ゴブリンハザード止めてみた4
エンペラーを倒した後、ギルドへと換金手続きをしに行く。
それと、イスタがギルドマスターへお話があるようだ。
ギルド職員に話をつけ、ギルドマスターの所に案内される。
ギルドマスターは簡単に言えばコンビニの店長みたいなやつだ。
色んな町にギルドの支店みたいなのがあるからってのと、現場も見るし、上からの報告にも頭を下げる。疲れるけど、責任感だけは一級品なとこは本当にコンビニ店長だ。
昔働いてたコンビニ店長を思い出す。
あの時は客に向かってあくびしてごめんなさい
「失礼します」
俺達が部屋に入ると初老だけどまだまだ若々しさを感じる男が立っている。
見た目はかなりイカつい。
切り傷の跡とか普通にあるし。
「そこにかけてくれ」
ギルドマスターに言われた通り、俺達はフカフカなソファーに座る。
イスタは早速エンペラーについて話す。
ギルマスも最初は半信半疑といった様子だったが、エンペラーの死体を魔法袋から取り出して見せてみれば流石に信じざるをえなかったみたいだ。
「今回はゴブリンエンペラー並びにクイーンの討伐とゴブリンハザードの阻止に礼を言う」
ギルマスは頭を深々と下げる。
職員の方がエンペラーの死体を回収し、報酬を持ってくる。
金貨100枚。
ビット換算でいくと100万ビットだ。
日本円に換算しても物の価値が元の世界と違いすぎるので止めておく。
今日はステーキだな。
イスタは当然といった感じの顔。
ミュールは今日の晩御飯のことを考えてそうな顔でヨダレを垂らしながらお金を見る。
「これはゴブリンハザード阻止の礼だ。モンスターを換金したのはまた後に」
ギルマスはふぅーと息を吐くと改まった顔で俺達を見る。
「それで、ゴブリンエンペラーについてなんだが、ここは駆け出し冒険者の町と言われてるのは知ってるな?」
ミュールはうんうんと知ってるように頷く。
お前絶対知らないだろ。
「そんな中でこのゴブリンエンペラーの出現だ。これは偶然なのか、はたまた何者かが人為的にやったのか。君達の意見を聞かせてくれ」
誰かがワザとやるとかありえるか?
やったとしてメリットないだろ。
「それは分かりかねます。私達もその場に偶然いたに過ぎませんので」
「だよな。一応調査をする必要があるな」
ギルマスはため息をつきながら紙にメモを書く。
イスタが警戒してる魔王がもし本当に人族に何かしようとしてるという仮説が前提ならもしかして魔族が絡んでるとかか?
「前々からエンペラーいるかもとは言っていたんですけどね」
イスタが嫌味たらしく言う。
「いや、その件に関してはすまない。エンペラーがこの辺に出てくるなんてありえないと思っていたからな」
「私もCランクですからね。信じれないのは分かります」
やっぱ、冒険者とかでも実績出てないやつの言葉は聞かないみたいなのあるんだな。
「でも、ちゃんと客観的な証拠も結構出しましたよね」
イスタは呆れながらも強く言う。
なんか、今日のイスタ喧嘩腰だな。
まぁまぁ前からキングかエンペラーがうんたらこうたらとゴブリン倒す度に受付に言ってたしな。
無理はない。
「……はい、すいません。駆け出し冒険者の町とか、しょせん、Cランク程度の雑魚と見くびってました」
ギルマスは頭を下げ、拳を強く握りしめる。
ギルマスの落ち込んでる雰囲気が辺りをどんよりとさせる。
俺以外はあまり気にしてなさそうだな。
命に関わる事だし当然っちゃ当然なんだが、俺からすればただのクレーマーとやってる事が変わらない気がしてならない。
元の世界が平和すぎたんだろうな。
息苦しい。
聞いてる感じ本当にこの辺に現れるのは珍しいのだろう。
イスタはため息をつきながら冷たい目でギルマスを見る。
やばい、これ以上空気悪くなられたら困る。
「ギルマスなんだったらもうちょっと――」
俺はバンと机を叩き立ち上がる。
「イスタ、俺今日の晩御飯ハンバーグが食べたい」
「へ?」
イスタは突然の俺の言葉に戸惑いを隠せないでいる。
ミュールはハンバーグという言葉を聞いて腹をぐぅーと鳴らせる。
イスタの口撃を何とか止めれて良かった。
「君は急に何を言ってるんだ?」
ギルマスは俺を変な人を見る目で見る。
その目で見られ慣れてるとはいえ恥ずかしい。
俺は顔を赤くしながらも座る。
「とにかくだ、本当にありがとう。冒険者ランクの方を上げさせて貰うよ」
冒険者ランクか。
Z、S、A、B、C、D、Eの7段階で区分けされるやつか。
アルファベットといっても、この世界じゃエルフ語だから紛らわしい。
たしか、俺達のランクはイスタがCで俺とミュールがEだ。
多分、ミュールに関しては倒したモンスター食ってるからだろうな。
食ってなかったらもっと高い。
俺達は職員の人に冒険者証を提出する。
「なぁ、イスタ。ランクってどれくらいからがすごいんだ?」
「Bからかな。ランクはBで1人前、Aは実力者の証、Sは英雄クラス、Zは勇者クラスだからね。人によってはAからっていう人もいるけど」
「多分、そいつイキってるだけだな。高校生の時、似たようなやついたわ」
「高校?」
有名な大学に行けるだけですごいのにさらにそこから大学のランクで順位付けするようなやつだった。
そいつ、成績真ん中よりちょい上ぐらいだったな。
俺は下から数えた方が早かった。
勉強全然してなかったし。
職員の人が戻ってきて俺達に冒険者証を返す。
俺達は新しくなった冒険者証を見る。
イスタはB、俺とミュールはCだ。
「今回は本当にありがとう。これからもよき冒険者人生があらんことを」
ギルマスは手で十字を切って深く祈りを捧げる。
俺達はギルドマスターの部屋から出て、来た道を戻る。
「なぁ、イスタ。これって上がったら何が変わるんだ?」
俺はそう言って冒険者証をイスタに見せながら言う。
「受けれるクエストだね。まぁ、そこまで気にしなくていいよ。早くご飯にしよ、お腹空いた」
「分かる」
「腹ペコペコ過ぎて今日はいつもより食べれそう」
「分かる」
ミュールがそろそろ限界そうだ。
食堂部分に近づいてきて美味しそうな匂いが漂う。
すると、ミュールは何かを咀嚼するように顎をもみゅもみゅと動かし、ゴクンとつばを飲み込む。
そして、ミュールはピントのあってない目で匂いのする方へと歩く。
開いた口からはヨダレがダラダラと垂れ歩いた道には少しだけ水たまりができる。
何か、嫌な予感がする。
「2人とも! ミュール抑えんとやばいで」
「合点承知之助!」
「やっぱりなんだね!」
俺達はケンケンの言う通り、急いでミュールを抑えようとするがミュールは壁をぶち抜き最短距離で食堂へと向かった。
すごく、嫌な予感がする。
コツコツコツ。
何者が俺達に近づいてくる足音がしたと思うとギルマスが、開いた穴を見る。
「パーティーメンバーなんだったらもうちょっとメンバーの扱いをちゃんとしないとな」
ギルマスは口角を上げながらもイスタを少し見下した感じで言う。
「……はい」
結果、エンペラー達の素材の買い取りは全てパァーとなった。
「ミュール、明日から野良猫生活な」
「え?」
日曜に投稿したいのに予約投稿ないから忘れちゃう
ごめんね




