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洋平

朝起きて顔を洗い、飯を食べ、歯を磨き、着替えながら今朝のニュースを見て、寂れたアパートを出る。


いつも通りの時間、いつものコンビニで昼飯を買い、いつもの電車に乗り、出勤する。


職場ではいつも怠そうな人と見た目で判断される。

髪はボサボサ、くたびれているシャツ、輝きをなくした革靴。


人は見た目は9割とはよく言ったものだ。

教員になって早十年、最初は情熱とやりがいを感じながら一生懸命働いてきた。


今は違う。

どれだけ残っても出ない残業代、保護者や生徒への対応、部活の顧問で無くなる休日。


今思うととても馬鹿馬鹿しく、親父が言っていた「お前は社会を知らない」の本当の意味に気づいた。


そのような事を考えながら授業を行い、家に帰る。


我ながら彩りのない1日だ。


女とも無縁だ。

学校は共学だが女が寄ることもないラグビー部の顧問だし、おっさんだからといってよく避けられている。

昔は幼馴染とか言ってよく遊んでいた女子がいた。

しかし今は疎遠中の疎遠14年も会っていない。

「去る者は日々に疎し」まさにこれだ。

実家に帰っても彼女はできたのかやら、仕事はどうなのやらの精神攻撃をしてくる。


でもその彩りない1日が目まぐるしく変わる出来事があった。


―――――――――――――――――――――――――


   〜平成21年度卒業生同窓会のお知らせ〜


こんな物がポストに入っていた

高校の同窓会の知らせ、教員になってからは一度も行っていない。

何より仕事が忙しくそんなものを気にしてる余裕が無かった。

今回も無理だろうと思い予定を確認したところ珍しく仕事も部活も入っていなかった。

予定は未定だと思い、一応参加する旨を伝え準備を整え仕事が入ればドタキャンすれば良いと思い予定日まで過ごした。


当日、仕事は入らず予定通りに同窓会に参加した。

ここ数年でこんなにも予定通りにいくのは珍しく運が良いと思った。

受付をしたが全然相手が誰か分からなかった。

一応同じクラスの奴だったらしいが名前も顔もあまり覚えていない。というのもクラスメイト全員覚えていなかった。

会場に入った時、何人か声を掛けてくれて色々と喋っていたが適当に話すだけですぐに会話は終わり、隅っこで一人で飲み物を飲んでいる悲しきモンスターになった。


高校生のときは寡黙であまり言葉を交わさなかったと今思い出した。


今こそ教員の仕事でよく喋るが昔と比べると成長したなと思う。


そのような事を考えながら同窓会も終わり

あるものは二次会に行き、あるものは家族が待っていると言い帰途についた。

無論私も特に思い残すことはないのでさっさと帰ろうとした。その時声を掛けられた。


「久しぶり洋平元気してた?」


はて誰だろうと思い振り向くとそこには14年も会っていない幼馴染の女子結花が立っていた。


「今回は参加するって幹事から聞いて私も参加したの」

「ほら、あなた高校は同じでも3年間同じクラスになったことなかったから、久しぶりに挨拶でもと思って」


14年会っていないと言ったがそれは一方的なもので顔を合わせ少し挨拶を交わすだけだった。何より結花は優秀で自分とつるむような人ではなく高校でもこれと言って思い出はない。なぜ話しかけてきたのだろうと思考を回していた。


「…平…洋平聞いてる?」


「あぁ…すまん聞いてなかった」


「びっくりした…洋平てそんなに口数多かったっけ?」


「職業柄よく話すから…」


「高校生の時とか話しても…ん…しか言わなかったのに…大人になったわね」


とりあえず簡単な会話をして帰ろうとした、そしたら


「もう帰るの?仕方ない…」

「ほら、これ連絡先。絶対登録してね」


「え、なんで?」


「そんなことはいいから絶対登録してね今日は帰っちゃうんでしょ」


「はぁ」


そして自分は帰途についた

帰る途中なぜ連絡先を渡してきたのかを考えながら明日は仕事かと思い出し1日が終わった。

更新は不定期です

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