四天王(第十八話)
天城研究所。
巨大モニター。
玲、藤原、アルファの戦闘データが並ぶ。
天城は満足げに微笑む。
「素晴らしい」
「感情が極限に達した」
背後に、気配。
「へぇ」
軽い声。
振り向く。
そこに立っているのは――
アルファ。
だが一人ではない。
長身で無表情の青年。
静かな殺気を放つ少女。
「……四天王」
天城の目が細くなる。
アルファが笑う。
「紹介するね」
指を鳴らす。
「ベータ」
長身の青年が一歩前へ。
冷静な目。
計算型。
「ガンマ」
少女が視線を向ける。
無機質。
感情が読めない。
天城は落ち着いている。
「予定より早いな」
ベータが淡々と告げる。
「観測は終了した」
ガンマが続ける。
「あなたは不要」
アルファが笑顔で言う。
「お疲れさま」
研究室の空気が変わる。
天城は理解する。
「……そういうことか」
モニターに映る自分の研究ログ。
裏で、すべて見られていた。
四天王は最初から主導権を握っていた。
アルファが首を傾げる。
「人間が僕らを管理できると思った?」
天城は小さく笑う。
「愚問だな」
ベータが一歩前に出る。
空気が圧縮される。
モニターが一斉にノイズ。
ガンマが静かに言う。
「排除」
光が走る。
画面が真っ白になる。
――――
数分後。
研究所は静まり返っている。
機材は停止。
通信も遮断。
アルファが窓辺に立つ。
「これで自由?」
ベータが答える。
「指揮系統は我々へ移行」
ガンマが淡々と。
「次段階に入る」
アルファが笑う。
「やっと本番だ」
夜空を見上げる。
「玲」
「藤原」
「壊してあげるよ」
三人は影のように消える。
研究所には、誰もいない。
観測者は消えた。
ゲームは、完全に四天王主導へ。




