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現実逃避してたら異世界に連行されたようです  作者: wine
第三章 異世界で闇を視ました
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挿入話 樹葉族の生贄

恐ろしく読みにくいかもしれません。

小学生低学年の語彙力を意識しました。漢字とかは試行錯誤段階ですが投下します。お見苦しいですがよろしくお付き合いくださいませ……

 ボクの名前はフウロです。


 じゅ葉(・・・)族という一族に生まれました。きおく(・・・)の中のじゅ葉(・・・)族の村は、森に囲まれて、平和にくらしていたと思います。色あざ(・・)やかな花と太よう(・・・)の光を反しゃ(・・・)してかがや(・・・)く木の葉が、今でもまぶた(・・・)()かんできます。


 ボクは5才の時、この里……というより、この石の部屋に入れられました。なんでも、この里の人たちに村を守ってもらうためには仕方がないことなのだそうです。村の中にはボクよりも大きなのう力者(・・・・)がまだ2人いました。でも、ボクの方がゆうしゅう(・・・・・)だから、えら(・・)ばれたのです。


 ボクは村の人たちに信らい(・・・)されてえら(・・)ばれたのです。名よ(・・)なことなのだと言って父と母は、なぜか泣いていました。


 そして、村の長ろう(・・・)からボクはむか(・・)えがくるまで、この里で過ごすように、絶対に自分で死ぬなんてことはしないように、と約束させられました。


 しかし、ここでの()らしは、ボクのそうぞう(・・・・)していたよりも、ずっと辛く苦しいものでした。


 まず、言葉が分かりません。

 村でボクがつかっていた言葉はしんせい(・・・・)語というものです。ここの人たちが何を言っているのか分からなくて、のんきに首をかしげているとうで(・・)こお(・・)らされたり、なぐ(・・)られたりします。


 どうにかしてやっと分かったボクの仕事は、ケガをした人をナオスことみたいです。でも、ここではナオシてもナオシても、村のみんなみたいにボクの頭をなでてくれません。ほめてもくれません。おれい(・・・)も言われません。


 ごはんも少なくて、いつもおなか(・・・)がすいています。


 泣きました。村にかえ(・・)りたくなりました。でも約束したので、かえ(・・)れません。

 あまりに辛くて、ボクは何度も死にたくなりました。でも、約束したので死ねません。

 村の人たちは、ボクが仕事をちゃんとすると信じてくれているのです。ボクはそれをうらぎ(・・・)っちゃいけないんです。


 ちょっと大きくなって、真っ暗な生活にも()れて、この里の人たちの言葉がちょっと分かるようになってきた。でもボクが話しかけても返事してくれない。この里の人たちも話しかけることはいつも同じです。


「ナオセ」

「コロセ」

「オマエノチヲヨコセ」

「――ナイナラ、オマエトムラヲケス」

「ハヤクシロ」


 ヒトデナシとオマエは、ボクの()び名らしい。他の言葉は何となく使われてるうちに何が言いたいのか分かるようになったのです。


 でも、そんな苦しい毎日をすごしていたある時、ボクにトモダチが出来ました。なぜかしんせい(・・・・)語がつうじたのです。だからすぐに仲良くなりました。


 その子は5才になったのに、まだけんげん(・・・・)出来ていませんでした。ボクが心ぱい(・・・)してあげると、


『フツーは今のフウロくらいの年で顕現できる様になるの。俺はまだ出来なくてもいいの』


 と言ってつよ(・・)がっていました。ボクの村では5才で出来るようになるはずなので、ふしぎ(・・・)でした。でもそれはささいなことなのです。その子は、とても良くわら(・・)う明るい子でした。仕事はかわらないし、なぐ(・・)られるのもいた(・・)いし、辛いことにかわりませんが、その子が来てくれると少し平気になりました。


 そしてけんげん(・・・・)の仕方をおし(・・)えてあげました。その子から聞いたこの里の方法だと、たしかにボクくらいの年ごろじゃないと分からない気がしました。


 ボクがおし(・・)えるとその子は目をキラキラさせて「ありがとう」と言いました。キラキラした目があんまりまぶしくて、ボクは思わず目を細めてしまった。


 それから長い時間がたって、その子は目を手でおお(・・)って泣きながらボクの前に来ました。


「フウロのせいで、母上が殺された。お前のせいで……」

『どうして?ボク、女の人はまだコロシてないよ』

「うるさい!お前が、殺したんだよ!お前」


 泣きじゃくって、それでもさけ(・・)ぶような声を発しながら目をおさえるその子の言葉に、ボクはこんらん(・・・・)しました。だって、言ってる言葉は分かるのに、いみ(・・)が分からなかったからです。


 その子と話していたおかげで、ボクはこの里の言葉を正かく(・・・)に聞きとれるようになったのに、それでもわからないことがあるなんてビックリしました。

 

「顕現を教えてくれたお返しに、良いこと教えてやるよ」


 そういって彼は涙にぬれた手を下ろして、赤い目をボクに向けます。


 あれ、この里に火の一族いたのかな……。


 そんなぎもん(・・・)を感じましたが、次の言葉はボクをもっとこんらん(・・・・)させました。


「里の大人が油断してる時に聞いたんだ。村の奴らはお前を差し出してヌクヌクとくらしてんだとさ。お前は村からここに売られた生贄だよ!」


 その子の言葉は、ボクが一番かんが(・・・)えないようにしてきたものでした。


 村の同じ年の子はしんせい(・・・・)語以外の言葉も話せていたのに、ボクはどうしてもおし(・・)えてもらえなかった。


 村のみんなが別れぎわに口をそろえて言った『お前は優秀だから、信じてるよ』という言葉が耳によみがえ(・・・・)ります。


 さい初(・・・)のころはこんな辛くて苦しい仕事は、たしかにゆうしゅう(・・・・・)な子じゃないとできないと、なっとく(・・・・)してました。


 そしてゆうしゅう(・・・・・)な子は他にもいるから、ボクだけじゃなくて、じつ(・・)は別の部屋にも村の人がつれてこられているんじゃないかとか、何となく、かんが(・・・)えたことがありました。


 そんな時、ボクの()の心が()くなります。でも、ボクは、村の人に信らい(・・・)されているからボクも信らい(・・・)しなくちゃいけない、うたが(・・・)ったらいけないって、かんがえるのを止めていたのです。


 それなのに、その子の言葉でボクの中の何かがくず(・・)れました。


 ボクがぼうぜん(・・・・)としている間に、その子はいなくなっていました。


 それからボクは、何度もボウソウしてしまいました。


 いしき(・・・)があっても力のつかい方が分からなくなりました。ナオス人をコロス事もありました。たくさんの人がボクの前で、ボクの手で死にました。


 あれからもう、どのくらいの時間がたったのでしょうか?さい初(・・・)カゼを引いたと思って治そうとひっ死(・・・)だったけど声がかわったみたいです。


 目かく(・・)しをしていると、村の光けい(・・・)しか目に()かばないことが分かりました。おかげでボクは村人のあの笑顔と「信じてる」の言葉を思い出して、落ち着くことが出来ました。


 さいきん(・・・・)は、ボク自身がよわ(・・)っていると、力をかけすぎてナオス人をコロスことが少なくなると分かりました。それでも5回に1回は死んでしまいます。そのけいこう(・・・・)が分かったせいで、唯でさえ少ないのにボクのごはんは、それまでの半分以下にされて、さらに今まで以上にこうげき(・・・・)されるようになりました。


 ボクはまた、いつもと同じようにボコボコにされました。今日がいつもとちが(・・)ったのは、つめたいこうげき(・・・・)ではなくて、火をつけられたようなあつ(・・)こうげき(・・・・)でした。


 そして、その人はチヲノムしてない人をナオセと言ってきました。ボクはいた(・・)い目にあいたくなかったからていこう(・・・・)したけど、やっぱりむりやり取られました。


 カヨって人は、ボクからチを受け取ってノムと、何故かボウソウしだした。


 ばくはつ(・・・・)したような音を立てて、石をくだ(・・)いて生えてきた植物が、ボクやその場にいた他の人にからみつきます。


 どんなにボクがボウソウしても、キズ一つ入らなかった石の部屋をその人はこわ(・・)したのです。ボクは、久しぶりに生きた植物にふれた感動で思わず笑ってしまいました。


 が、火でこうげき(・・・・)してきた人――カホという人は、ひっ死(・・・)でカヨに呼びかけています。


「しっかりしろ!カヨ!」

「カヨ様!」


 そして、もう1人もカホにまけないくらい大きな声で呼びかけています。


 じょうきょうはあく(・・・・・・・・・)のためにも、ボクはとりあえず目かく(・・)しを外しました。


 まず、明るすぎて目がくらみました。


 どうしてこんなに明るいのか……考えながら声の発された方を向きました。でもその光けい(・・・)を目にして、思こう(・・・)が止まりました。


 ボウソウしているカヨは、なぜかじゅ葉(・・・)族の目の色、みどり(・・・)色をしていたのです。


 ああ、ボクは「生贄」じゃなかったんだ。


 だって、じゅ葉(・・・)族の人はボクのいた村にしかいないと聞きました。この人がじゅ葉(・・・)族なら、みんなも来ているってことです。信じていて良かったのです。ボク一人が苦しんだわけじゃなかったんです。


 ボクは、ボウソウしているじゅ葉(・・・)族のカヨにかけよ(・・・)った。(正かく(・・・)には、かけよ(・・・)ろうとしました)


「おい!何する気だ?!とまれ!」


 火がボクの目の前をかすめていきます。

 ボクは立ち止まってそれをかわしました。


「村……の、人!じゅ、は……族!」


 こうふん(・・・・)しすぎててボクのした(・・)は、口の中でころがってぶつかりまくります。


「カヨは違う!お前は俺が良いって言うまでカヨに近づくな!」


 そう言うと、ボクをおさえてカホはカヨの出した植物を()やし始めました。


「あ……」


 ボクは()えていく植物を見て、きぼう(・・・)の光が()されていくような気分になりました。


「あー!いや!いや!コロス、いや!」


 ボクはカホにしがみつきます。どうか伝わってほしいです。この人をころ(・・)さないでほしい。


「当たり前だ!お前は人の話聞いてなかったのか?お前にアイツの怪我を治して欲しいって言っただろ!殺すわけないだろ、アイツは俺が守る」


 そうだったでしょうか?思い返せばたしかにそんな感じのことを言っていたかもしれません。それにもっと言えば、カヨはチヲノム前、ボクののう力(・・・)きょぜつ(・・・・)されていました。


 でも目の前にいる、目の色がいっしょ(・・・・)じゅ葉(・・・)族のカヨはとても苦しそうに顔をゆがめているのです。いやなよかん(・・・)がします。


 植物は、すみ(・・)になっても後からどんどん生えてきます。とてもつよい力です。それでもカホは天井にのびる前に()やしてしまいます。


 ここに来て、やっとボクはカホがじゅ葉(・・・)族の天てき(・・・)火の一族だと気がつきました。


 あぁ、この里にはなぜか火の一族がいるんですね。ボクのさい初(・・・)さい後(・・・)のトモダチが頭の中をよぎりました。


「目を覚ませ!カヨ!」


 カホのちからづよ(・・・・・)いさけび声に反応するかのように、植物の動きが止まりました。


「カヨ……」


 カホがホッとしたのか、ボクをおさえる力を()きました。ボクのいやなよかん(・・・)つよ(・・)くなるばかりです。いそ(・・)いでカヨの所に走ります。


「おい!待て!」


ゲボッゴボッ


 ボクの目の前で、カヨはチをはきました。


「なっ」


 カホの声がすぐ後ろで聞こえますが、つかみ止められることはありませんでした。


 ボクはカヨの所に辿り着くと、手を握ります。さっき()れた時は、きょぜつ(・・・・)されたから分かりませんでしたが、カヨの肌に()れたしゅん間(・・・・)、あまりのキズのふか(・・)さにおどろ(・・・)きました。下手に手とか足が切れてないから見た目は、ひど(・・)くありませんが、今、立てているのがふしぎ(・・・)なくらいです。とてつもないいたみ(・・・)なはずです。そして、いそ(・・)いで治さないとあと数秒で死んでしまいます。


 ボクは、その場にある全部の音がきえるくらい集中しました。


 でも、なさ(・・)けないことにボクはかなりよわ(・・)っています。今ある力を全部使い切っても、治りきるか分かりません。それでも、この人の身体を治したいと、心のそこ(・・)から思いました。

 力をそそいでもそそいでも、一向にキズが治ってくれません。このままではダメです。でも、()の心をつよ(・・)くしすぎると信じる気持ちがよわ(・・)くて、まちがえたら今度はボクがボウソウしてしまいます。治せないどころか、自分の手で村の人をコロス事になってしまう。そんなの、ぜったい(・・・・)にいやです。


 それにしても、ボク以外の村の人にもこんな仕打ちをしているなんて……。


 なんでボクは自分と同じ、いや、それ以上の苦しみを味わう人を求めていたんだろうか。


 こんなの、今までで一番苦しくて辛いじゃないですか。


 ああ、何をうたが(・・・)っていたんだろう。

 生贄なんてどうでもいいです。


 ボク以外の村の人が、こんな風にいた(・・)めつけられるのならボクは、ボク一人ここにいるだけで村の人が安全なら、それで良いって何で思えなかったんだろう。


 だってボクはのう力者(・・・・)なのに、どんなにいた(・・)くてもすぐに治るのに。この人は自分で治せないのに。


 こうやって村の人が苦しんでいるのを知って初めてそう思うなんて、ボクはなんてバカなんだろう。


「あ……えっと」


 ボクが泣きながら、あやまっていると、すぐそばで声がかかりました。えんりょ(・・・・)がちな女の子の声です。


 気づかないうちに、キズはかる(・・)いものへと治っていました。


 ボクは思わず、カヨを抱きしめてしまいました。見ず知らずの、ボクのきおく(・・・)の村の人たちにはいない人ですが、そうせずにはいられませんでした。


「よかった……」


 安心しました。ボクの力は彼女の命をすく(・・)うのに足りたようです。


「あの、ありがとう」


 この里に来て、2回目のおれい(・・)の言葉は、村のあのけ色(・・)のようにキラキラとかがや(・・・)いてボクの心をほぐ(・・)してくれました。


『ボクがもっとちゃんと村の人を信じてたら、もっと早く治せてたんだよ。ごめんなさい。次目がさめたら、君を村に返すように言ってあげるからね』

「……え、今の、何語……て、え、え?」


 ボクは彼女によりかかって、つよ(・・)()きしめながら、ここちよくいしき(・・・)とお(・・)くなっていくのを感じた。

更新遅くなってすみません。

次話は3日以内の更新目指します。

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