戦闘狂(第十七話)
空が歪む。
巨大ジドバ反応――ではない。
圧が違う。
鋭い。
一点集中の殺気。
屋上に、少年が立っている。
制服姿。
まだあどけない顔。
だが目が笑っていない。
「へぇ〜」
軽い声。
「揃ってるじゃん」
美月が息を呑む。
藤原が構える。
玲は静かに警戒。
少年はポケットに手を突っ込んだまま。
「四天王の一角」
自分で言う。
「コードネーム・アルファ」
にこっと笑う。
「最初だからアルファ。分かりやすいでしょ?」
こういちが震える。
「子供……?」
少年が睨む。
「子供じゃない」
空気が変わる。
殺気が一気に濃くなる。
「戦闘狂って言ってよ」
装置を取り出す。
黒と金のコア。
「変身」
瞬間。
衝撃波。
装甲は白銀。
鋭い刃のようなライン。
上級とは格が違う。
“原初型”。
アルファ。
玲の内部警告が鳴る。
四天王級戦闘力。危険度最大。
アルファが笑う。
「君が上級?」
指差す。
「面白そう」
次の瞬間、消える。
玲の腹部に衝撃。
吹き飛ぶ。
速すぎる。
藤原が突撃。
アルファは片手で受け止める。
「遅い」
蹴り。
藤原が壁に叩きつけられる。
黒いヒビが広がる。
「弱いね」
心底つまらなそう。
こういちが叫ぶ。
「ふざけんな!」
アルファが視線を向ける。
「人間?」
一瞬で距離を詰める。
首元を掴む。
「壊していい?」
玲が跳ぶ。
間に割って入る。
刃と刃がぶつかる。
火花。
アルファの目が輝く。
「いいねぇ!」
連撃。
玲が押される。
新形態でも互角未満。
「上級なのに迷いがある」
アルファが笑う。
「だから弱い」
藤原が立ち上がる。
「俺もいる」
デモンズストレート。
二対一。
だが。
アルファは楽しそう。
「やっとゲームっぽい!」
三人の激突。
屋上が崩れる。
美月が叫ぶ。
天城の声が通信。
「観測完了」
冷たい。
アルファが一瞬止まる。
「もういいの?」
通信。
「今日は挨拶だ」
アルファが舌打ち。
「えー、つまんない」
玲の腹に最後の一撃。
吹き飛ぶ。
藤原を蹴り飛ばす。
「次は本気で殺す」
変身解除。
少年の姿。
笑顔。
「またね」
跳躍。
消える。
静寂。
玲は膝をつく。
藤原も荒い呼吸。
美月が駆け寄る。
「今の……」
玲が低く言う。
「四天王」
藤原が歯を食いしばる。
「格が違う」
遠くで雷鳴。
戦いは次の段階へ。




