悪魔を信じる生徒達
「んっ...」
私は目が覚めた。
「病院...。」
そうだ...私は鈴木さんに突き落とされたんだ...。
でも、それには理由があると思う...。
私を突き落とす前に『悪魔と天使の世界でこちらが正しいとかあちらが間違ってるとか解らないの』って言ってた。
きっと...。
「優樹ちゃん。目が覚めたんだ。ずっと...心配してたんだよ?」
花川っ...!!!
「人間ってね...どんな動物よりも...簡単に『コワレテシマウ』から...。」
「バチンッ!!!!」
私は花川の顔を叩いた。
「お前...鈴木さんに何を言った!?!」
「え?何も言ってないよ?」
「ギュッ」
私は布団を強く握りしめた。
「何も言ってないことはないだろっ!!!鈴木さんがあんなことするわけがないっ!!私が落ちる前に鈴木さんは言ったんだっ!!!」
「『悪魔と天使の世界でこちらが正しいとかあちらが間違ってるとか解らないの』って確かに言ったんだっ!!!」
私は大声で言った。
「ねぇ...優樹ちゃん。私はね...お願いをしただけ。そのお願いを断ることも出来たのに...輝莉ちゃんは受け入れたの。」
やっぱり...何か言ったんじゃないか...。
コイツのせいで...鈴木さんは...自分の意見が解らなくなって...。
「裏切られて可哀想な優樹ちゃん。でも、私が毎日...遊んであげるから...」
「そんな同情いらないっ!!!!!」
私は叫んだ。
「可哀想なのは...花川。お前だっ!!それに、私は鈴木さんの本心で選んだ選択じゃないって分かる。お前が何か余計なこと言ったんだろ。」
私はベッドから降りた。
「優樹ちゃん...凄く面白いこと言うんだね。」
私は無視した。
病室から出ようとした。
「裁判所で待ってるね。」
私は無視して病室から出た。
今すぐ...行かなきゃ。
鈴木さんの元へ...。
私は鈴木さんの家に来てピンポンを鳴らした。
そしたら、お母様が出てきた。
「霧山優樹です。鈴木さんは今、家にいますか?」
「霧山さん...!?」
お母様は驚いた顔をした。
何で...名前に反応した...?
「...ヒック...ごめなさ...ウゥ...この怪我も...ヒック...輝莉のせいで...ヒック...」
お母様は泣き出した。
まさか...知ってる?
何故?
普通、落としたなら言うはずがない...。
それに、花川に操られたのならもっと言わないはず...。
「...ヒック..今から...謝らせます...ヒック...ウゥ...」
そう言ってからお母様が振り向いた時に私は叫んだ。
「待ってくださいっ!!!!」
「え...?」
「鈴木さんは...悪くないんだっ!!!全て...全て...鈴木さんが望んだことじゃないっ!!!こんなこと...鈴木さんは全く望んでないんだっ...。」
「どうゆうこと...?」
「今、5年3組ではいじめがあります。そのいじめを鈴木さんは止めようとした...。そしたら...鈴木さんが...次のターゲットになったんです...。」
「嘘...よね...?だって...優ちゃんとか桜ちゃんが見舞いに来てくれたんだもの...。二人とも...輝莉の友達だもの...。」
「騙されないで。」
「どんなに優しく心配してくれたとしても...それは『嘘』かもしれない...。」
花川に騙されないで...。
もし、罠に入ったら...もう出てこれない...。
「今、鈴木さんの中で1番身近な人間は、お母様です。お母様が鈴木さんのことを理解してあげてください。」
「鈴木さんの言う事...全てを...信じてあげてください。」
本当は...鈴木さんに会いたいけど...お母様に大切なことは伝えた。
今日は、もう帰ろう...。
「今日は、もう帰ります。また...明日も来ます。その時は鈴木さんに会わせてください。」
「ペコリ」
私はお辞儀をしてから、真っ直ぐ歩いた。
真っ直ぐ...真っ直ぐ...。
私は真っ暗な部屋にいた。
「コンコン」
部屋のノックの音が聞こえた。
「輝莉。霧山さんが今日...来てくれたわよ。」
「ジワァ...」
私の目には涙が溜まった。
霧山さん...本当にごめんなさい。
「...ウゥ..ヒック...ウグゥ...」
霧山さん...。
私なんかのために...来てくれて...私なんか...何が正しいとか何が間違ってるとかさえ、解らなくなって...。
あんなの...やるんじゃなかった。
「...ヒック...霧山さ...ウゥ...」
結局は私は助からないし、霧山さんを傷つけるし...。
「輝莉...話せるようになったらお母さんに何でも言ってね...。」
話せるわけがない...。
「...ヒック...ウゥ......」
私はいつまで取り憑かれるんだろう...。
明日でもいい。
明日でもいいから...『正義』というものが消えてほしい...。
運動会は...私の不登校の原因の一つの日だ...。
...
「輝莉ちゃん!今日は頑張ろうね!」
「輝莉!!優勝しような!!」
「鈴木っ!!俺の活躍見とけよ!!」
私が霧山さんを落としてから、本当に私がターゲットになってない。
でも...おかしな事に、誰もターゲットになっていない...。
どうゆうこと...?
運動会の閉会式。
これは...悪夢って思いたいほどの事が起きた。
「今から、閉会式をします。今からそれぞれの組の様子をスクリーンに映しますので、体育館に移動してください。」
生徒もお母さん方も体育館に移動した。
1年生から映された。
ついに...5年3組になった。
「ドォォン!!」
えっ...?
こ、この...動画...私が霧山さんを落とした時の...。
え...?誰に撮られたの...?
どうしよ...どうしよ!!
「ザワザワ」
皆、騒ぎ出した。
「これって...輝莉ちゃんだよね...?」
優ちゃんっ...!!!
まさか...優ちゃんの罠...?
「酷いよぉ...ウゥ...ヒック...優樹ちゃんは大切なクラメートだよ?...ヒック...輝莉ちゃんが...ウゥ...そんなことするなんてぇ...ヒック...ウゥ......」
全校生徒の皆が私を見だした。
「あの女の子がやったの?泣いてる子...可哀想。」
「最低だよね...。」
優ちゃん...私をいじめない代わりに私を...『悪魔』にしようとしたの?
でも...霧山さんは私のために戦ってくれたのに...私は霧山さんを突き落とした。
そんな私は確かに悪い...。
「「ウワァァァァァァァァァァァァァ」」
5年3組の皆は泣き出した。
私だって...泣きたい...。
でも...私は罪を犯した。
優ちゃんも悪いけど...私も悪いんだ...。
私には泣く資格なんてない...。
...
そうやって、私は自分を責めた。
あの後、お母さんとお父さんにはビンタされた...。
こっぴどく怒られた。
行きたくない学校に行った。
「ねぇ...輝莉ちゃん...輝莉ちゃんがやった行動は『犯罪』なんだよ?」
優ちゃん...。
「鈴木。罪を償え。」
桑原くん...。
どうしよ...裁判官の二人に言われたら皆、必ず便乗するよ...!!
「輝莉ちゃん...この紙の文を読んでね。それだけで、朝の分は終わりだよ。」
私は震えながら、優ちゃんから紙を受け取った。
「よしっ!!鈴木...読め!!」
な、何...書いてるんだろう?
桑原くんは多分、動画を撮っている...。
『わ、私は...鈴木輝莉...です。』
『お、おじさまの...か、か、か...』
嫌だ...こんなの読みたくないよっ!!!
『...ハァハァ......』
優ちゃんは私に近づいた。
そして、小さな声で言った。
「...ヒソッ...ネットにあげるからあまり変だとダメだよ...。」
嫌...嫌。
こんなの読めない...。
『ウゥ...ヒック...彼氏を...ヒック...ぼ、募集...ウゥ...してま......ヒック...』
涙が止まらない...。
こんなのネットに上げられるの嫌だよ...。
『ウゥ...ヒック...ウゥ...き、き、き...ウグゥ...』
嫌...。
霧山さん...霧山さん。
助けて...。
『...ヒック...キス...ウゥ......して...くれると...ウゥ...嬉し...ヒック......です...ウゥ』
笑い声が聞こえてくる。
何で...笑えるの?
『...ヒック...ウゥ...よろし...ヒック......』
紙の文はもうなかった。
「「アハハハハハハハッ!!」」
「鈴木...おじさま趣味あったの~?笑」
「輝莉、おじさま好きとかキモ~笑」
違うよ...違うよ。
全部、優ちゃんの仕業って...皆知ってるくせに...!!
「ウワァァァァァァァァァァァァァ」
私は泣き叫んだ。
「輝莉ちゃんは犯罪者だから、当然の償いだよ!」
いくら何でも...これはないでしょ?
「うおおおおおっ!!YouTubeに上げたら鈴木の好きそうなおじさまがコメントくれたぞ!!鈴木、良かったな!!」
「「アハハハハハハハッ!!」」
やめて...やめて。
「...ヒック...ウゥ...やめて...ハァハァ...」
こんなふうに...ネットにあげられたら全国の皆に見られる...。
そしたら、外に出たら誰かにバレる...。
「...ウゥ..ヒック......」
私はこれから一生外に出れない。
これが学校に行かない理由の原因二つ目...。
あの後から、鈴木さんは学校に来なくなった。
だから...私が...罰を与えられるようになった。
...
私は中田愛梨。
裁判員の理梨とは、仲が良い方だ。
そんなある日。
いつものように、学校に行った。
クラスに入った瞬間のことだ。
「愛梨ちゃん。おはよう。」
花川と桑原とその周りには裁判員がいた。
「お、おはよう...。」
私、何かされる!?
いや、されるわけがないっ!!
私は...大丈夫。
「愛梨ちゃん。残念だなぁ~。何で裁判官の私を誘ってくれなかったのかなぁ?」
え...?
「何のこと?」
まさか、裏でやってる事がバレた!?
でも...理梨しか喋ってない。
理梨は喋るようなヤツじゃない。
『花川とかマジウザい。アイツぶりっ子やしさ~。クラスを裁判所って言うあたりがもう終わってる!!アハハハッ!!』
え...これ。理梨に言ったヤツじゃん...。
まさか...理梨は私を見捨てた...?
ふざけんなっ!!!!!
『私さ~支配する人嫌いなんだよね~。アハハハッ!!』
録音はそれだけだった。
でも...ふざけんなっ!!!!!
理梨...お前こんなことして何もなく終わると思うなよ...?
「あとぉ~他にもやってる事があるんだよね?」
そう言いながら優ちゃんは私に写真を見せた。
その写真は...私がいじめをしている写真。
この写真...多分、理梨が撮った...?
ムカつく...ムカつく...。
「愛梨ちゃん。罰を与えるなら私も入れてよ。裁判官、裁判員、裁判所が無かったら、裁判は行われないんだよ...。」
「は~い。罰を償う時間になったぞ~!」
桑原っ...!!!
私は桑原に手を引っ張られた。
「ギュウウウウウウウウ」
桑原は私を押さえた。
「ちょっ...離してよっ!!!」
「はぁ?誰にその言い分申してるんだよ。」
前を見れば、佐藤手風も押さえられてた。
「はい!!ぶっちゅ~!!」
そう、裁判員は言ってから、私と佐藤の頭を押した。
やめてっ...!!
佐藤なんかとキスしたくない!!!
「ブッチュウウウウウウ」
唇と唇が触れた。
「よかったね。愛梨ちゃん。裏で散々話題になっていた佐藤くんとキス出来て...。」
ふざけんなっ!!!!!
抵抗したい...そう思うけど。
私の力じゃ、花川に敵わない...。
あれから、鈴木さんの家に行ったけど、会えなかった...。
遂に、学校に行けるようになった。
「優樹。学校に行けるようになって良かったね。まぁ...優樹は散歩とかきちんとしていて、頑張っていたもんね。」
お母さん...ごめんなさい。
本当は鈴木さんの家に行ってた。
でも...そんなの言ったらお母さんは悲しむ...。
「あぁ。そうだな。」
私は...悲しませたくないから『嘘』をつく...。
教室に入った。
「っ...!!」
言葉が失った。
「ゴミはゴミ箱に...だな!!」
中田愛梨がゴミ箱に入れられてた。
「お前らやめろっ!!!!」
私は桑原達に近づいた。
「ゴミはお前の脳ミソだっ!!!!」
「あぁ!?霧山...なんだよっ!?」
「桑原くん。ごめんね...優樹ちゃんに大切なこと伝え忘れてたの。」
花川っ...!?
花川は私達の方に来た。
「優樹ちゃん。あのね...愛梨ちゃんが裏でいじめをしていたり、裁判官の悪口を言ったりしてたの...。そんな悪い子には罰を与えなきゃいけないでしょ?」
「もし、中田さんが裏でいじめをしていたり、悪口を言っていたら悪い。でも、それでお前らが中田さんをいじめるのは違うっ!!!」
「いじめは悪いって分かってるのに...何で、鈴木さんとか秋原さんをいじめたんだっ!!!!」
「お前らだって、とっくの前から『犯罪者』だっ!!!!」
私は叫んだ。
「ねぇ...優樹ちゃんも来たし、愛梨ちゃんが罪を償うのはもう...やめよっか。」
花川...!?
何か作戦があるのか?
「裁判員さんと裁判官さんと...優美ちゃん!話したいことがあるから空き教室に行こっ!」
そう言ってから花川達は空き教室に行った。
秋原さん...大丈夫かな。
これから何が起こる...?
移動教室から帰ってきたら、机の中に手紙が入っていた。
...
『霧山さんへ。
優ちゃんのことで相談があります。
私を助けてください...。
放課後、体育館倉庫で待ってます。
秋原優美より。』
秋原さん...裏で何かされているのか?
秋原さんは花川に罰を与えられた最初の人。
何か...何か...あるのかもしれない。
でも、もしかしたら...鈴木さんみたいに花川に操られてるかもしれない...。
でも...迷わず行こう。
今...私は秋原さんを信じなきゃ。
私は体育館倉庫に来た。
「秋原さん。もう...来ていたんだ。」
「っ...。」
秋原さんは黙っていて震えていた。
「秋原さん...花川達に何か言われてやっているのか?もし、そうなら...花川達の言われた通りに動くなっ!!!」
「花川達に言われた通りに動いたら、相手の思うツボだ。それに、そんなんじゃ、永遠にいじめは消えない。」
「ドォォン!!」
秋原さんは私を押した。
「秋原さんっ...!!!やめろっ!!!!」
「ガチャッ」
秋原さんは私を体育館倉庫に閉じ込めた。
これは外鍵だから、中から開けれない。
「ドンドン!!!!」
私はドアを叩いた。
「っ...秋原さん!!!秋原さんは...今まで花川達に何をされてたと思ってるんだ!?!花川達は...お前をいじめたんだぞ!?!そんなヤツの思い通りに動くなっ!!!!」
返事がない...。
「秋原さんっ!!!ここから私を出せっ!!こんなのやるだけ無駄だっ!!!鈴木さんみたいになるだけだっ!!!!」
詳しい事は私は知らないけど、お母様から鈴木さんが不登校になってしまったって聞いた。
きっと、花川達が罰を...。
「お前は...そんな事やっても助かるとは限らないんだぞっ!!!!」
「そんなのっ...わかってるよっ!!!!」
秋原さんから返事が来た...!!
「...ヒック..でも...ウゥ...もう...ヒック...嫌っ!いじめられるの...嫌だよぉ...ウゥ..ヒック...」
秋原さん...。
「私は必ず、5年3組のいじめを止める。でも、そのために...1人じゃ難しい。協力してくれないか...?本当にいじめを止めたいなら...今すぐ私をここから出せ。」
早く出せ...。
こんな風に閉じ込められてちゃダメだ...。
「可哀想な優樹ちゃん。また、裏切られたんだね。」
花川...!?
フッ...上等だっ!
受けて立つ!!
でも、どうやって抜け出せば...。
「カチャッ」
何かが足にぶつかった。
私はそのぶつかった物を拾い上げた。
暗くて見にくいけど...メガホンだっ!
これを使えば...!!
...
『ここから出せっ!!!!花川優っ!!!』
「ザワザワザワ...」
音からして人が集まってきてる...。
やはりメガホンは使える...!!
『これがお前のやり方か!?!卑怯者だなっ!!!!』
『早く出せっ!!!!まだ出す気がないのか!?!』
『お前は...人の壊れてゆく姿を見て何が目的だっ!!!!』
『本当にお前はクズだなっ!!!クズのクズのクズっ!!!!』
「ガチャッ」
鍵が...開いた!?
私はドアを開けた。
周りには生徒がいっぱいいた。
「...ヒック..優樹ちゃ...ウゥ...無事で...ヒック...良かったぁ...ウゥ...あのね...優樹ちゃんを閉じ込めたの...ヒック...優美ちゃん...ウゥ...なの...ヒック」
また、そうやって相手を追い込もうとするのか...。
「え...じゃあ、あの女の子じゃないんだ。」
「てことは、閉じ込められた人は勘違いしてたの...?」
違う...違うんだっ!!
「今、5年3組ではいじめがあります。」
皆、驚いた顔をした。
「皆...騙されるなっ!!!白い...『悪魔』に騙されないで...。」
もう...お前の思う通りには動かない...。
私は職員室に向かった。
もう...伝えるんだ。
先生だって、役に立たない時が多い。
だけど...何もしないよりかは、した方がいい!!!
「おい...。霧山。」
私は振り向いた。
「間宮凛...。」
間宮凛は、大人しい。
だけど、意外とモテる。
私は話したいことがない。
その間宮が何故...?
「今日、カッコよかった...。」
え...?
「俺...霧山の協力するよ。正直、花川達のやってる事、不愉快だったし。」
「ほ、本当か!?は、花川達に操られてるとかじゃないよな!?」
「俺、思ったことしか言わないし。花川達の言われた通りに動くようなお利口さんじゃない。別に嫌なら協力しないけど...」
「いや、協力してくれっ!!!!」
「ギュッ」
私は間宮の手を握った。
「これから、よろしくな!!」
「よろしく。...で、霧山は何か考えてるの?」
「え...?」
「花川達が何も言えなくなるような、いじめの『証拠』。」
「か、考えれてない...。」
ど、どうしよ...証拠がなきゃ、そりゃダメだよな...。
私のバカバカバカ!!!!
「花川達は先生達の前じゃお利口さんだから、いじめの証拠を捕まえなきゃ、きっと先生達は信じてくれない。」
「だから、俺の案だけど...こんなのどう?」
...
「で、でも...それじゃ怪しまれるんじゃないか?」
「じゃ、僕がそれをやって、霧山は......どう?」
「いいなっ!!間宮偉いな!!」
「別に。普通だけど。」
これから...私と間宮の復讐劇が始まる。




