表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
プサイ ―人間証明戦記―  作者: mr.iwasi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/25

下等生物(第十四話)

夜。


人気のない高架下。


こういちは一人で歩いている。


コンビニ帰り。


袋をぶら下げながら、ため息。


「……玲のやつ、無理すんなよ」


小さく呟く。


その時。


「無理をさせているのは、君だ」


低い声。


振り向く。


藤原光。


街灯の下。


静かに立っている。


「……なんだよ」


こういちは警戒する。


藤原はゆっくり近づく。


表情は穏やか。


だが目が笑っていない。


「君は頭が悪いね」


唐突。


こういちの眉が動く。


「は?」


「人間なんてすぐに争う」


淡々と。


「歴史を見れば分かるだろう?」


一歩。


「平和なんて実現できない綺麗事だ」


冷たい論理。


こういちは睨む。


「それでも――」


拳を握る。


「それでも、僕は人間を信じてる!」


声が響く。


迷いのない叫び。


藤原は一瞬、黙る。


そして。


笑う。


優等生の仮面が、少しだけ外れる。


「理想論だ」


低く。


「下等生物が」


目が冷える。


「そんなの、死んじまえ」


空気が凍る。


こういちの背筋に寒気。


「……今なんて言った?」


藤原は装置を取り出す。


「変身」


光。


デモンズストレート。


黒いヒビは胸まで広がっている。


「君は邪魔なんだ」


歩み寄る。


「玲の判断を鈍らせる」


こういちは後退する。


「俺はただ――」


「黙れ」


一瞬で距離を詰める。


壁に叩きつけられる。


呼吸が止まる。


「人間を信じる?」


耳元で囁く。


「人間は裏切る」


美月のこと。


玲のこと。


「だから管理が必要だ」


拳が上がる。


その瞬間。


「やめろ!」


赤い影。


玲。


上級ジドバへ変身。


衝撃波。


藤原を弾く。


「こういちから離れろ」


低い声。


怒りではない。


覚悟。


藤原が立ち上がる。


「ほら見ろ」


歪んだ笑み。


「怪物が人間を庇う」


「違う」


玲が言う。


「俺が守る」


「笑わせるな!」


藤原が突進。


激突。


今までで最も荒い戦い。


玲は攻撃を受け流しながら言う。


「こういちは弱い」


「認めるのか!」


「でも、弱いからこそ信じられる」


藤原の動きが一瞬止まる。


「力で押さえつけない」


「綺麗事だ!」


「それでも」


玲が押し返す。


「俺はそっちを選ぶ」


その言葉。


藤原の装甲の黒が一気に広がる。


暴走寸前。


「なら」


低い声。


「まとめて排除する」


エネルギーが暴発。


こういちが叫ぶ。


「やめろ! 光!」


名前。


一瞬だけ藤原の瞳が揺れる。


だが。


暴走波動が放たれる――


その直前。


遠くから声。


「光、やめて!」


美月。


時間が止まる。


藤原の拳が止まる。


荒い呼吸。


装甲が軋む。


黒いヒビが首元まで。


玲は構えたまま。


こういちは震えながら立つ。


三人の間に、完全な亀裂。


藤原はゆっくり変身解除。


「次は止めない」


冷たく言う。


去っていく。


残された三人。


こういちが笑う。


震えながら。


「な? あいつのほうが危ねぇだろ」


美月は言葉を失う。


玲は静かに拳を握る。


もう戻れない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ