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第八話:優しさと戸惑い

「転生したら時間を持て余せるようになった件」




第8話:優しさと戸惑い


ギルドの朝は、いつもにぎやかだった。

朝日が窓から差し込み、食堂では冒険者たちが朝食をとっている。

パンやスープの香りが漂い、笑い声が飛び交っている。


「おはよう、修也!」


フィオナが笑顔で手を振る。

テーブルにはセレスティアとレオンがすでに座っていた。


「おはよう。」


俺が席につこうとすると――


「ここ、空いてる?」


フィオナがノアの隣に立っていた。


「……別に、好きにしろ。」


ノアは相変わらずクールな表情で、手元のスープをかき混ぜている。


「じゃあ、座るね!」


フィオナは嬉しそうにノアの隣に腰を下ろす。


「おいおい……ノアが女の子と並んでるなんて珍しいな。」


レオンが笑いながら言った。


「……黙れ。」


ノアは顔をそむける。


「照れてる?」


セレスティアが小さく笑う。


「……黙れ。」


「それ、照れてるってことね。」


「違う。」


(あれ? なんか空気が面白くなってきたぞ……)


◆ 訓練場での実戦訓練

「じゃあ、軽く訓練でもするか?」


レオンが立ち上がる。


「よし! やろう!」


フィオナが元気よく立ち上がる。


「ノア、君もやる?」


「……別にかまわない。」


訓練場に集まると、ノアは剣を取り出した。

黒い刃が鈍く光っている。


「"闇属性"の魔法を見せてやる。」


ノアが手を掲げる。


「――ダークスフィア!」


黒い球体が空中に浮かび――一瞬で標的に突き刺さった。


「すごーい!」


フィオナが感嘆の声を上げる。


「当然だ。」


「すごいな、ノア。」


「お前もやってみろ。」


「……行くぞ!」


俺は「時空操作」を発動しようとした――

だが、ノアの「ダークスフィア」が急に暴発した。


「危ない!!」


俺が飛び退くと――


「きゃっ!!」


フィオナが転んで膝を擦りむいた。


「……痛っ……」


「フィオナ!!」


ノアがすぐに駆け寄る。


「動くな。」


ノアは膝をつき、手をかざす。


「……ヒールダーク。」


黒い光がフィオナの傷に吸い込まれるようにして消える。


「すごい……痛くない……」


「治ったか?」


ノアが顔を近づける。


「う、うん……」


フィオナが顔を赤くしている。


「助けてくれて、ありがとう。」


「……当然だ。」


「ねえ、ノアって意外と優しいよね?」


「……そんなことはない。」


「でも、すごく丁寧だったし――」


「……からかうな。」


「ノアって、顔に出ないけど、実はすごく優しいんじゃない?」


「……黙れ。」


「顔、赤いよ?」


「黙れ。」


◆ 修也とセレスティアの会話

「……あの二人、うまくいきそう?」


俺がセレスティアに聞く。


「さあ? でも、ノアがあんなに優しいなんて、驚いたわ。」


「……俺たちも、ああなるのかな?」


「……え?」


セレスティアが顔を赤くする。


「わ、私は別に――!!」


「からかっただけだって。」


「……もう!」


夕暮れ――

フィオナとノアがギルドの外で並んで立っていた。


「ねえ、ノア。また一緒に訓練しようね。」


「……勝手にしろ。」


フィオナがくすっと笑う。


「じゃあ、また明日ね。」


ノアが彼女の姿を見送り、

ふっと小さく笑った。


「……騒がしい女だ。」


でも――

ノアの表情は、どこか柔らかくなっていた。


【続く】

TEPEN作

引用は許可取らなくてもタイトルと著者名を出してくれたら大丈夫です。

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