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異世界でも動画配信者  作者: ワクルス
レッツゴー異世界
4/13

冒険者になってみた1

俺達は冒険者になるための特訓として朝早く起き近場の公園のような広場に着く。

朝早くの空気は澄んでいて爽やかな空気感が心地よい。


公園では子連れの親子が朝の体操で来てたりする。


「ほら、息はいて」

「ひっひっふー」


微笑ましい親子の会話だ。


「とりあえず、死んだふりね」


俺は地面に倒れじーっとする。


これ、一応冒険者試験にあるらしい。

周りの冒険者志望もやってる。


これになんの意味があるんだ。


俺は不満に思いながらも死んだふりをする。

すると、イスタがさやに納めた剣を地面に突き立てる。


「舐めとんかワレェ! そんな嘘死(うそじ)に通用するかぁ!」

「ひぃぃぃ」

「心臓の鼓動をなくせぇ!」

「それ死ぬから!」


イスタ、めちゃくちゃスパルタだった。


流石に2度目の死は経験したくない。


とりあえず、鼓動を抑えればいいんだな。

平常心平常心。

頭を空っぽにするんだ。


スルスルスル


イスタはさやから剣を抜く。


俺が頭を空っぽにしてるとイスタが俺の頭に向かって剣を振ろうとする。

イスタから放たれる殺気はまるで夏休み最終日の夜に『雑巾2枚ちょうだい』と伝えられたお母さんみたいだ。


え? マジ? 待って待って。


俺が慌ててるとイスタは剣を勢いよく地面振る。


視野が暗くなり世界が止まったかのように静かになる。


……あ――





「お母さん、俺、動画投稿者になりたい!」


「おばあちゃんお年玉ありがとう。俺、貯金するね」


「ごめん、俺撮影機材に費やしてお金なくてさ。今日遊びにいけねぇや」


「今度コラボしようぜ」


「はぁ、コメントでクソって言われた。死にたい。せめて、布団にくるまりたい」





――ドオン!


イスタは俺の真横に剣を振り下ろす。


「ンギャァァァァァ!」


あまりの怖さに絶叫する。


……あれ、生きてる?

良かった、本当によかった。

心臓もちゃんと動いてる。


「はい失格」


ていうか、厳しすぎる。

何すれば合格なんだよ。


イスタは屈んで俺の顔を見る。


「いい? ユウヤ。死んだふりの上手さは生存率に直結するんだよ? 何よりも死なない事が最優先。だから、試験内容にも入ってるんだよ」


それはなんとなく分かるけどさ。

死んだふりなんて使う場面なくないか?

死んだふりをしたらエサにされそうだし。

クマ相手に死んだフリして食い殺されるとか聞くぞ。


「死んだふりは死んだふり単体で使うことはないけど大事だよ」


それ、あんまり大切さ分からないやつじゃん。


「とりあえず、魔力の方を先しよっか。死んだふりはさっきのを何があっても動かないようにすれば大丈夫だから」


よく分からないが、それが試験内容に出ている以上やるしかない。

元いた世界の高校受験や大学受験みたいなものだ。


「魔力の流れをまずは捉えて」


魔力の流れか。

分かるわけなくないか?

魔法なんて元いた世界にはなかったんだぞ。


俺は適当にポーズを取り何かをつかもうとするが何もつかめない。


「……分かるか!」

「まぁ、こればっかりは感覚の話だからねぇ」


俺は色々なポーズを試す。


「ヨガのポーズ」

「体が柔らかくなりそうだね」

「指を上に向けて、天上天下唯我独尊のポーズ」

「自己中そうだね」

「の○太君のする謎のポーズ」

「そんなポーズ、取ろうと思わないと取らないね」

「WRYYYYYYY」

「太陽に弱そうだね」


ジョジョ立ちで無理なら無理か。

じゃあこれなら……


「はぁ!」


俺は力を1点に集中させ頭を金髪にする。

俺の力で生まれた風圧が天へと上り髪が逆立つ。


「スーパー投稿人だ」

「ユウヤに魔力いらなくない?」

「いや、これ見せかけだけだから」


修行生活してみたで獲得したんだよな。

その時の動画だけ再生回数2桁行ってて嬉しかった。


俺は元の状態に戻る。


「そういえば、個人魔法持ってるんだよね? それ使ってる時はどうなの?」

「個人魔法?」

「ほら、人魂みたいなの出したり人魂が見てる景色をうつしたりするやつ」


俺はイスタの助言をもとに人魂を出しその時の感覚に集中する。


「……全然分からん」

「あれー? それじゃあ、あれするかぁ」


イスタはそう言って巾着袋から銀貨を80枚程出し近くの俺と同じトレーニング中の人に話しかける。


「ねぇ、君。走りで競争しない? 君は銀貨1枚、私は銀貨80枚出して、勝った人が総取り。どう?」

「本当に1枚だけだぞ」

「よし来た」


イスタは話をつけると俺の所に戻ってくる。

そして、笑顔で俺に告げる。


「今のほとんど全財産だからめちゃくちゃ応援してね」

「おう!」


応援って子供っぽいなぁ。


「……はぁ!?」


全財産!?

イスタ、お前何考えてんだ。


ワラワラと観衆が集まってきてイスタ達を見る。

さっきまで物静かだった公園が人で溢れかえり熱気にあふれる。


イスタと勝負相手は位置につく。


「この広場を6周ぐらい。魔力ありね」

「分かった」


俺は2人の横に立ちスタートの合図を出すことに。

イスタの目に不安はなくただ真っ直ぐを見つめていた。

俺が手を上げると2人とも走る体勢に入る。


「位置について、よーいドン」


2人は一斉に走り出す。

勝負相手はゾッゾッゾッと土を抉るように走る。

イスタは静かに、だけど素早く走る。


今のところ優勢でイスタは1歩遅れているな。

やばい、応援しないと。


「イスタ、がんばれー! 勝てー!!」


俺が声を上げて応援すると体の中がポカポカと暖かくなる。

そして、そのポカポカがイスタに向かっていくような感覚になる。


なんだろう、この感覚。

体の中のものが一気に出ていくような……

ってそんなことより先に。


「がんばれー!」


俺が応援するとイスタの足はスタスタと素早く動き。

勝負相手をいとも容易く抜かす。


「遅いよ」

「それは聞いてないぞ」


競争相手はドンッと地面を思いっきり蹴って加速するが、イスタは体全体を使って走り競争相手と倍以上の差をつけてゴールする。

勝負相手は息を切らしながらイスタに近づいて銀貨を1枚投げる。


「応援ありとか聞いてないんだけど」

「言ってないからね。ちゃんと確認しないと、冒険者やってらんないよ」

「そうかよ。ていうか、その魔力」


勝負相手はイスタを(にら)みつける。


イスタはフッと笑って口を開く。


「物は使い方次第だよ。固定観念に囚われない」

「なんとでも言えるよな。犯罪者予備軍」


そう言って勝負相手はどこかへと行く。


犯罪者予備軍? イスタが? ありえないだろ。

何言ってんだ、こいつ。


イスタは俺のもとに来る。


「どう、ユウヤ? 何かつかめた?」

「え? あぁ、なんかポカポカってなって、それがイスタに向かってドワーって」

「うんうん。それが魔力だよ。体の中にあるポカポカをどうこうするのが魔力技術テストで測られるよ。基本的には体に流せたら大丈夫。いけるなら呪文の詠唱で魔法を使えば満点だね」


魔法か。使ってみたい。


「イスタは魔法使えないのか?」

「うん。放出するのが苦手だからね。私は剣と体に魔力を使うので精一杯かな」

「じゃあさっきの応援みたいなのは苦手?」

「応援で魔力送るのはいけるよ。あれは誰でも出来るんだ。理由は知らないけど」


なんだそれ。


まぁ、応援で魔力を味方に送れるのは結構大事だな。

戦いとかでも使えそうだ。


運動会の時にクラスの陽キャらが、皆に応援されるとなんか皆の力を受け取ってるような気がするんだ、とか抜かしてたしそういうものなんだろ。


魔力について解説してみた、とかな。

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