挿入話 樹葉族の生贄
恐ろしく読みにくいかもしれません。
小学生低学年の語彙力を意識しました。漢字とかは試行錯誤段階ですが投下します。お見苦しいですがよろしくお付き合いくださいませ……
ボクの名前はフウロです。
じゅ葉族という一族に生まれました。きおくの中のじゅ葉族の村は、森に囲まれて、平和にくらしていたと思います。色あざやかな花と太ようの光を反しゃしてかがやく木の葉が、今でもまぶたにうかんできます。
ボクは5才の時、この里……というより、この石の部屋に入れられました。なんでも、この里の人たちに村を守ってもらうためには仕方がないことなのだそうです。村の中にはボクよりも大きなのう力者がまだ2人いました。でも、ボクの方がゆうしゅうだから、えらばれたのです。
ボクは村の人たちに信らいされてえらばれたのです。名よなことなのだと言って父と母は、なぜか泣いていました。
そして、村の長ろうからボクはむかえがくるまで、この里で過ごすように、絶対に自分で死ぬなんてことはしないように、と約束させられました。
しかし、ここでのくらしは、ボクのそうぞうしていたよりも、ずっと辛く苦しいものでした。
まず、言葉が分かりません。
村でボクがつかっていた言葉はしんせい語というものです。ここの人たちが何を言っているのか分からなくて、のんきに首をかしげているとうでをこおらされたり、なぐられたりします。
どうにかしてやっと分かったボクの仕事は、ケガをした人をナオスことみたいです。でも、ここではナオシてもナオシても、村のみんなみたいにボクの頭をなでてくれません。ほめてもくれません。おれいも言われません。
ごはんも少なくて、いつもおなかがすいています。
泣きました。村にかえりたくなりました。でも約束したので、かえれません。
あまりに辛くて、ボクは何度も死にたくなりました。でも、約束したので死ねません。
村の人たちは、ボクが仕事をちゃんとすると信じてくれているのです。ボクはそれをうらぎっちゃいけないんです。
ちょっと大きくなって、真っ暗な生活にもなれて、この里の人たちの言葉がちょっと分かるようになってきた。でもボクが話しかけても返事してくれない。この里の人たちも話しかけることはいつも同じです。
「ナオセ」
「コロセ」
「オマエノチヲヨコセ」
「――ナイナラ、オマエトムラヲケス」
「ハヤクシロ」
ヒトデナシとオマエは、ボクのよび名らしい。他の言葉は何となく使われてるうちに何が言いたいのか分かるようになったのです。
でも、そんな苦しい毎日をすごしていたある時、ボクにトモダチが出来ました。なぜかしんせい語がつうじたのです。だからすぐに仲良くなりました。
その子は5才になったのに、まだけんげん出来ていませんでした。ボクが心ぱいしてあげると、
『フツーは今のフウロくらいの年で顕現できる様になるの。俺はまだ出来なくてもいいの』
と言ってつよがっていました。ボクの村では5才で出来るようになるはずなので、ふしぎでした。でもそれはささいなことなのです。その子は、とても良くわらう明るい子でした。仕事はかわらないし、なぐられるのもいたいし、辛いことにかわりませんが、その子が来てくれると少し平気になりました。
そしてけんげんの仕方をおしえてあげました。その子から聞いたこの里の方法だと、たしかにボクくらいの年ごろじゃないと分からない気がしました。
ボクがおしえるとその子は目をキラキラさせて「ありがとう」と言いました。キラキラした目があんまりまぶしくて、ボクは思わず目を細めてしまった。
それから長い時間がたって、その子は目を手でおおって泣きながらボクの前に来ました。
「フウロのせいで、母上が殺された。お前のせいで……」
『どうして?ボク、女の人はまだコロシてないよ』
「うるさい!お前が、殺したんだよ!お前」
泣きじゃくって、それでもさけぶような声を発しながら目をおさえるその子の言葉に、ボクはこんらんしました。だって、言ってる言葉は分かるのに、いみが分からなかったからです。
その子と話していたおかげで、ボクはこの里の言葉を正かくに聞きとれるようになったのに、それでもわからないことがあるなんてビックリしました。
「顕現を教えてくれたお返しに、良いこと教えてやるよ」
そういって彼は涙にぬれた手を下ろして、赤い目をボクに向けます。
あれ、この里に火の一族いたのかな……。
そんなぎもんを感じましたが、次の言葉はボクをもっとこんらんさせました。
「里の大人が油断してる時に聞いたんだ。村の奴らはお前を差し出してヌクヌクとくらしてんだとさ。お前は村からここに売られた生贄だよ!」
その子の言葉は、ボクが一番かんがえないようにしてきたものでした。
村の同じ年の子はしんせい語以外の言葉も話せていたのに、ボクはどうしてもおしえてもらえなかった。
村のみんなが別れぎわに口をそろえて言った『お前は優秀だから、信じてるよ』という言葉が耳によみがえります。
さい初のころはこんな辛くて苦しい仕事は、たしかにゆうしゅうな子じゃないとできないと、なっとくしてました。
そしてゆうしゅうな子は他にもいるから、ボクだけじゃなくて、じつは別の部屋にも村の人がつれてこられているんじゃないかとか、何となく、かんがえたことがありました。
そんな時、ボクのふの心がこくなります。でも、ボクは、村の人に信らいされているからボクも信らいしなくちゃいけない、うたがったらいけないって、かんがえるのを止めていたのです。
それなのに、その子の言葉でボクの中の何かがくずれました。
ボクがぼうぜんとしている間に、その子はいなくなっていました。
それからボクは、何度もボウソウしてしまいました。
いしきがあっても力のつかい方が分からなくなりました。ナオス人をコロス事もありました。たくさんの人がボクの前で、ボクの手で死にました。
あれからもう、どのくらいの時間がたったのでしょうか?さい初カゼを引いたと思って治そうとひっ死だったけど声がかわったみたいです。
目かくしをしていると、村の光けいしか目にうかばないことが分かりました。おかげでボクは村人のあの笑顔と「信じてる」の言葉を思い出して、落ち着くことが出来ました。
さいきんは、ボク自身がよわっていると、力をかけすぎてナオス人をコロスことが少なくなると分かりました。それでも5回に1回は死んでしまいます。そのけいこうが分かったせいで、唯でさえ少ないのにボクのごはんは、それまでの半分以下にされて、さらに今まで以上にこうげきされるようになりました。
ボクはまた、いつもと同じようにボコボコにされました。今日がいつもとちがったのは、つめたいこうげきではなくて、火をつけられたようなあついこうげきでした。
そして、その人はチヲノムしてない人をナオセと言ってきました。ボクはいたい目にあいたくなかったからていこうしたけど、やっぱりむりやり取られました。
カヨって人は、ボクからチを受け取ってノムと、何故かボウソウしだした。
ばくはつしたような音を立てて、石をくだいて生えてきた植物が、ボクやその場にいた他の人にからみつきます。
どんなにボクがボウソウしても、キズ一つ入らなかった石の部屋をその人はこわしたのです。ボクは、久しぶりに生きた植物にふれた感動で思わず笑ってしまいました。
が、火でこうげきしてきた人――カホという人は、ひっ死でカヨに呼びかけています。
「しっかりしろ!カヨ!」
「カヨ様!」
そして、もう1人もカホにまけないくらい大きな声で呼びかけています。
じょうきょうはあくのためにも、ボクはとりあえず目かくしを外しました。
まず、明るすぎて目がくらみました。
どうしてこんなに明るいのか……考えながら声の発された方を向きました。でもその光けいを目にして、思こうが止まりました。
ボウソウしているカヨは、なぜかじゅ葉族の目の色、みどり色をしていたのです。
ああ、ボクは「生贄」じゃなかったんだ。
だって、じゅ葉族の人はボクのいた村にしかいないと聞きました。この人がじゅ葉族なら、みんなも来ているってことです。信じていて良かったのです。ボク一人が苦しんだわけじゃなかったんです。
ボクは、ボウソウしているじゅ葉族のカヨにかけよった。(正かくには、かけよろうとしました)
「おい!何する気だ?!とまれ!」
火がボクの目の前をかすめていきます。
ボクは立ち止まってそれをかわしました。
「村……の、人!じゅ、は……族!」
こうふんしすぎててボクのしたは、口の中でころがってぶつかりまくります。
「カヨは違う!お前は俺が良いって言うまでカヨに近づくな!」
そう言うと、ボクをおさえてカホはカヨの出した植物をもやし始めました。
「あ……」
ボクはもえていく植物を見て、きぼうの光がけされていくような気分になりました。
「あー!いや!いや!コロス、いや!」
ボクはカホにしがみつきます。どうか伝わってほしいです。この人をころさないでほしい。
「当たり前だ!お前は人の話聞いてなかったのか?お前にアイツの怪我を治して欲しいって言っただろ!殺すわけないだろ、アイツは俺が守る」
そうだったでしょうか?思い返せばたしかにそんな感じのことを言っていたかもしれません。それにもっと言えば、カヨはチヲノム前、ボクののう力にきょぜつされていました。
でも目の前にいる、目の色がいっしょのじゅ葉族のカヨはとても苦しそうに顔をゆがめているのです。いやなよかんがします。
植物は、すみになっても後からどんどん生えてきます。とてもつよい力です。それでもカホは天井にのびる前にもやしてしまいます。
ここに来て、やっとボクはカホがじゅ葉族の天てき火の一族だと気がつきました。
あぁ、この里にはなぜか火の一族がいるんですね。ボクのさい初でさい後のトモダチが頭の中をよぎりました。
「目を覚ませ!カヨ!」
カホのちからづよいさけび声に反応するかのように、植物の動きが止まりました。
「カヨ……」
カホがホッとしたのか、ボクをおさえる力をぬきました。ボクのいやなよかんはつよくなるばかりです。いそいでカヨの所に走ります。
「おい!待て!」
ゲボッゴボッ
ボクの目の前で、カヨはチをはきました。
「なっ」
カホの声がすぐ後ろで聞こえますが、つかみ止められることはありませんでした。
ボクはカヨの所に辿り着くと、手を握ります。さっきふれた時は、きょぜつされたから分かりませんでしたが、カヨの肌にふれたしゅん間、あまりのキズのふかさにおどろきました。下手に手とか足が切れてないから見た目は、ひどくありませんが、今、立てているのがふしぎなくらいです。とてつもないいたみなはずです。そして、いそいで治さないとあと数秒で死んでしまいます。
ボクは、その場にある全部の音がきえるくらい集中しました。
でも、なさけないことにボクはかなりよわっています。今ある力を全部使い切っても、治りきるか分かりません。それでも、この人の身体を治したいと、心のそこから思いました。
力をそそいでもそそいでも、一向にキズが治ってくれません。このままではダメです。でも、ふの心をつよくしすぎると信じる気持ちがよわくて、まちがえたら今度はボクがボウソウしてしまいます。治せないどころか、自分の手で村の人をコロス事になってしまう。そんなの、ぜったいにいやです。
それにしても、ボク以外の村の人にもこんな仕打ちをしているなんて……。
なんでボクは自分と同じ、いや、それ以上の苦しみを味わう人を求めていたんだろうか。
こんなの、今までで一番苦しくて辛いじゃないですか。
ああ、何をうたがっていたんだろう。
生贄なんてどうでもいいです。
ボク以外の村の人が、こんな風にいためつけられるのならボクは、ボク一人ここにいるだけで村の人が安全なら、それで良いって何で思えなかったんだろう。
だってボクはのう力者なのに、どんなにいたくてもすぐに治るのに。この人は自分で治せないのに。
こうやって村の人が苦しんでいるのを知って初めてそう思うなんて、ボクはなんてバカなんだろう。
「あ……えっと」
ボクが泣きながら、あやまっていると、すぐそばで声がかかりました。えんりょがちな女の子の声です。
気づかないうちに、キズはかるいものへと治っていました。
ボクは思わず、カヨを抱きしめてしまいました。見ず知らずの、ボクのきおくの村の人たちにはいない人ですが、そうせずにはいられませんでした。
「よかった……」
安心しました。ボクの力は彼女の命をすくうのに足りたようです。
「あの、ありがとう」
この里に来て、2回目のおれいの言葉は、村のあのけ色のようにキラキラとかがやいてボクの心をほぐしてくれました。
『ボクがもっとちゃんと村の人を信じてたら、もっと早く治せてたんだよ。ごめんなさい。次目がさめたら、君を村に返すように言ってあげるからね』
「……え、今の、何語……て、え、え?」
ボクは彼女によりかかって、つよくだきしめながら、ここちよくいしきがとおくなっていくのを感じた。
更新遅くなってすみません。
次話は3日以内の更新目指します。




