『では、あの日記の内容は本当にあった事ですか?』
日記...?
日記って...鈴木さんの?
でも、何でそれがテレビで...?
分らない...。
『はいっ!!全部...本当の事ですっ!!』
『あの日記に書かれていない事もありましたか?』
『あります。今から私が今までの事を話します。』
それから、鈴木さんは今までのいじめの事を全部話した。
『では、今回の自殺した女の子は、いじめを止めようとしていた人...てことでいいですか?』
『コクン』
鈴木さんは頷いた。
『...ヒック..あの自殺...ウゥ...事故なんかじゃないっっ!!!!...ウゥ...』
『先生達...現実から逃げないでっっ!!!!...ヒック...真っ直ぐ受け止めてっっ!!!!......私達を..ヒック...私達を救ってくださいっっ!!!!』
「ポロポロ」
止まっていたはずの涙がまた溢れ出した。
「...ヒック......鈴木さ...ウゥ...」
本当は怖かったはず...。
なのに、こんなにも頑張ってくれている...。
ありがとう...鈴木さん。
ここで止まっていられない...!!
今すぐ、鈴木さんに会いたい!!
「ズキッ!!」
体を動かしたら痛かった。
まだ...動かせられないっていうところか。
「今すぐ、リハビリしなくちゃ...。」
「1日でも早く...鈴木さんに会いたいっ!!」
今は、ただひたすらに頑張ろう。
放課後になって、私はすぐ帰った。
早く...霧山さんの病院に行かなきゃ。
今日、先生が霧山さんが入院している病院の場所を言ってた。
「...ハァハァ......」
早く行きたいっ!!
...
病院についた。
「ぁ、あの...霧山優樹さんの病室は...何号室ですか...?」
「あら、霧山さんは今、リハビリ中ですよ。リハビリ室に行きますか?」
迷惑かもしれない...。
でも、今は会いたい...!!
「はい。い、行きます...!!」
...
私と看護師さんはリハビリ室に行った。
「...ハァハァ......」
霧山さん...息が荒い。
何時間も練習している......?
「ガタン!!」
霧山さんが倒れた。
「霧山さんっっ!!!!」
「ハッ!!」
お、思わず叫んでしまった...。
霧山さんが私の方を見た。
「鈴木さん...?何で...ここに...。」
「タッ」
私は霧山さんの方に走った。
「霧山さんっ!!あ、あの...私......強くなるからっ!!!」
「強くなって、優ちゃんに勝って...霧山さんの『自殺』を......無かった事に絶対しないからっ!!!」
「わ、私も頑張るから......霧山さんもリハビリ頑張って...ね。」
霧山さんは驚いた顔で固まっていた。
「ありがとう。」
そう笑顔で霧山さんが言った。
「あ、あの...もし、良かったら...霧山さんが退院したら、私と友達になろっ!!」
「......。」
長い沈黙が続いた。
「い、嫌なら...別にいいよっ!」
「ギュッ」
霧山さんは私の手を握った。
「嫌なわけない......。私は、ずっと...鈴木さんと友達になりたかったから。」
霧山さん...。
私、一回、霧山さんを突き落としたんだよ?
そんな最低なヤツなのに...友達になりたいって......。
霧山さんはどんなに、いい人なの?
「そうなったら、私も早く退院しなきゃな。」
そう言って、霧山さんは立ち上がった。
「鈴木さん。あなたの活躍を私は期待している。」
私......霧山さんに期待されている。
「頑張るねっ!!」
期待に応えれるように、頑張らなきゃ...。
本当、面白い展開にしてくれるな~。
「まさか、優樹ちゃんも一緒に飛ぶとは思わなかったよ♪」
...
家に帰って、テレビをつけた。
「優ちゃん。クラスメートが自殺したんですってね。」
ママ...。
「優ちゃん...悲しいね。」
「ギュッ」
ママは私を抱きしめた。
「...ヒック..ウゥ...ママァ.....」
「何でっ...ヒック...何で、凛くんと...ヒック...優樹ちゃんは......自殺したのかなぁ...ウゥ...」
「優ちゃん...。」
ママったら本当、単純。
原因はこの私なのに...。
『女の子が...今日、目が覚めたようですっ!!!』
え...?
女の子って...優樹ちゃん......?
嘘...。
『落ちた場所が土の上だったみたいで、本当よかったですね~。』
厄介な方が生きたのね。
でも...楽しそうだから、いいよ。
「ふふ。ママ...優樹ちゃんが目を覚めたって聞いた?」
「ええ。聞いたわ。良かったね。優ちゃん。」
「うん!!」
別に良くも悪くもないよ。ママ...。
「プルルルルル」
電話が鳴った。
「ママが出るね。」
ママが電話に出た。
「優ちゃん。陸くんからよ。」
「わかった。陸くんと話すから、ママ、ちょっと、どっか行ってほしいな。」
「わかったわ。」
ママは私に受話器を渡し、どっか行った。
「陸くん。どうかしたの?」
『あのさ...霧山が目が覚めたって知ってる?』
「うん。知ってるよ。」
『あのさ...俺らヤバクね?』
「何が?」
『テレビで鈴木がいじめがあるって言ったし、霧山もテレビに出て言いそうじゃね?』
「大丈夫だよ。陸くん。」
「確かに、ヤバいけどね、私にとっておきの方法があるの。優美ちゃんが輝莉ちゃんを死刑にさせる前に...私がちゃんとやってあげる。」
「私がいれば、大丈夫だよ!!」
『花川...。何か安心した。じゃ、また明日な。』
「うん。また明日ね。」
『プッーーー』
電話は切れた。
「輝莉ちゃん。明日には泣く運命かもね♪...ふふふ。」
明日が...楽しみだな♪
私は、朝早めに学校に行った。
「だ~か~ら~、昨日は勝手に生徒が言っただけで、いじめはありませんっ!!」
「先生方は生徒の意思を無視するんですか!?真実の方は...」
「ニタァ」
私は不気味な笑みを浮かべた。
面白い時間帯に来ちゃった♪
「テレビ局の皆さんっ!!いじめはっ......本当にありませんっ!!」
「タッ」
テレビ局の人達は私の方に来た。
「では、昨日の生徒が言ってた事は!?」
「...あれはっ...ヒック..ウゥ...誤解なの...ヒック......」
「誤解?」
「私達...5年3組では...ヒック..ウゥ......喧嘩があったの...ヒック...」
「..それでね...ウゥ..輝莉ちゃんや...ヒック...優樹ちゃん...ウゥ..凛くん......。怒っていたら...ヒック......いじめだと勘違いしたの...ヒック...」
「そっか...何かこんなにも純粋な子が言うから間違いないよね。」
「ニタァ」
私はうつむいて、不気味な笑みを、また浮かべた。
テレビ局もチョロイな~。
「おいっ!!!!テレビ局の皆っ!!!その白い『悪魔』に騙されるなっ!!!」
え...?
何で...優樹ちゃんが......?
「じ、自殺した少女だああああっ!!!!」
「えっ!?!この子に聞いた方が確実じゃね!?」
「ダダダッ」
テレビ局の皆は、あっという間に優樹ちゃんの方に行った。
「ぶっちゃけ、いじめはありましたか!?」
「あった。ずっと前からいじめはあった。」
ヤバい...。
さすがにヤバい...。
「優樹ちゃん♪何、言ってるの?いじめなんかなかったじゃん♪」
「タッ」
私は優樹ちゃん達の方に走った。
「私達、5年3組は凄く仲がいいクラスって有名だったでしょ?屋上から落ちちゃって忘れちゃった?」
「それはこっちのセリフだ。花川。」
「え...?」
「バチンッ!!!!」
優樹ちゃんが私を叩いた。
「ちょっちょっ......」
テレビ局は焦っていた。
「5年3組はいじめが酷くて、変な所で団結力があったクラスだったじゃないか。」
「いじめの『主犯者』の花川優。」
「お前のやってきた行いは1個も忘れていないっ!!!!」
私だって忘れてない......。
あなたが今まで、私の邪魔をしてきたこと。
「...ヒック..ウゥ...優樹ちゃ...ヒック...何で......嘘ついたの?...ウゥ..」
「嘘をついてるのはお前だっ!!!その涙も嘘だって事ぐらい、すぐ分かるっ!!!」
つくづく、邪魔するな~。
でも、私はまだこれで終わらないよ?
「優樹ちゃん......やっぱり..ウゥ...今日おかしいよぉ...ヒック......」
「...忘れちゃったの?..ヒック...ウゥ...私達のクラス..ヒック...仲良くて...ウゥ......」
「ギュッ」
私は優樹ちゃんを抱きしめた。
「私達......親友だったじゃないっ!!!...ヒック..ウゥ......ウワァァァン!!」
「おおっ!!素晴らしい友情ですね。いじめ...ないようですね。」
「ニタァ」
私はまた不気味な笑みを浮かべた。
やっぱり、優樹ちゃんは私に勝てない。
1番は私。
「違うっ!!!テレビ局の皆っ!!!騙されるなっ!!!!花川と私は仲良くないっ!!!それに...日記も見たんだろ!?本当に...いじめはあるんだっ!!!」
まだ、諦めないの?
しつこいな~。
「...ヒック..優樹ちゃ...ウゥ...思い出してっ!!!!...ヒック...早く思い出してよぉぉぉ!!!!!...ウワァァァン!!」
「お前こそ思い出せ。今まで、ずっと...酷い、いじめをしてきたこと。裁判官の花川優。」
「これでも、まだ、寒い演技をするのか?」
ムカつくっ!!!
霧山優樹......早く諦めろっ!!!
「...ヒック..優樹ちゃ...ウゥ......私は...ヒック...いじめしてないよぉ...ウゥ...優樹ちゃんと...ヒック...優樹ちゃんといるだけで楽しいよぉぉぉ!!!!!.....ヒック..」
「何か、涙腺緩んできたよ。こんなにも純粋な子が必死に訴えるもんだからな~。」
ふふ。やっぱり、テレビ局は私の味方。
やるだけ無駄だよ?優樹ちゃん。
「騙されないでっ!!!いじめはありますっ!!!」
輝莉ちゃん...!!
「優ちゃんが今まで言ってきた言葉は全部、嘘。今まで、演技だったの!!!霧山さんが言う言葉が正しいのっ!!!」
厄介なやつが、また1人増えた...。
「え!?じ、じゃあ、実際のところ何なの!?ちょっと、わからなくなってきた。」
せっかく、私の方向に来たのに輝莉ちゃんのせいで台無しじゃない。
「鈴木さん......。ありがとう。」
「ううん。本当の事を言っただけだから!」
ムカつく...。
てゆうか、2人とも、いつの間に仲良くなったの...?
「皆、よく聞け。」
「いじめはある。それだけを信じてください。いじめがないなんて全部、嘘。私達の言葉だけを信じてください。」
「ペコリ」
優樹ちゃんはお辞儀をしてから、正門に向かって、ヒョコヒョコしながら歩いた。
「霧山さんっ!!!そっち...正門だよ。」
優樹ちゃんは振り向いた。
「リハビリすると言って抜け出したから、今日は、もう帰る。」
「そっか......。バイバイ!!」
「あぁ。バイバイ。」
そう言ってから、また優樹ちゃんはヒョコヒョコしながら歩き出した。
「じゃ、僕達もそろそろ戻るかっ!!」
そう言ってから、テレビ局も帰った。
私と輝莉ちゃんだけ取り残された。
「輝莉ちゃん。一緒に教室、行こっか。」
「い、いや...トイレに行きたいから、先に行くねっ!!」
そう言ってから、輝莉ちゃんは走って行った。
警戒されてるな~。
「とりあえず、優美ちゃんの活躍に期待しよ。」
...
さっきは、ああやって優ちゃんから逃げたけど、大丈夫かな...?
ううん。大丈夫!!
何かされたとしても、私はもう逃げないっ!!
...
朝の会が始まった。
「皆、最近は大変ね。間宮くんと霧山さんの自殺......。」
「「...ヒック..ウゥ...」」
何人かの生徒が泣き出した。
でも、これも嘘泣き...。
先生を騙すため...。
「いじめがあるんじゃないかって、テレビ局は言ってるけど、私は皆を信じるわっ!!」
「皆はいじめをするような子じゃないって先生には分かるわ。」
優ちゃんが誰かに命令をして、その誰かが命令通りに動いて、また誰かが騙される。
もう...こんなのは飽きた。
もう、飽き飽きなんだよっ!!!
「ガタン!!」
私は立ち上がった。
「鈴木さん?どうしたの?」
「先生......。もうこれ以上、騙されないでっ...!!私...これ以上、見るの辛いっ!!!!」
「鈴木さん?」
「5年3組ではいじめがありますっ!!!!この言葉を......先生は信じてくださいっ!!!!」
「お願いしますっ!!!!今すぐ......このいじめを止めてくださいっ!!!」
届いて...届いて......。
「何を言ってるの?このクラスは仲がいいじゃない。不登校になって...忘れちゃったかな?」
「また、このクラスで生活するうちに慣れてくるわ。大丈夫よ。鈴木さんが心配する事はないわ。」
この人は何を言ってるの?
私が必死に届けたいメッセージは先生に届かない。
「ガタン!!」
急に優ちゃんが立ち上がった。
そして、私の方に歩み寄った。
「先生。輝莉ちゃん...少し記憶が曖昧みたいなの。だけど...私がいるので安心してください。」
「さすが、花川さん。先生、安心できるわ。」
何が安心できるの......?
「先生の『大好きな花川さん』は平気で人を傷つける人なんだよっ!?!早く...先生も私達を救って......?このままじゃ...もっと犠牲者が出てくる...。」
「バチンッ!!!!」
優ちゃんが私の頬を叩いた。
「輝莉ちゃん...何言ってるの!?...ヒック..私は...ヒック...簡単に人を傷つけないよっ!?...ウゥ...このクラスの皆...ヒック...私は大好き...なんだよ?...ウゥ...」
嘘...嘘ばっかり!!!
もう、こんなの飽きた...。
こんなの、皆だって嫌なはずなのに誰も言わない......。
「パチパチパチパチ」
先生は拍手した。
「花川さん。素晴らしいわ。先生...感動したわ。」
何で...こうなの?
何で...先生は優ちゃんのことばっか信じるの?
何で...私の届けたいメッセージは届かないの?
「輝莉ちゃん。どんなに届けたいメッセージでも届かないメッセージはあるんだよ。」
そう小声で優ちゃんが言った。
「...先生...ヒック..具合悪いので...ウゥ...保健室行きます.....ヒック..」
「わかったわ。」
優ちゃんは保健室に行った。
「優ちゃん...可哀想。」
「ほんとに...。」
何か...クラスの雰囲気が私が悪いみたいになってる。
いや、私は悪くないっ!!
「このクラスにはいじめがあるっ!!先生も...生徒が大事なら私の言葉も信じてくださいっ!!」
私は真っ直ぐな瞳で先生を見つめながら言った。
「でも、花川さんがないって言ってるし...。」
優ちゃんばっかり!!!
私が...この人にメッセージを届けようとした事が間違いだったのかな......。
どうしたら...私の届けたいメッセージは届くのだろう。
...
多分、あの先生じゃ、ダメだっ!!
誰か......生徒想いで、苦しんでいたら救ってくれるような先生はいないのかな...。
「ドォォン!!」
私は誰かとぶつかった。
「す、すみませ...」
「大丈夫??」
えっと...確かこの人は、1組の担任の先生だよね...?
名前...何だっけ?
「...最近、色々あって大変だよね。間宮くん......凄く、優しい子だったのにね。」
「先生っ!!間宮くんと話した事あるの!?」
「うん。あるよ。まぁ、4年生の時だけどね。」
そう言ってから、先生は間宮くんと話した時の話をした。
...
「お~い。間宮くん。皆と外で遊ばなくていいの?」
「別に。俺、友達とか作るの面倒臭いんで。わざわざ作る意味とかあるの?」
俺は驚いた。
こんな事、言う生徒いたんだっ...!!
「間宮くん...そんな事、言わないでさ~キミ若いんだから♪」
「いや、2年までは作ってたんだけど、何か面倒臭くなった。あんな風に束縛されて楽しいの?」
「ポンポン」
俺は間宮くんの頭を撫でた。
「キミにもいつか、忘れられなくなるような大切な人が出来るといいね。」
「俺、面倒臭がりな性格なんで、一生出来ない気がする。」
「なっ!まだまだ人生長いのに、そんな事を言わないのっ!!」
「フッ...」
間宮くんは笑った。
「先生って物好きなんですね。こんな俺に構う先生...二ノ宮先生ぐらいですよ。」
全く...この子は。
「何言ってるの。間宮くん。」
「僕の生徒になった限り、僕の『大切な人』になるんだから。」
「俺......今、二ノ宮先生が大切な人になった。」
「ありがとう。先生は嬉しいぞっ!!」
生徒の『大切な人』になる......。
それはとてつもなく嬉しい事なんだな。
「先生って、生徒を大切に想えて...凄く、カッコいい。そういう所が好きっ!!」
「俺も、お前の素直ところが好きだっ!!」
「ワシャワシャワシャー」
俺は間宮くんの髪をぐしゃぐしゃにした。
「プッアハハハハ!!間宮くんの髪ぐしゃぐしゃ~!」
「はぁ!?直してくださいよっ!!」
「直す...直すからっ!!...ウッヒャヒャヒャヒャー!!」
間宮くんは顔を膨らませた。
「こんな姿、女子達見たら騒ぎそ~。お前、モテるもんな!!」
「別に。ただ、告白されるだけだし。」
それをモテるって言うんだよ。
「間宮くん、これから、毎日、僕と話すことっ!約束っ!!」
「無理。」
そう言いながらも、毎日、話してくれた。
...
「って、まぁ...こんな事があったんだよ。間宮くん......大切な人出来たかな。」
この人なら、大丈夫そう。
私の届けたいメッセージ...届きそう!!
「先生っ!!今、間宮くんと霧山さんの飛び降り自殺がいじめが原因かってテレビでやってるの知ってますか!?」
「知ってるよ。」
「あ、あの......私の言いたい事...聞いてくれませんか?」
「いいよ。何時間でも聞いてあげる。」
先生っ...!!
私は、これまでのいじめを全部話した。
...
「そっか。実は、僕...鈴木さんがテレビでいじめがあるって宣言してから、1回だけ3組の担任の先生に言ったんだ。」
「え!?」
どうゆうこと...!?
二ノ宮先生が言ったのに......先生は、まだいじめがないって思ってるの!?!
二ノ宮先生は、また...語り出した。
...
「先生っ!!あの...3組のいじめの件なんですけど...」
「あら、二ノ宮先生。3組にはいじめがないわ。」
「ですけど、鈴木さんが今日、言ったんですよ!?いじめがあるって...。それに、今までの不登校の原因って、いじめとかなんじゃ...」
「3組はね、とっても仲がいいクラスなの。きっと、自殺じゃなくて、事故よ。ましてや、いじめが原因じゃないわ。」
「先生は......逃げるんですか?」
「え?」
「いじめがあるって生徒が言ってるんだから、その子の言葉を信じなきゃいけないんじゃないんですかっ!!!あの子は...今、あなたを求めてるんですよっ!?!」
「二ノ宮先生。私は花川さんの言葉だけを信じるわ。あの子は......私の『天使』だもの。」
何で......花川さんだけが『天使』なんだ?
『天使』なのは皆じゃないのか...?
「......どうしたら、先生は...花川さんだけでなく、皆の為に動けるんだろう...。」
俺は小声で呟いた。
だが、答えは見つからなかった。
...
「...先生ぇ...ヒック..ウゥ...」
私は涙が溢れ出た。
「鈴木さん!?」
「...ウゥ..ヒック...ウゥ......」
先生で仲間がいるって...こんなにも嬉しい事なんだ。
少し、私...強くなれた気がした。
「...ヒック..先生ぇ...ウゥ...私達を...ヒック......救ってくれませんか...?」
「...ヒック..お願い......します。...ウゥ..」
「ポンポン」
先生は私の頭を撫でた。
「もちろん。救うよ。鈴木さんも僕の大切な生徒だから...。」
「...ヒック..ウゥ......ありがとう...ヒック..」
少しだけど、進んでる。
このまま...いけばいいな...。
あの後、二ノ宮先生は...
『僕も出来る限り頑張る。鈴木さんも何か、いい方法とか、こんなのどうかな?とか思ったら僕に言って。出来る限り、実行するから。』
って言ってた。
私は頭が良くないし、前までは優ちゃんに従って自分を守っていた。
だから......1人でも立ち上がった霧山さんに相談しよう...。
何か、いい方法が見つかるかもしれない。
...
「あ、あの...霧山優樹さんの病室...は...何号室です...か?」
前はリハビリ室に行ったから、病室が分からない。
「508号室ですよ。」
「は、はいっ...!!わ、わかりましたっ!」
「508号室...何処にあるか分かる?」
「フリフリ」
私は首を横に振った。
「ふふ。案内するわ。」
看護師さんは、私に案内してくれた。
「今...色々、大変ね。」
この人も...テレビを見ているから知ってるんだ...。
いじめがあるかないかって問題になっていること、間宮くんと霧山さんの自殺のこと。
「でも、私は...あなたの味方よ。大丈夫。胸を張って...もっと宣言したらいいわ。真実を告げることは、何も悪くないもの。」
看護師さんっ...!!
「ガラッ」
看護師さんはドアを開けた。
「ここが優樹ちゃんの病室よ。」
今...伝えなきゃ。
今、伝えなきゃ、後悔するっ!!
私は...今でも後悔している。
何で、もっと、早く、優ちゃん達のいじめを止められなかったのだろうって...。
「看護師さんっ!!あ、あの...さっき言った言葉...ありがとうございましたっ!!」
「私...元気が出ましたっ!!もっと...頑張ろうって思いましたっ!!」
「本当にっ...ありがとうございましたっ!!」
「ふふ。いいのよ。」
私は、霧山さんの病室に入った。
「霧山さ......」
霧山さんは、真剣にテレビを見ていた。
何の...テレビ見ているんだろ?
私は、テレビを見た。
これは......今日の朝、私達が宣言したヤツだ。
「す、鈴木さん!?い、いつ...来たんだ...?」
「あっ...ついさっきだよ!!」
「そっか。全く気づかなかった...。」
それほど、夢中だったのか...。
「あ、あの...霧山さん。1組の担任の先生...二ノ宮先生が、私達の味方になってくれたの。」
霧山さんは驚いた顔をした。
「それで...どうやったら......いじめのことを本当に証明出来るのか...何か、いい作戦ないかな...?」
霧山さんは一瞬黙った。
「二ノ宮先生が......テレビの前でいじめのことを言う...ぐらいじゃないか?」
え!?それって......今までの私達と一緒...。
「今まで、私達...子供がいじめがないとかあるとか言い合っていた。そして、何より先生達がないと言っていた。」
「でも、今日......自殺した生徒、もう一人生徒がいじめがないって言っていた。自殺した子がいじめがあったと言うのはかなり大きい。」
「あと......先生達がいじめがあるって言ったら、もう......完璧になるはず。」
凄いっ!!霧山さん...本当に賢いっ!!
私が思いつかなかった事を...次から次へと話し出すっ!!
本当に...凄いっ!!
「今日、結構テレビを見ていて...いじめがあるんじゃないかって言うテレビが多かった。そして、主犯者は花川じゃないかって言ってた。」
「え...!?未成年なのに、顔出しと名前出し!?」
「いや、顔はモザイクで名前も仮名。」
「そっか...。」
もう...ゴールは見えてきている。
正義に支配された世界は...終わりそう。
そんな気がした......。
今日は、大雨で、テレビ局も来なかった。
でも、その代わりに......。
「プルルルルルル」
「ですから、いじめはありませんっ!!」
「プルルルルルル」
「だ~か~ら~、いじめはありませんっ!!」
職員室は電話がいつもより、いっぱいかかってきて、忙しそうだった。
二ノ宮先生に昨日、霧山さんが言った言葉を言いたかったなぁ...。
...
「プルルルルルル」
職員室内で電話が鳴った。
「二ノ宮先生っ!!電話、出てくださいっ!!」
「はいっ!!分かりましたっ!!」
今日は忙しいなぁ...。
この俺が電話に出る日が来るなんて...。
「ガチャッ」
俺は電話に出た。
「もしもし?○○小学校ですが...」
『すみませんっ!!突然の電話ですが、いじめは本当の所ありますかっ!?』
他の先生方は『いじめがない』って言っている......。
だけど、俺は、昨日...鈴木さんからいじめの事を聞いたんだ。
とても......酷くて苦しい、いじめ...。
俺は...生徒、1人を見捨てれないっ!!
『すみませ~ん。聞こえてますかぁ~?』
「はいっ!!いじめはありますっ!!!」
俺がそう宣言した途端、先生方は固まった。
そして、鬼の形相して俺の方を向いた。
「二ノ宮先生っ!!どうゆうことですか!?」
「花川さんが言ってた通り、誤解ですって!!」
「そうよ!!何...勝手に、信じて言ってるの!?」
皆...俺を攻めてきた。
でも、誤解じゃないんだ......。
俺は聞いたんだっ!!
鈴木さんの言葉を...俺は見捨てないで話そうっ!!
『てことは、生徒達が言ったいじめの内容はあってますか!?』
「はいっ!!あってますっ!!」
「生徒は......凄く苦しんでいました。僕にも相談してきましたっ!!僕はっ!!1人の生徒を見捨てませんっ!!」
届け...俺と鈴木さんの想い。
「テレビ局の皆さんっ!!僕の言葉を信じてくださいっ...!!いじめは...ありますっ!!」
「ガチャッ」
俺は電話を切った。
「二ノ宮先生。何...勝手な事を言ってるんですかっ!!」
校長先生...!!
「本当に、鈴木さんから相談を受けたかもしれませんが、それをテレビ局側に言うと面倒臭いんですよっ!!!」
「私達の学校のイメージが悪くなりますっ!!!」
結局は......そんな事なのか。
「校長先生は......何で、『先生』になったのですか...?」
校長先生は、「は?」って顔をした。
「僕は、生徒に夢や希望を作ってあげたいし、何より......苦しみから救ってあげたいんですっ!!!!!」
俺は叫んだ。
「生徒を苦しみから救うのが、先生なんじゃないんですかっ!?!」
「くだらない意地を張らないでくださいっ!!!!!」
「パチパチパチパチ」
誰かが......拍手した。
「素晴らしいわ。私も二ノ宮先生の言う通りだと思います。」
音楽の先生っ...!!
「はいっ!私も二ノ宮先生の意見ですっ!」
3年2組の担任の先生っ...!!
「......俺も。二ノ宮先生の意見です。」
「私もっ!!」
「僕もですっ!!!」
皆っ...!!
「じゃあ、二ノ宮先生。花川さんの意見はどうなるのかしら。二ノ宮先生は1人の生徒を見捨てないって言ってたけど、花川さんの意見は見捨てるのかしら?」
3組の担任......本当、この人は何で、まだ花川さんの意見しか尊重しないんだ...。
「では、僕も言いますけど、先生も鈴木さんの意見を見捨てるんですか?」
「テレビでもやっていましたが、あの日記......鈴木さんの物なんです。あれが全て真実です。」
「もう、逃げないでください。」
「真っ直ぐ、受け止めましょう。あなたの『大好きな花川さん』がいじめをしているって...。」
「「パチパチパチパチ」」
校長先生と3組の担任の先生以外の人が拍手した。
「校長先生。もう...認めましょう。」
教頭先生っ...!!
「日記もあるし、何より生徒が2人も、いじめがあるって言っています。それに...二ノ宮先生も言っているじゃないですか。」
「こんなにも、いじめがあるって叫んでいるのに、学校の名誉の為にいじめがないって言うのはおかしいじゃないですか。」
教頭先生が言う事は正しいっ...!!
「あと、5年3組の担任の......先生。」
「あなたは、毎日、毎日、言っていましたね。『生徒が可愛い』と......。」
「そんな、可愛い生徒が1人でも傷ついているのを、あなたは見逃すのですか?」
「そしたら......あなたは、一生後悔しますよ。」
「ポロポロ」
俺は感動で涙が溢れ出た。
「プルルルルルル」
電話が鳴った。
「校長先生。さぁ...真実を受け止めて、言ってください。」
「わかりました...。」
やったぁ...!!!
「もしもし?○○小学校の者ですが...」
「はい...。いじめはあります。」
「内容は......多分、生徒が言っているので正しいのでしょう。」
「はい...。では。」
校長先生は電話が終わった。
「あの自殺が始まってから決まっていたのですが、今月いっぱいで3組の担任は変えたいと思います。」
「「え!?」」
職員室はざわめき始めた。
「そんなっ...校長先生っ!!なんでっ...!?」
先生は校長先生にしがみついた。
「いじめがあるからですよ。あと、本来ならば、4月でクラス替えの所を、5年生だけ、来月でクラス替えだけをするかもしれません。」
「「えええええええええええええ!?!」」
これは、俺も驚いた。
「5年3組は......学級崩壊をした方が今はいいと私は思うのです...。」
確かに...校長先生は正しいと思う。
5年3組がこのままじゃ、きっと、また同じ事の繰り返しになっちゃう...。
「キーンコーンカーンコーン」
「チャイムが鳴ったので、先生方...教室に、お戻りください。」
そう...校長先生が言ってから、皆、教室に戻った。
...
鈴木さん......次はあなたの望むクラスになるといいね。
だいぶと歩けるようになった...。
...
この調子だったら、もうすぐで退院出来そうだ...。
「優樹。」
「お母さんっ...!!」
お母さん...仕事は大丈夫なのか?
「優樹。退院出来たら、如月学園の編入試験を受けるわよ。」
え...?
「優樹...頭とスポーツはいいけども、今回は、公立の『バカ』達に流されて自殺しちゃったんでしょ?」
「今後一切、そういう事がないように...編入試験を受けるわよ。」
何...言ってんの。
「バチンッ!!!!」
私はお母さんの頬を叩いた。
「私の行く学校は私が決めるっ!!!お母さんがっ...勝手に決めるなっ!!!!」
「なっ...優樹は私の言う事だけを聞いてればいいわっ!!口答えすんじゃないわっ!!!」
本当...この人は我が儘だ。
「私は...あの学校でやる事が、まだあるんだっ!!!私がっ...私がっ...やらなきゃいけないんだっ!!!!」
私がいなきゃ...ダメだ。
鈴木さんを1人にしたら...今度こそ、立ち直れなくなる。
「それにっ...あの学校では、バカな人だけがいるんじゃないっ!!!心優しい人だっているんだっ!!!私にっ...初めての感情を教えてくれた人だっているんだっ!!!」
間宮......鈴木さん......。
「お前の我が儘には、もう...耐えられないっ!!!」
私はそう言ってから、歩き出した。
「優樹っ!!何処へ行くのっ!?」
「あなたには関係ない。」
私は酷く冷たい声で言った。
早く......会いたい。
私は、大雨の中、鈴木さんの元へ歩き出した。
放課後になって、私は家でゴロゴロした。
「あぁ~...霧山さんのお見舞いに行きたいけど、こんな大雨だから行けないよぉ~。」
あぁ~...初めてだな。
ちゃんとした『友達』が出来たのって...。
今まで、優ちゃん達とは、表面上だけだったから......凄く嬉しい。
「あっ!でも...霧山さんが退院してから、初めて友達になるのかっ!」
じゃあ、今はまだクラスメート?
何か......嫌だな。
もっと、近づきたいっ!!
「輝莉~。お友達よ~!!」
霧山さん...!?
ありえるかも...。
前だって、病院から抜け出したし...。
「ガチャッ」
私は外に出た。
「...秋原......さん。」
何で...秋原さんが?
「...ヒック..ウゥ...鈴木......さん...ヒック...」
秋原さんは突然泣き出した。
「ど、どうしたの?何かあったの?」
「...ヒック..ウゥ...助けてぇ...ウゥ..」
え!?
まさか...優ちゃん達に何かされた!?
「分かった!!何があるのか......まだ分からないけど、でも、困ってる人をもう見捨てないっ!!」
私は一旦、家の中に入って、傘を持った。
「お母さん...少し、友達と出掛けるね。すぐ...帰るからっ!!」
「分かったわ。」
私は外に出た。
「...鈴木さ..ヒック...来て...ウゥ...」
「うん。」
どうしたんだろう。
...
私の家から近い川に来た。
「秋原さん?どうしたの?川に来て...」
「...ウゥ..鈴木さ...ボールが......大切なボールが落ちちゃったのぉ...ウゥ..ヒック...」
「ザァァァァァァァァァァ」
川は荒かった。
「ゾクッ」
「こ、ここに...ボールが?」
怖い...。
「おいっ!!!秋原さんっ!!!やめろっ!!!」
え...?霧山さんの声...。
私は後ろを振り向いた。
そしたら、秋原さんは私を突き落とそうとしていた。
「あ、秋原さんっ!!な、何で......」
秋原さんは震え出した。
「鈴木さんっ!!大丈夫だったか!?」
「う、うん...。」
霧山さんがいなかったら、今頃、私はこの荒れた川の中に...。
「ゾクッ」
こ、怖いっ!!
「秋原さん。また、花川に操られたのか?」
秋原さんはもっと震え出した。
「お前っ...こんな事やっても無駄だっ!!!やったら、花川の思いツボだって何回、言ったら分かるんだっ!!!!」
「う、うるさいっ!!!!私は......もう、いじめられたくないのっ!!!」
秋原さん......。
「バチンッ!!!!」
霧山さんが秋原さんを叩いた。
「霧山さ......」
「いじめられたくないなら、いじめを止めろ。誰かがいじめを止めない限り、一生いじめは消えない。お前がやっている行動は無駄だっ!!!」
「...ヒック..ウゥ...私には止める勇気が...ヒック...ないよぉ...ウゥ..」
「勇気がないとかくだらない理由だなっ!!!」
「なっ!!」
「お前は、そんなんで一生後悔していいのか?」
「取り返しのつかないことになっても......いいのか?」
霧山さんの声は震えていた。
取り返しのつかないことって、霧山さんは間宮くんのことだよね...?
「もう......取り返しのつかないことになったら、戻らないんだぞ?」
「どんなに......後悔しても、時間は進んでゆくばかりなんだぞっ!?」
「もう......戻って来ないんだぞ...?」
霧山さん......。
「もっと、色々やりたかったって後悔しても遅い......。」
「なら、後悔しないように、『今』を頑張ろうじゃないかっ!!!」
「お前は、まず、その『臆病』ってゆう感情を忘れろ。何かあったら......必ず私が助けるから。」
「ポンポン」
霧山さんは秋原さんの頭を撫でた。
「...ヒック..ウゥ......でも...怖いよぉ...ウゥ...」
「怖いとか言って、一生後悔するなら、今、めちゃくちゃにやった方が私はいいと思う。」
「...ヒック..ウゥ...ヒック......」
秋原さんは泣きまくった。
霧山さん......霧山さんは間宮くんの事、ずっと後悔しているのかな...?
霧山さんの心は止まったまま......?
翌日、学校に行ったら、いつもよりテレビ局が多かった。
「あのっ!!すみませんっ!!来月には、もう、学級崩壊だって本当ですか?」
え...?学級崩壊?
「鈴木さんっ!!」
「二ノ宮先生っ!!あの...学級崩壊って...」
「ごめん。ここは、僕に任せて。鈴木さんは、早く教室に行って...。」
「は、はい...。」
二ノ宮先生...学級崩壊ってどうゆうこと?
それって...私と霧山さんが離れるって事だよね...。
...
教室に私は入った。
その後、すぐに秋原さんも教室に入った。
「あぁ~あ♪優美ちゃんって悪い子だね♪」
え...?
「学級崩壊まで...罰を優美ちゃんに与えなきゃね♪」
待って...優ちゃんは、まだ反省していないの...?
「本当......予定、狂っちゃった♪近所でも私の悪い噂だし、本当...最悪。」
「花川っ!!俺も近所でも悪い噂なんだよ。マジムカつく!!」
「陸くんも!?最悪だね...。」
この人達、反省していない。
「それに、優美ちゃんが輝莉ちゃんに罰を昨日、与えるはずだったのに、与えないなんて...とんだ悪い子だね♪」
酷いっ...!!
「バチンッ!!!!」
秋原さんは優ちゃんを叩いた。
「悪い子なのはっ...優ちゃん達でしょ!?私...もう、優ちゃん達のくだらない遊びやらない。」
秋原さんっ...!!
「私はっ...後悔しない人生を送りたいって思ったからっ!!」
「パチパチパチパチ」
私は拍手した。
「秋原さん...凄いよっ!!カッコいい!!」
「「パチパチパチパチ」」
皆、拍手し出した。
「本当、カッコいいよ!!」
「てか、鈴木さんも充分カッコいいよ!!」
「俺も思ってた!!」
「俺も!!」
皆ぁ...。
あと、残りの時間...5年3組はもう、正義に支配されない。
今度は...皆、平等に生きてゆこう。




