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紅の夕月  作者: 秋原 悠
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プロローグ

この作品は短編『君が居た時…』の続編として書きますが、話のスケールが大幅に変わります。この作品を読むにあたって今回の話で荒く説明はしますが『君が居た時…』を先に読むことを推奨します。恋愛よりはサスペンス方面かもしれない話です。

「美枝ー!!」

横断歩道の中間に一人取り残された少女に必死で呼び掛ける。

だが彼女は何も聞こえていない風に力なく、ヘタリこんだままだ。

目の前にはトラックが迫っている。

轢かれる。咄嗟にそう思い、全力で彼女が居る場所まで駆ける。

「美枝!!」

「…啓…、ちゃ…」

恐怖のあまり声もうまくでない彼女を抱き抱え、急いでその場から離れようとする。

しかし…。ドンッ、という音が体を包み込んだ。普段は聞き慣れない肉が潰れて骨を砕く音も同時に彼女を抱き抱えた僕の腕から聞こえる。間に合わなかった…。それ以外を考える間もなく、僕と美枝はトラックにぶつかった衝撃で激しく吹き飛ばされた。その後、病院で意識を回復した僕は何も考えられなかった。誰もが僕を慰めてくれた。口々にお前の責任じゃない、と言っていた…。彼女が、美枝が居なかった…。もう、僕の前には現われないのだ…。美枝は、あの交通事故で死んでいた…。

目の前が真っ暗になった。

自分の中で頬笑む美枝の顔が消え失せた。

それから一年後。

僕は美枝が残してくれた手紙を一度も読まないまま、町で交通事故に遭い死んだ。

今思えば、あの出来事が全てを変え、因果を作り出し、僕と美枝の運命を決めていた。その時も、そして、これからも…。

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