今と過去
4話目です。なんとなくややこしいかもしれませんがお願いします!
『あれは、お前のお母さんと離婚してからしばらくのころ・・・』
私の父親はポツリ、ポツリと語り始めた・・・
8,9年前
私の両親は私が幼稚園生のころに別れてしまった、そのころの私は無邪気でまだ悲しみも苦しみもつらさも何もわかっていなかった時期だと思う
そんな中にかすかにだけどはっきりと残っている記憶がある、それは運動会や公園での記憶誕生日などという楽しいものではない、また悲しいものでもない、この記憶は暗いものだった
暗いオレンジの光に包まれて両親が険しい顔で座っていた・・・
私は先に眠っていたらしく、布団の中にいたが、母親が別の場所にいたせいで眠れず両親がいる部屋を障子の隙間からアンパンマンの絵本を持ってみていた
両親は言い争いをしていた、普段の穏やかで楽しい、両親にしたらものすごい変化で私も驚いた
小さな私でもさすがに入ってはいけないと思ったらしく障子の隙間から盗み聞きをしていた
『そん・・・こ・・・ど・・・』
『なにが・・・どう・・・い・・・そ・・・は』
途切れ途切れにしか聞こえなかったし、今は言い争いの内容などは覚えていない・・・でも一つの言葉が私の中で今もしっかりと残っている
『寿美代が可愛そうだろ!!』
それが私の何かを変えた一言であったといっても嘘ではないかもしれない
今
私は静かに父の話に耳を傾けていた・・・
離婚してから一人で住んでいたこと、あのときのことは後悔してること、・・・色々話してくれた
父は話しているときも絶対に私の目は見なかった
私は知らなかったことがわかっていくことと、そんなことがあったということでやはり混乱していた
父はしばらく話すと、一瞬静かになり、私のほうに向いてこういった
「これが・・・コレまでのことだよ」
父は深刻に静かにそういった
「そっか・・・」
やっと出た言葉がそれだった
「ああ・・・」
父も私が混乱しているのがわかったらしくしばらく黙っていてくれた
でも何か言いたそうな顔もしていた
「・・・なにかまだあるの?」
私は切り出してみた
「・・・ああ・・・混乱していると思うが聴いてくれるかい?」
「うん」
今回もまたつばを飲み込んだ、もちろん聞こえるくらいの音で
「・・・お父さんがここに来た理由はな」
一番知りたかったことが聞けるとなるとまた緊張してしまった、父は低い声でいった
『・・・お父さん、マフィアのボスなんだ』
「は?」
あまりにもわからないことだったのでとっさに出てしまった
「わからないと思うが、わかってくれ」
申し訳なさそうに言っているが、わかるはずなどない
「・・・えっと?」
「いや・・・その・・・」
困っているのもわかるが、私も困っている
「・・・マフィアの・・・?」
「ボス」
「なるほどー・・・」
われながら怖い笑顔で固まっていることに気づいた
「わからないと思うが続きがあるんだ、聞いてくれ」
「う・・・うん」
まだあるのか・・・っと一瞬あきれてしまった
「お父さん、ボスだったのはいいんだけど色々あってな・・・マフィアから命を狙われることになったんだ」
(なるほど、そうですか)ットいう人がいるはずがない余計混乱してしまった
「・・・わからないと思うが」
(そのとおりわからないです)っと心で叫んでしまった。 そのときだった
「お願いだ・・・お父さんを学校においてくれないか?・・・いや、おいてください」
父は・・・屋上のアスファルトの上で、深々と土下座をした
「!・・・な、なにやってるのさ?!ちょっと!」
こんな父を見たことがないし、見たくもない!
「お願いだ!」
何も納得していなかったがこんな父を見るのもいやだったのもあるので
「・・・わかったよ、だから土下座なんかしないでよ」
「本当か?!ありがとうな!寿美代!」
本当に喜んでいた、父親が土下座してから親にほしいものを買ってもらった子供のように喜ぶ姿を見たことがあるだろうか?・・・みんな ない っと答えると思う
「じゃあ、このことは絶対秘密だからね?」
「ああ!」
二人とも笑顔になって何かが吹っ切れた感じがした
いつの間にか暖かい風が吹いていた
そしてついに、緊張が全部解け
「あははっははは!」
「ぷ・・・あっはっは!」
二人は屋上でそりゃ見事なほど大笑いをした
それからしばらくたわいもない雑談や思い出話に花を咲かせていた
こんなときが続けば・・・そんな願いも少しあった、でもそれはすぐ壊れてしまった
なぜ?
それは・・・
ここは学校でしかも入学式が終わったばかりで、ここにいるのが新入生と新しい先生だからである
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り、二人があわてて下に下りて言ったのはもうお分かりでしょう
「もうこんな時間なのか?!」
「やばい、先生にしかられr・・・隣にいた!」
二人がこのあと先生に怒られたのは目に見えていた
こんなことで赤坂親子の波乱万丈な日常が始まっていくのでした・・・
長ったらしくなってすいません・・・また温かい目で見ていただけると嬉しいです