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振り向いた彼と、目があった。
とっても綺麗な、空の青――――――。
見た目は20代後半ぐらいだろうか、
顔は誰が見ても綺麗というぐらい整っている。
きょとんとしていてもその表情はどこか柔らかく、優しい雰囲気を醸し出している。
体はすらっとしていて細い感じ。男臭さは感じさせず綺麗な印象を持たせる。
仕事帰りなのだろうか、ワイシャツにネクタイという姿だ。
で、ここで問題。
実は私、生まれてこのかた外国人さんと相性が悪いみたいです。
一年の時外国語担当だったレイ先生。43歳、男性。
にっこり笑顔が素敵な方。だった。でもスパルタだった。
特に勉強のできない私はそのスパルタの標的になったようだった。
毎日補習させられて放課後は毎日英語。私の英語嫌いに拍車がかかったのは言うまでもない。
二年生の時外国語担当だった吉井先生。吉井ミシェル先生。32歳、女性。
日本人男性と結婚してこっちにやってきたらしいダイナマイトボディーな美しいお姉さん。(おばさんというと悪魔が降臨する)
が、しかし、その正体はできの悪い生徒をいたぶるドS教師。
標的にされたのは言うまでもない。でも私の外国語の平均点は上がらなかった。なんでだ。
(ちなみに、授業中寝てるお前が悪いんだろうとかいう突っ込み話の方向で。)
もう二人とも英語でしか喋らないもんだから、英語を聞くと軽く叫んじゃうというかなんというか…。
というわけで私、軽く外人恐怖症です。
さささ、と岩陰に隠れて様子をうかがう。
相手は、そんな私にキョトンとしたままで動かない。
そんな状況が何分続いただろうか。見つめあってるって言い方は良いけど全然雰囲気も無いしむしろ緊張感に満ちたものだ。
そんな状況が嫌になって私は恐る恐る岩陰から出てきて外国人さんに声を掛けた。
「あ、あの、…、外国人さん、ですよ、ね……?」
外国人さんはキョトンとした表情から、………………にっこりと笑みを浮かべて口を開いた。
「I am an Englishman. 又は、British!」
………………………、ああ、完璧に死亡フラグが立ちました。