第三話:模擬戦と才能の片鱗
「転生したら時間を持て余せるようになった件」
第三話:模擬戦と才能の片鱗
ギルドに戻ると、すぐにざわめきが広がった。
「帰ってきたぞ!」
「やっぱり本物だったな。」
「レベルⅩの男……」
俺とセレスティアがギルドの扉をくぐると、周囲の視線が一斉に集まる。
スライムとゴブリンを倒しただけなのに、この騒ぎ。
「……大げさすぎだろ。」
「ふふっ、注目されるのは悪くないわ。」
セレスティアが肩をすくめる。
確かに"レベルⅩ"というスキルランクは異常だ。
でも、今のところ俺にはその"異常さ"がどれほどのものなのか、まだ実感が湧いていない。
「よう、新人。」
声が聞こえて振り向くと、長剣を背負った長身の男――レオンが立っていた。
「……レオン?」
「お前が噂の新人か。」
レオンは俺をじっと見つめながら、ふっと笑った。
「大したもんだ。スライム相手にあそこまでやるなんてな。」
「いや、あれはセレスティアのおかげだろ。」
「謙虚だな。でも、"時空操作"は確かにお前の力だっただろ?」
「まあ……な。」
「だったら、試してみないか?」
「……試すって?」
「俺と手合わせしろ。」
レオンの目が鋭く光る。
「お前の力、確かめたい。」
「……いいだろう。」
「ちょっと待って。」
セレスティアが俺の腕を引いた。
「時空操作を制御できていない状態で模擬戦は危険よ。」
「だけど――このままじゃ"何もわからない"ままだ。」
俺はセレスティアを見て、ゆっくりと頷いた。
「なら、やってみるか。」
◆ 冒険者たちとの会話 → 世界観説明
「ところで……お前たち、"ダンジョン"ってどういう仕組みなんだ?」
俺が聞くと、レオンが口を開いた。
「ダンジョンには"レベル"がある。」
「レベル?」
「ダンジョンはⅠからⅥまでランク付けされている。Ⅰは初心者向け。Ⅵは国家レベルの危険地帯だ。」
「スライムとゴブリンしか出ないレベルⅠが初心者用ってことか。」
「そういうことだ。」
セレスティアが補足する。
「そして、ダンジョンは"魔素"の集積地になっているわ。」
「魔素?」
「魔法やスキルを扱うためのエネルギーよ。ダンジョン内では魔素の密度が濃くなるから、魔法も使いやすくなるわ。」
「……なるほど。」
レオンが鋭く俺を見た。
「お前の"時空操作"……ダンジョン内で発揮すれば、とんでもないことになるかもしれないな。」
「そうかもな。」
「でも、その前に……」
レオンが笑う。
「お前がどこまでやれるか、確かめさせてもらうぞ。」
◆ 模擬戦 → レオン vs 修也
ギルドの裏手にある訓練場。
レオンが剣を抜き、俺に向ける。
「遠慮はいらないぜ、新人。」
「そっちもな。」
「いくぞ!!」
レオンが剣を振るった瞬間、風圧が俺に襲いかかる。
「くっ――!」
俺は身体を横に跳ねてかわす。
レオンの剣が地面に深く突き刺さる。
「おいおい……これが新人か?」
「俺も"やる"ぞ。」
俺は手をかざす。
「――ファイアボルト!」
レオンが笑う。
「おそい!!」
レオンが剣で炎を弾き、俺の側面に回り込む。
(見えているのに……身体が動かない!)
「時空操作を使え!!」
(――使え!!)
「くっ……!!」
俺が集中した瞬間――
時間が"止まった"。
レオンの剣が静止している。
だが、次の瞬間――
「ぐっ……!!」
時空が"暴走"する。
視界が歪み、身体が軋む。
「やめなさい!!」
セレスティアの声で我に返った。
「……くそっ……」
俺は膝をついた。
「無理に使おうとしないで。」
セレスティアが俺の手に触れる。
「……力を制御するコツ、教えてあげるわ。」
TEPEN作
引用は許可取らなくてもタイトルと著者名を出してくれたら大丈夫です。
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