表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

悪魔に支配された生徒達

天使と悪魔の世界とはまさにこのクラス...5年3組だと思う。

私達の誰が天使で誰が悪魔は分からないけど...でもこのクラスは確実に天使と悪魔で出来てる...。


...


「ほら、優美ちゃん...罰を償う時間になったよ。私達が特製スープ作ったから残さず飲んでね!」

そう言って、差し出す『特製スープ』とはトイレの水にゴミなどが混ざったもの。

「俺がバッチリ動画撮ってやるから!!」

「さすが陸っ!!」

「ネットに上げようぜ!!」

「アハハハッ!そんな汚いヤツの動画なんか見る!?」

「ねぇ、輝莉ちゃんも思うよね!?」

「う、うん...。」

私は鈴木輝莉。

この5年3組では裁判所だ...。

桑原陸くんと花川優ちゃんの裁判官2人とその2人に仲のいい人が裁判員だ...。

私は裁判員...。

いつも見てて、辛くなってくる...。

そして、今...悪いことをした人は秋原優美さん。

秋原さんは、優ちゃんの大切にしていたキーホルダーを壊してしまった。

「ねぇ、優美ちゃん。いじめはね...『正義』なんだよ。」

そう、優ちゃんが言った後に、裁判員の桜ちゃんが近づいて行った。

「だって、悪をこらしめてるんだからね!!」

そう、桜ちゃんはキッパリ言った。

「だからぁ~複数が1人に向かって殴るのだって、『正義』なんだよっ!!!」

「ガァァン!!!」

桑原くんは秋原さんを殴った。

「何で優美ちゃんは泣いてるの?これは当然の報いだよ。」

やめて...やめてっ!!

「...ハァハァ......」

「輝莉ちゃん大丈夫?息荒いよっ!」

この子も裁判員の理梨ちゃん。

だから...優ちゃんの味方。

「だ、大丈夫...。」

こんな風になったのは...全部、全部。

大人が悪い...。

大人が...子供達にこんなこと教えるから...。

こんな世界...もう嫌だよ...。


大人VS大人の正解・不正解のバトル。

テレビで子供達に教える...。

『誰が間違ってるか』


...


「ねぇ、皆、今日のお昼休みはどんな罰を与えたらいいかなぁ。」

嫌だ...罰なんて与えないでほしい...。

「ねぇ!!今日は、輝莉が決めてよっ!!」

女子の裁判員全員が言った。

「え...?わ、私...?」

「うん!!私達はもう全部言ったけど輝莉はまだでしょ!?」

「チラッ」

私は秋原さんを見た。

秋原さんは震えていた。

やっぱ...嫌だよね。

だって、もし私だったら凄く嫌だもん...。

「わ、私は別に何でもいいよ!皆がしたいものが...いい...。」

「えぇぇ?何か言い逃れしようとしてない?まさか...秋原の味方?」

「ゾクッ」

皆の目が怖かった...。

「そ、そんなことないよっ!」

いつまで...私は逃げるのだろう...。

「輝莉ちゃんがそんな風に言うなら私が決めるね!」

優ちゃん...。

「「うん!!」」

裁判員全員が返事した。

「今日は~散髪しちゃおっか!テレビで見たの!謝罪の意を込めて髪を切った人!」

「「おおおおおおおおおおお!!!」」

歓声が起きた。

待って...それはまずいんじゃない?

秋原さんだって女の子だし...坊主とか絶対に嫌なはず...。

「私が案を出したから輝莉ちゃんが罰を与えてね!」

そう笑顔で優ちゃんは私にハサミを渡した。

私は震えた手で受け取った。

秋原さんも震えていた。

「ほら、輝莉!!早く切りなよ!!」

「輝莉ちゃん早くぅ~」

「鈴木早くしろぉ~」

嫌だ...嫌だよ。

切りたくないっ!!

「ねぇ、輝莉ちゃん。正義は悪党を倒すものだよ。」

優ちゃん...。

「輝莉ちゃんは正義だから、優美ちゃんを倒してくれるよね?」

「悪は滅ぼさなきゃな!!鈴木...やってやれえええ!!」

裁判官2人に引き続き、皆が歓声を上げた。

もし、私がここで秋原さんの髪を切らない行動が正しくて、優ちゃんが間違いなら...。

私達は戦う運命になるのかな?

私達はいつも『答』で争う...。

でも、2つあって初めて『答』なんだ...。

「ガチャンッ!!!」

私は、ハサミを落とした。

「私...秋原さんの髪...切りたくないっ!!こんなのやるの...正義じゃないよっ!!」

「へぇ~...じゃあ、輝莉ちゃんはどういうのやると正義だと思うの?」

「ゾクッ」

優ちゃんの笑顔が怖かった...。

悪魔と天使の世界であちらが正しいとかこちらが間違ってるとか本当は...解らないんだ。


私は...本当は優ちゃんのキーホルダーなんか壊してない。

5年3組になった時に私は浮いていた。

そんな私に声をかけてくれたのは...優ちゃんだった。

「秋原さん...だよね?私の名前...分かるかな?」

「は...花川優さんっ!!し、知ってる...。」

優ちゃんは賢くて、運動神経良くて、可愛い。

そんな子が何で話しかけてきたんだろうって思った。

「嬉しい。私ね...秋原さんと話したいなって...ずっと思ってたの!」

一人ぼっちだった私にとって...嬉しい言葉だった。

それから、私と優ちゃんは少しずつ遊ぶようになった。

優ちゃんはイメージ通り優しかった。

だけど、そんなある日のことだ。

「ガラッ」

教室に私が入ったら静かになった。

「ねぇ、優美ちゃん。私のキーホルダー壊して酷い子だよね...。」

「ほんとそれっ!!!」

え...?どうゆうこと?

私は壊してないっ!!

「ほら...これ。昨日、優美ちゃん触ってたよね?」

確かに触ったけど...壊してはいないっ!

「返された後...壊れてたんだよ?悪い子には罰を与えなきゃね。」

「バシャッ!!!!」

え...?何、汚い...。

「秋原特製シャワー!!!」

桑原くん...。

「アハハハハハハハハハハハッ!最高っ!!」

あっ...優ちゃんと仲がいい子達だ...。

優ちゃん達のグループは『正義』と言って、私をいじめたのと同時にこのクラスを支配した。

この最悪な世界は多数派が『正しい』とみんな『間違える』...。

だけど、私も選択肢を間違えた。

鈴木さん...ごめんなさい。


学校に行くのが...怖いっ!!

あの後、昼休みが終わって私は体調が悪くなって帰った。

「...ハァハァ......」

お腹が痛くなってきた...。

でも、もう...自分が思ってることを無視して生きたくないよ...。

「輝莉ちゃん。」

「ドクン...」

「ゆ、優ちゃ...ん...。」

「今日は学校に来れたんだね!」

「う...うん。」

こ、怖いっ!!

「ドクッドクッドクッ...」

絶対...優ちゃんは何か企んでるはず...。

「ガラッ」

私と優ちゃんは教室に入った。

「ドォォン!!」

「ひゃっ!」

私は誰かに押されて転けた。

「アハハハハハハッ!輝莉ダサっ!!」

「鈴木!!バッチリ動画撮ったぞ!!」

「アハハハハハッ!陸ナイス!」

やっぱり...私の発言が...。

「皆っ!静かにして!今からストレス発散の為に輝莉ちゃんが頑張ってくれるんだって!」

え...!?

待って...嫌だよ。

嫌だ!!

「ねぇ、優美ちゃん。輝莉ちゃんを押さえてくれないかな?」

秋原さんは震え出した。

「優美ちゃんは優しい子だから、やってくれるよね?」

「コクン」

秋原さんは頷いた。

待って...秋原さんっ!!

「私...昨日、秋原さんの罰を無くしてあげたよね!?秋原さん...優ちゃんの言う通りに動かないでっ!!!」

「ギュッ」

秋原さんは私を押さえた。

「す、鈴木さん...ご、ごめんね。で、でも、今まで...助けてくれなかったんだから...仕方ない...よね。」

あぁ...そっか。

私が今まで逃げてきた結末がこれなんだ...。

「ガァァン!!!」

一人ずつ...皆が私を殴ってきた。

神様...『正義』を生み出した神様。

聞こえてますか...?

『正義』なんかを生み出したから、皆...争うんだよ。

『正義』なんて...消えたらいいのに。


鈴木さんは凄い頑張ったと思う。

カッコイイと私は心の底から思った。

だから、鈴木さんが困ったりしたら助けてあげようと思った。


...


私は、霧山優樹。

鈴木さんはあんなに頑張ったのに罰を受けた...。

今まで、見て見ぬふりをしてきたけど、もう...今回は無視出来ない。

鈴木さんの為にも...私が頑張らなきゃっ...!!

じゃなきゃ、鈴木さんは救えない!!

「なぁ、出逢い系サイトに鈴木のヤツ乗せようぜ!!」

「さすが、陸くん。いいアイディアだね!」

「さっそくやれよ!!」

皆、騒ぎ始めた。

「や、やめて...お、お願い...」

鈴木さんは泣いていた。

「裏切り者は大人しく罰を受けてろっ!!」

「ドカッ!」

裁判員の人が鈴木さんの上に座った。

本当...コイツらは何様なんだ...。

花川達なんて、怖くないっ!!

そう、自分に言い聞かせて、花川達に近づいた。

「ドォォン!!」

私はまず、鈴木さんの上に乗ってる人を押した。

「ちょっ!何するのよ!?」

私は無視した。

「バッ!!」

そして、桑原の携帯を取った。

「根暗っ!!!何すんだよ!!」

「お前らいい加減にしろっ!!!!!」

私は叫んだ。

「『正義』とか言ってるだけで、内容はいじめじゃないかっ!!!!いっつも見ていて不愉快だっ!!!!」

「はぁ?根暗...何様なんだよっ!!」

「ほんとにっ!!」

「いっつもキモイんだよっ!!」

こんなの怖くない...。

鈴木さんを助けるためには...。

「じゃあ、優樹ちゃんはどんな罰を与えてほしい?」

「バンッ!!!!!」

私は近くにあった机を叩いた。

「私は...罰を与えること自体やめろって言ってるんだ...。」

「ねぇ、優樹ちゃん。戦わなきゃいけない『悪魔』って何だと思う?今まで...優樹ちゃんは見て見ぬふりしてきたよね?それって...『天使』とは言えないよね。」

戦わなきゃいけない『悪魔』は私の中にいる...この世界のせいにしちゃいけない...。

この世界を変えたければ、自分自身と変えることとほとんど同じ...。

何かを変えるってことは、自分自身を変えるってこととほとんど同じ...。

「私はこの5年3組を変えたいっ!!」

「ピッ!!」

私は花川に指を指した。

「この裁判所を私が潰すっ!!!」

クラスは皆がいて成り立ってる...。

ならば、私達が変われば...この世界は完全に変わる...。

絶対に...潰してやるっ!!


私は、今トイレの中に入っている...。

教室にいるのは怖いっ!!

霧山さん...。

凄くカッコ良かった...。

私なんかのために、ありがとう。

「ウゥ...ヒック...ウグゥ......」

誰が天使で誰が悪魔か解らないけど...でも、霧山さんは天使だ。



...


「なぁ...霧山ウザクね!?」

「ほんと...正義のふりしやがって!!」

「ねぇ...皆、私いい事思いついちゃった♪」

「え!?優ちゃん何思いついたの!?」

「優樹ちゃんも輝莉ちゃんも傷つく...最高の罰だよ。」

結局、この世界は...正しい事ばっか筋が通るわけじゃなくて、悪い事ばっか筋が通るって思い知らされる...。


やっと、放課後になった。

あの後、何もなくてホッとしてる...。

これも、霧山さんのお陰だ...。

ありがとう。

「ねぇ、輝莉ちゃん。」

「ドクン...」

「ゆ、ゆゆ、優ちゃ...ん。」

嫌だ...私、また何かされるの!?

「一緒に帰ろ?」

「う、うん...。」

私は断れなかった。

断るのが怖い...。


...


「ねぇ、輝莉ちゃん。これから罰を与えるの輝莉ちゃんにはやめてあげるね!」

え!?

嘘...何で...?

まさか...夢?

だって...優ちゃんはそんな簡単に諦めるような子じゃないもん...。

「だから...5年3組の『悪魔』を倒してくれないかなぁ?」

え...。

「このままじゃ...5年3組の裁判所が潰されてしまうの...!!」

嫌だ...裁判所なんか潰れてほしい。

でも...自分が助かる...。

「絶対に輝莉ちゃんに罰を与えないって誓うから...『悪魔』を倒して...!!輝莉ちゃんにしか頼めないのっ!!」

「う、うん...。わ、分かった...。」

あぁ...私はまた戻ってしまうのかな...。

私はやっぱり弱い...。

こんな弱いままだから...この世界を変えれないんだ...。


『輝莉ちゃん。まず、明日の朝に2階の西階段に優樹ちゃんを呼んでね。』


『その後に、優樹ちゃんを...』


『突き落としてね...。』


...


「...ハァハァ......ウゥ...」

苦しいっ...!!

霧山さん...霧山さん。

霧山さんは私のために戦おうとしてくれた。

なのに...私は...。

「...ハァハァ......ウグッ...」

「鈴木さん!?大丈夫か!?何か花川達にやられたのか!?」

霧山さんは私の方に近寄った。

霧山さん...近寄らないで。

「霧山さ...悪魔と天使の世界で...ウゥ...ヒック...こちらが正しい...とか...ウゥ...あちらが間違ってる...ヒック...とか解らない...の...ウゥ...ヒック...」

「え?鈴木...さん?」

『賛成』と『反対』の間に『答』が生まれればいい...。

ただ、言えることは...。

「ドォォン!!」

私は霧山さんを階段から突き落とした。

「...霧山さ...ヒック...ウゥ......」

返事はなかった。

「正しさを...正しさを...主張するだけじゃ...『答』じゃないの...ヒック...ウゥ...」



...


否定を否定する私の最大の矛盾は...私の言葉...全てデタラメだってことになるのかな...?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ