悪魔に支配され、初めての恋は残酷
霧山の...『これがお前のやり方か!?!卑怯者だなっ!!!!』ってゆう声が俺の心の中に鳴り響いた。
...
俺は間宮凛。
昔から面倒ごとは嫌い。
だから、『霧山がこの裁判所を私が潰すっ!!!』って言った時はそんな面倒臭いこと、よくやるなって思った。
裁判所とか作る花川達の行動は正直不愉快。
人をいじめて何が楽しいんだろうって思った。
まぁ...霧山も花川達も俺には関係ないって思ってた。
そんなある日。
体育館倉庫辺りから声が聞こえた。
『ここから出せっ!!!!花川優っ!!!』
霧山...!?
閉じ込められた...?
俺には関係ない。
それに、霧山は強いし俺がいなくてもいいだろ。
『これがお前のやり方か!?!卑怯者だなっ!!!!』
『早く出せっ!!!!まだ出す気がないのか!?!』
『お前は...人の壊れてゆく姿を見て何が目的だっ!!!!』
『本当にお前はクズだなっ!!!クズのクズのクズっ!!!!』
関係......ある。
俺はいつも面倒臭いとか言って逃げてきた。
ただの卑怯者だ...。
だから、俺は今から人生の中で1番面倒臭い事をやる。
俺はもう...クズのままじゃ嫌だ...。
私は鈴木さんの家に行った。
「霧山さん...いつもありがとうね...。でも、ごめんね...今日も輝莉、会えないみたい...。」
「今日だけ...今日だけ...今日だけでいいので、私のわがままを聞いてくださいっ!!!」
私は大きな声で言った。
「今すぐ...鈴木さんに会わせてくださいっ!!!鈴木さんじゃなきゃ...いけないことがあるんですっ...!!!お願いしますっ!!!」
お母様は困った顔をした。
でも...1日でも早く...いじめを止めたいんだっ!!
「いじめは今も続いているっ!!!今すぐ...私は止めたいっ!!!!鈴木さんに協力してほしいことがあるんですっ!!!!」
私は叫んだ。
「私なんか...協力できること...あるの?」
鈴木さん...!?
「鈴木さんじゃないとダメなんだ...。」
「私、協力する。もう...裏切らない。」
「輝莉...!!」
鈴木さん...!!
良かった...。
私は鈴木さんの部屋に入った。
「それで...私にできることって何?私...何でも手伝うよ。」
「日記。日記とか書いてない?」
「日記?書いてるけど...」
「ちょっと、日記。見せて。」
「いいよ。」
鈴木さんは私に日記を見せた。
いじめの内容を書き始めたのは、6月30日。花川達が秋原さんをいじめた時だった。
いじめのことを書いているページには涙の跡があった。
...
『6月30日
今日、優ちゃんが秋原さんに罰を与えると言った。
あんなのいじめだよ...。
早く、終わればいいな。』
『7月1日
今日も、優ちゃんは秋原さんに罰を与えた。
桑原くんも秋原さんのランドセルをどぶに落とした。
酷い...。』
『7月2日
秋原さんが大切にしていたものを隠した。
ランドセルも酷いけど、今日も酷い。』
『7月3日
誰も助けようとしない...。
酷い...。
でも、私も最て...』
続きが書いてない...。
もう、鈴木さんは苦痛だったのか...。
その後のページは涙の跡しかなかった。
『7月7日
秋原さ...
助けれなくてごめ...ん...なさい。
誰か...早く...助け...て。』
その後のページも、こんな風に謝罪と『助けて』ということばかりだった。
『9月6日
どうしよ...。
完全に優ちゃんに目をつけられた。
ど...しよ。
でも、私...間違え...ない...はず。』
『9月7日
この世の中に『正義』というものがあるから...あんなことになった。
助け.........て。』
『9月8日
霧山さん...霧山さん...霧山さ...
ありが...と
ごめなさ.........い』
この日は、鈴木さんが私を突き落とした日。
一番涙の跡があるな...。
『9月9日
本当に何もされてない...。
でも...私は霧山さんを......』
そして、運動会があった日とその次の日のページには、涙の跡しかなかった。
辛くて...書けなかったのだろうか。
『10月3日
霧山さんが毎日、来てくれる。
ありが......と...』
鈴木さん...。
私は鈴木さんの心の支えになっているのだろうか。
もし、そうなら嬉しい。
「鈴木さん。日記、貸してくれない?」
「え!?ま、まさか...き、霧山さんも...優ちゃん達に...」
「いや、この日記は充分『証拠』になる。」
「証拠...?」
「先生にいじめがあるって言っても、証拠がなきゃ、信じない。だって、花川達は先生の前では『優等生』だから。」
「花川達が逃げれないような証拠が欲しいんだっ!!!この日記...貸してくれ。」
鈴木さんは一瞬黙った。
「いいよ。」
良かった...。
「ありがとう。」
いじめは止まる。
そう...信じていた。
学校に行ったらざわついていた。
「何で、間宮くんが桑原くんといるの...!?」
「え...意味わかんない!!」
これも、『作戦』。
『証拠』を掴むために間宮と桑原達と仲良くする。
間宮はいつも盗聴器を持っている。
もし、いじめのことになったら、盗聴器で録音したのを先生達に聞かせる。
日記だけじゃ...先生達は信じてくれないだろうからな...。
「昨日、凛が遊びたいって言ってさ~、一緒に宿題とゲームしたんだよな!!」
「凛、ゲーム強いし、勉強出来るし、マジ神!!」
「まさか、凛が俺らと仲良くしたかったとは思わなかったぜ!!」
この調子なら順調そうだな。
「そういう、陸こそ強かったじゃん!!風馬とかも勉強出来てたし...俺とか宿題適当にやってるだけだから、合ってるか分かんねぇよ!!」
「「アハハハハハ!!!!!凛サイコー!!」」
「間宮くんってこんなキャラだっけ...?」
「でも、私...こっちのキャラの方が好きかも///」
女子の皆には悪いが、これは作ったキャラ。
桑原達と仲良くするためには、無口なキャラじゃ難しいから、キャラを変えることにした。
やっぱり、キャラを変えることは正解だったな。
「間宮くん!おはよう。」
「花川...おはよう!」
「きゃああああああああああ!!!」
女子達は急に騒ぎ始めた。
「美男美女!!!!!」
「超~~お似合い!!!!」
「付き合った方がいいよね!!!!」
なんだ...そんなことか。
「ありがとう!皆。付き合うとかは...まだ分かんないけど、今日から『凛』くんは裁判員に決定だよ。」
「花川...ありがとな!!」
「ふふ♪これからは、もっと...も~っと。『色んな事』をやろうね。」
「ゾクッ...」
花川は何か気づいてる...?
いや、そんなはずは...。
でも、いつもなら...。
『罰を与えようね』
って言うのに、今日は...違った。
私の思い過ごし...?
「あぁ~、本当...疲れた。」
やっと、昼休みになり、私と間宮で図書室に2人っきりになった。
「本当、図書室行くだけに、どんだけ言わなきゃいけないの?」
正直、間宮は可哀想だ。
私は間宮が図書室に行くまでの会話を全部聞いていた。
...
数分前。
「凛!!サッカー行こうぜ!!」
「ええええ!!!私達も凛くんと遊びたいいいいいい!!!!!」
そう皆に間宮は囲まれていた。
「ごめん!!ちょっと、図書室行きたいから、また、明日な!!」
「はぁ!?何で図書室なんだよ!!」
「そうだよ!!!」
見ていて、面倒臭そうだった。
「俺、今日は、小6の...子に勉強教えてもらうんだよ!!だから、ごめん!!」
「「え!?彼女!?彼女!?」」
皆、間宮を見つめていた。
間宮は人差し指を口に手を当て、笑顔で言った...。
「秘密♪」
...
「それより、間宮!!花川達が何かいじめの話をしていなかったのか!?」
「全くしていない。やっぱ、昨日の放課後になる前まで、無口だった俺がいきなり桑原達とつるむなんて無理あるんじゃない?」
「ん~...でも、私が花川達とつるむよりかはマシだと思うけど...」
「まぁ、そりゃな。」
難しいな...。
どうやったら...花川達を陥れる事が出来るだろうか。
「でも、大事な事は聞き出せたかなって思う。」
「ん?何を聞き出したんだ?」
「アイツらの『会議室』。」
「会議室ぅぅ?」
何なんだ?
会議室とは...。
「会議室は、次は誰をいじめようか話し合う場所。」
「そ、そこが分かれば、私達がそこで話していた事をひっそり録音すれば...!!」
「あぁ。」
やった...!!
思ったより、上手くいきそうだ!!
「会議室は2つある。」
てことは...私と間宮が別れて行っとく...てことか?
「音楽室と視聴覚室。2つとも防音。」
「じゃ、録音出来ないじゃないか!!」
「ドアを少しだけ開けて録音すればいいんだよ。」
「あぁ!!そっか!!やっぱり、間宮って賢いよな。」
でも、少し開けるってことは...バレるリスクが高くなる...。
「もし、危なかったりしたら、俺の所に走って来い。お前...足早いから、多分逃げれると思う。」
「も、もし...捕まったら?」
「その時は大声で叫べ。俺に聞こえなかったとしても先生達には聞こえるはず。」
間宮...。
間宮って、頼りがいがあるな。
感情だけで動く私と違う...。
「ポンポン」
間宮が私の頭を撫でた。
「安心しろ。俺が必ずお前を守るから...。」
間宮...。
「ありがとう...。」
だけど、事件は起きた...。
放課後になり、私は音楽室に行った。
間宮は、視聴覚室に行った。
「ソッ...」
私は少しだけドアを開けた。
このまま、バレなければ...大丈夫だっ!!
「でね~、そこに...5年3組の『悪魔』がいると思うの!」
え...?
まさか...バレてる!?
花川が私の方に近づいてきた。
や、ヤバい...。
「ハッ!!」
私は間宮の言葉を思い出した。
『もし、危なかったりしたら、俺の所に走って来い。お前...足早いから、多分逃げれると思う。』
に、逃げろ...!!
「ダッ!!!」
私は視聴覚室に向かって走った。
「私は、中央階段から行くから皆は西階段から追いかけてね。」
「「はーーい!!」」
皆、走り出した。
私は...逃げ切れるだろうか?
俺は視聴覚室の前に来た。
霧山...大丈夫かな。
「ソッ...」
俺は少しだけドアを開けた。
話し声が聞こえない...。
誰もいない...?
いや、もう少し待っとこう。
早とちりだったりしたら...ダメだからな。
...
10分後。
本当に...声が聞こえない。
「間宮っ!!!!」
霧山...!?何かあったのか!?
俺は霧山の方に走って行った。
「ハッ!!」
霧山の後ろに花川がいた。
花川は霧山の服を掴もうとした。
ヤバい!!!!
取り押さえられたら...!!!
「グイッ」
霧山を俺の背中の方に隠れるように引っ張った。
「ま、間宮...。」
「凛くん...甘いな~♪」
え...!?
「「後ろもちゃんと見とかなきゃね!!」」
裁判員...!!
「バッ!!」
俺は霧山をお姫様抱っこした。
「ま、間宮...!?///」
「とりあえず、視聴覚室に入るぞ!!」
俺は霧山を抱きかかえたまま、視聴覚室に向かって走った。
「残念~。ここにも、裁判官と裁判員はいましたぁ~。」
桑原...!!
クソっ...。
完璧に囲まれてしまった...。
どうしろっていうんだよ...。
...
神様は...いつも意地悪だ......。
こんな風に囲まれたら...普通はどうするんだ...?
...
今、私は間宮にお姫様抱っこされていて、花川達に囲まれている。
「ねぇ...皆。今日、凛くんは裁判員に認定しちゃったから、『死刑』しなきゃいけないのって、優樹ちゃんだよね...。」
「ゾクッ...」
死刑って私を殺す気か...!?
「ふざけんなっ!!!!霧山を...優樹を傷つけたら俺が許さねぇっ!!!!」
「ドクンドクン...」
ま、間宮…///
こんなにも、間宮は私のために頑張ってくれている...。
私も頑張らなきゃっ!!
「じゃ、裁判員の凛くんも『死刑』にする?裁判員が『死刑』って凄く珍しくっていいと思うな♪」
「優樹が助かるなら俺は『死刑』にされてもいい。」
「バっ...何を言うんだっ!!!」
お前が死んじゃ...嫌だ。
「でも、優樹が傷つくなら俺は『死刑』せずに優樹を一生守り抜くっ!!!」
「ドクンドクンドクンドクン」
間宮...間宮///
「なんて素敵な愛情表現。その愛情...凄く潰したくなるなぁ♪」
「ゾクッ...」
「は、花川...何をする気だ...」
「ねぇ、人ってさ...いつも自分が一番で...どんなに愛した人も『裏切って』しまうものなんだよ。」
「ゾクッ...」
鈴木さん...。
私は体が震えてきた。
「優樹。安心しろ。俺はお前を裏切らねぇよ。」
「チュッ」
間宮は私にキスをした。
「ドクンドクンドクンドクンドクン」
「なっ...なっ...なっ////」
し、小学生なのに何てハレンチなことを...!!!
「こうなったら逃げてやろうぜ♪」
「え!?」
間宮は走った。
「間宮、くらえ!!!俺様のパンチ!!!」
や、ヤバい!!!
くらってしまう!!!
「わー助けて~桑原くんにいじめられる~」
間宮は大声で言った。
「は、はぁ!?」
桑原は驚いて立ち止まった。
その隙に走ってゆく。
「フッ...女子でも3人もいたら勝てないでしょ!!!」
裁判員...!!!
ど、どーやって今度は突き進むんだ。
「ヒュッ」
間宮は裁判員の1人の一cmズレた所を狙った。
「次、邪魔したら顔面狙うから。」
「「は、はい...」」
私達はまた走った。
何か...こんなの『無敵』じゃないか。
「間宮。2人なら私は負ける気がしない。2人なら『無敵』だ!!」
「あぁ。そうだな!!」
2人ならやっていける...そう思った。
...
「ボォォォン!!!」
花川は視聴覚室のドアを蹴破った。
「「ゆ、優ちゃ...」」
「「は、花川...」」
皆、怯えた。
その瞬間、花川は笑顔になった...。
「本当は、2人のどちらかに『飛び降り自殺』をやってもらおうとしたけど、でも、変更するね...。」
「「つ、次は何...?」」
皆、声が揃った。
「優樹ちゃんを『死ぬまで』追い詰めるの♪多分、凛くんも見捨てるだろうし、素敵な愛情が粉々に潰れていくだろうなぁ~♪」
不気味な笑顔で花川はそう言った。
「愛してるのに...裏切ってしまう...フフフ...本っ当...最高♪」
...
翌日。
もう...何も怖くない。
「優樹ちゃん♪」
花川...!!
「おはよう。」
「プイッ」
私は無視をした。
「間宮、おはよう。」
「おはよう。」
教室に入った。
「ザワザワ」
皆、ザワザワした。
また...何かあったのか!?
「ねぇ、2人って付き合ってるの本当?」
「今日、優ちゃんから間宮くんと霧山さんが付き合ってるってメール、皆来たの。」
今度は何が目的だ。
「付き合ってるよ。」
私と間宮は後ろを振り向いた。
「「は、花川...!!」」
「付き合ってるよね。2人とも凄くラブラブだったよ♪」
「花川...今度は何が目的だ...!?!」
「ボォォォン!!!」
私は後ろに引っ張られて転けた。
机が頭にあたり、痛い...。
「ドン!!!」
(一番デブい)女子が私の腹に足を置いた。
「そ、その足を...ハァハァ...退けろ。」
「無・理。私達の間宮くんをあんたがとったんだから...こんぐらい、いいよね?」
私達の間宮くん...?
ふざけんなっ!!!
「間宮を...ハァハァ...間宮をモノ扱いするなっ!!!!」
私は叫んだ。
「パンパン!!!」
私の顔の前で黒板消しの粉が落ちてきた。
「ゴホッゴホッ...や、やめろ...!!」
「無~理~。間宮くんと別れなきゃ、やめない!!」
「パンパン!!!」
まだ続けるのか...。
く、苦しい...。
「お前らやめろっ!!!!」
間宮...?
「ガァァン!!!」
間宮は女子達を蹴った。
「おい。優樹...大丈夫か?」
「大丈夫じゃない...。苦しい...ゴホッゴホッ」
「ギュッ」
間宮は私を抱きしめた。
「「きゃあああああああああ!!!」」
女子達は悲鳴をあげた。
「ポンポン」
間宮は私の頭を撫でた。
「ドクンドクンドクンドクンドクンドクン」
間宮///
間宮の手...好きだな///
大きくて、暖かい。
「凛くん。一緒に屋上に来てくれないかなぁ?」
「無理。優樹を1人に出来ない。」
「ドクンドクンドクンドクンドクンドクン」
なっ...なっ///
わ、私が小さい子みたいじゃないか!!
私は...別に強いから大丈夫だ。
私より、間宮が心配だ。
花川と2人っきりで何かされたら...。
「大丈夫だよ。陸くんにね、皆に優樹ちゃんに罰を与えないでって言っといてって伝えといたから。」
「...分かった。」
そう言って、間宮は私から離れて花川に着いていった...。
何か...嫌な音が鳴り響いた。
俺は屋上に来た。
「花川。話って何?」
「今から凛くんに選択肢をあげるね♪」
選択肢...?
「優樹ちゃんにはこれから罰を与えようと考えてるの♪女子の皆は凛くんと付き合ってるって思って大賛成だと思うし...」
「だから、お前...俺と優樹が付き合ってる事にしたのか...!?」
花川は笑ってるだけで否定はしなかった。
「ふざけんなっ!!!」
俺は叫んだ。
「優樹ちゃんが罰を与えられるのを見届けるか、それか優樹ちゃんの為に...」
花川は服の中から猫を出した。
「...ユキっ!!!」
ユキは俺がたまたま見つけた猫。
1人で可哀想だったから、家では飼えないから、外で世話をしている猫。
何でユキが...。
「ハッ!!」
「花川...そこで離したらユキ...死ぬじゃねぇか!!!」
「ニタァ」
花川は不気味な笑顔をした。
そして...。
「パッ」
ユキを落とした。
「グシャアアッ」
「...ユ...キ......。」
ユキ...ユキ...。
嘘だよな...?
「こんな風にぐちゃぐちゃになっちゃうか!どっちがいい?凛くん♪」
ユキ...。
ユキみたいに俺はぐちゃぐちゃになるか...優樹の苦しむ姿をただ見届けるか...。
「俺が...ぐちゃぐちゃになったら優樹は助かるのか......?」
「さぁ、どうだろうね?優樹ちゃんの行動次第かな。」
もし...俺がぐちゃぐちゃになって優樹が助かるなら、ぐちゃぐちゃになる方を選んでいた。
でも...俺がぐちゃぐちゃになっても優樹が苦しむなら俺の答えは決まっている。
「俺の選択肢はない。俺はぐちゃぐちゃにならないし、優樹を守る。」
「へぇ~♪面白いね。本当...美しい愛情なんだね...。」
そう言ってから、俺達は戻った。
俺は両方守り抜く。
大切な...人の為に...。
あの後から、間宮には助けられてばかりだ...。
「フッ...あのバカ。」
何故か分からないが、心の奥が暖かい...。
「優樹ちゃん♪」
「花川っ...!!!」
何の用だ...?
「少し、お話をしよっか♪」
「勝手にしろ。」
「ねぇ、優樹ちゃん...私ね屋上に行ったとき、凛くんをめちゃくちゃにしたの。」
「凛くん...凄く傷ついた...心も身体も。」
「本当に最高だった...」
「バチンッ!!!!」
私は花川の顔を叩いた。
「ふざけんなっ!!!!間宮に何をしたんだ...!?!間宮を...間宮を傷つけやがって...!!!許さないっ!!!」
「フフ...だから、これから凛くん一生苦しんでもらうか、一瞬で楽になってもらうか優樹ちゃんに選択肢をあげる♪」
「私の選択は決まっている!!!一瞬で楽になってもらうに決まっている!!!」
間宮には...苦しい想いをさせたくないっ!!
「じゃ、この台詞覚えてね!!」
花川は私に紙を渡した。
私は内容を読んだ。
...
「ふ、ふざけんなっ!!!!死なせちゃ...意味無いだろう!?!」
「今ね...凛くんは楽になりたいって思ってるの...。私達は凛くんを死ぬまで追い込むの...。だから、優樹ちゃんが楽にさせてあげて...。」
楽に...。
私は、間宮の幸せを願う。
「この台詞通りやったら...間宮は幸せだろうか...ヒック...ウゥ...」
「うん。幸せだと思うよ。」
好きな人の幸せを叶えなきゃ...。
好きだから...別れなきゃ。
...
翌日の放課後、屋上に間宮を呼んだ。
「優樹...どうしたの?」
台詞通り読まなきゃ...!!
大丈夫...間宮の幸せを私は願ってるから...。
「間宮...『夢の国』っていうものが存在するのを知って...いる...か?」
声が震える。
ダメだ...こんなんじゃ...。
「ボヤァ...」
視界がボヤける。
顔に...熱い水が流れてゆく...。
鎖骨に水が落ちた...。
「優樹!?お前...何泣いてんだよっ!!」
え...?
「何かあったのか!?!」
やっぱり...嫌だ。
「ギュッ」
私は間宮を抱きしめた。
「ごめんっ!!本当に...ごめんっ!!私には無理だ...!!」
「間宮が好きなのに...間宮の幸せを一番に考えなきゃいけないのに...結局は自分のためにしか動けないっ...ヒック...ウゥ......」
「優樹?」
「間宮ともっと一緒にいたいっ!!!一緒に...デートしたり、手をつないだり...ヒック...名前で呼び合ったり...ウゥ......」
「一緒に...笑い合いたい......。」
「優樹...?お前おかしいぞ。お前...そんな事、言うキャラじゃねーだろ。」
あぁ。そんなキャラじゃない...。
でも、一緒にいたいんだ...。
「一緒に...いたい......。もっと楽しことを間宮としたい......。」
「間宮が...世界中の誰よりも、好きなんだっっ......!!!!」
「「ドクンドクンドクンドクンドクン」」
2人の鼓動が重なり合う...。
「あのさ...さっき、優樹が言ってた『夢の国』ってゆーやつ...俺知ってるよ。」
え...!?
「死んだお母さんが最後に話していたんだ...。」
そう言ってから、間宮は『夢の国』の話をしだした...。
俺のお母さんは最後に夢の国の話をした。
...
「お母さん、まだ、たーいんってやつ出来ないの?」
「うん。まだ...退院、無理みたい。ごめんね...。」
お母さんは体が悪くて、よく入院をしていた。
「いつになったら、お母さんも一緒にピクニックに行けるの~?早く、一緒に行きたい~!!」
「凛...。」
お母さんは寂しい顔をした。
俺はそんな顔を見た時に、お母さんも本当は行きたいけど行けないのに...俺、そんな事、言ってダメだな...。
謝らないとって思ったんだ...。
「凛っ!」
「なぁに?お母さん!!」
「夢の国って知ってる?」
「知らな~い!!」
「どんなにね、この世界で苦しんでも...夢の国に行ったら幸せになるの。でも、夢の国に行ったら、生まれ変わらなきゃいけない時になって、そうなったら、またこの世界に来るの...。でも、生まれ変わったら、また自分じゃない自分になるの。」
「変なの~!!」
「ふふ。でも、そこが面白いと思わない?」
「確かにっ!!面白いっ!!」
自分じゃない自分になるっ!!
すごいな...。
「夢の国はこんな風に病気にならないし、苦しくならないし、素敵な世界なの...。」
「夢の国...お母さんを僕が連れて行くね!!」
お母さんは寂しそうに笑った。
俺...何か悪いこと言ったかな...?
「もし、もしもよ...。」
「ん?」
「もし...私が夢の国に行っちゃって、凛が悲しくなっちゃって、この世界で生きることが嫌になったら...夢の国においで。」
「生まれ変わって...嫌なこととか、忘れよう。また、新しい未来を作りましょ。」
「お母さんは夢の国に行っしまうの?」
俺は泣きそうになった。
置いていかないで...。
行くなら俺も連れていってよって思った。
「...私は..ハァハァ...」
「え?お母さん...!?どうしたの!?」
「..ハァハァ...な、何も...ハァハァ...ないよ...ハッ...」
でも、見るからに苦しそうっ!!
「...ハァハァ..ウッ......」
「お母さん!?!」
「...ハァハァ..お腹...フッ...お腹......空いた...ハァハァ......」
「プッ...アハハハハハハ!!!!お母さん...お腹空いて息荒くなってるの!?」
「コクン」
お母さんは頷いた。
でも、この言葉、全部、嘘だった。
本当はしんどくて、たまらなかったのに...。
「じゃ、俺...看護士さん呼んでくるね!」
「...ハァハァ..ウゥ......」
お母さんから返事は無かった。
そんなにも、お腹空いてるのか...。
早く、看護士さんにご飯持って来てもらわなきゃ!!
「あっ!看護士さん!!お母さんね、お腹空いてるから、ご飯を早く持って来て!」
「ふふ。分かったわ。いつも凛くんはお母さん想いでいいわね。」
そして、ご飯を作り終わり、看護士さんと俺でお母さんの病室に入った。
「間宮さ~ん。ご飯お持ちしましたよ~。」
お母さんから返事は無かった。
さっきまで息荒かったのに...聞こえない。
「お母さんっ!!ご飯だよ!!」
返事が無い。
「もぉぉ!!起きろっ!!」
「プニッ」
お母さんの頬を触った。
「冷たい......。お母...さん......?」
「凛くんっ!!今すぐに...先生呼んでくるね!!」
「うん......。」
お母さん...お母さん...。
どうか生きて...。
お願い。
いつもみたいに笑ってよっ!!!
「ガラッ」
先生が来て、お母さんを看た。
「せ、先生...お母さん...お母さんは...生きてる...よね...?」
俺の声は震えていた。
「残念ながら、亡くなりました。」
え...?
嘘だ...嘘だ。
「ウワァァァァァァァァァァァ!!!!!」
俺は泣き叫んだ。
お母さんは、もうすぐ死ぬって分かっていたみたいだ...。
...
だから、俺は、夢の国はお母さんが一生懸命話してくれた事だから、ずっと記憶に残っている...。
そんな過去が間宮にあったなんて...。
「優樹。一緒に夢の国へ行こう。」
「え!?」
「夢の国へ行ったら...花川達から傷つけられることはなくなる。それに、俺達が自殺ってことで、いじめのことが世間に発表されるかもしれない。」
でも...それでも。
生まれ変わったら、間宮との記憶が消えてしまう...。
それに、生まれ変わった場所が遠かったら離れ離れだ...。
「私はっ...間宮との記憶が消えるのが嫌だっ!!間宮と離れるのが嫌だっ!!!」
「そんな事なら大丈夫だ。」
「大丈夫って何がだ!?!」
「お前がドイツに生まれようが、世界の端っこで生まれようが、火星で生まれようが、俺が見つけ出すっ!!!!」
「ドクンドクンドクンドクンドクンドクン」
間宮...。
こ、鼓動が...止まらない。
「記憶が消えようが、俺達はまた恋に落ちる......。」
「ドクンドクンドクンドクンドクンドクン」
間宮...。
「いつか、夢の国に行ってしまうなら、今......一緒に行こう。」
「あぁ。」
...
私と間宮は手を繋いで屋上の端っこにいる。
「間宮。せーので飛ぶぞ!!」
「あぁ。」
一緒に...行こう。
「「せーの!!」」
私と間宮は飛んだ。
また...生まれ変わって、出逢って恋に落ち合おう...。
...




