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第十四話:科学×魔法の快適ライフ開幕!

「転生したら時間を持て余せるようになった件」



第14話「科学×魔法の快適ライフ開幕!」


朝日が差し込む古代遺跡の拠点――とはいえ、まだ生活感とは程遠く、冷たい石壁と吹き抜ける風だけが支配する空間だった。


「……寒いな」


修也が毛布にくるまりながら呟いた。


「当たり前でしょ、ちゃんと改装しないと!」


フィオナが元気よくツッコミを入れる。

今日は、いよいよこの拠点を"住める"ようにするための改造作業が始まる日だった。


「よし、今日の目標。まず、風呂を作る。次に、キッチンを直す。最後に、水道な」


「まるでDIY番組だな……」


セレスティアが呆れたように呟く。


「しかも魔法じゃなくて、科学でやるんでしょ?」


ノアが淡々と確認する。


「当然だろ? 魔素切れたら風呂も入れない生活なんてゴメンだ」


修也はにやりと笑いながら、背中に背負った工具箱を掲げた。


「さて、まずは風呂からだ」


***


午前中。

まず着手したのは「お湯を出す仕組み」の構築だった。


「これが薪ボイラー。薪を燃やして水を温める仕組みだ」


石造りの湯船の隣に、急ごしらえのタンクと配管を組み合わせた。

さらに煙突を設置して、煙が溜まらないようにする。


「すごい……!」


フィオナが目を輝かせる。


「これで魔法なしでもお湯が出るのか」


ノアも感心した様子でタンクを覗き込んだ。


「よし、試運転だ。薪に火をつけるぞ」


修也が火打ち石で火を起こすと、ボイラーの中でパチパチと薪が燃え始める。


タンクの水がぐつぐつと温まり、湯気が立ちのぼった。


「おお、ちゃんとあったかい!」


フィオナが喜んで手を浸している。


「……すごい、ほんとに魔法なしで……」


リオンも目を丸くしていた。


***


続いて、キッチンの改造。


「煙がこもらないように、換気ダクトを設置するぞ」


古代遺跡には元々通気用の穴が開いていたため、そこに鉄板とパイプを繋いで排煙装置を作った。


「これで煙たくならない。ついでに薪かまども設置だ」


修也はさっそく試しにパンを焼き始める。


「焦げないようにね?」


フィオナが不安そうに言うと、


「お前と違って俺は完璧だ」


修也が胸を張った。


「またそんなこと言って~」


フィオナが頬を膨らませる横で、ノアが一言。


「焦がしたら、交代だからな」


「ぐ……ノア、地味に厳しいな……」


しかし結果は――完璧だった。

香ばしい香りをまとったパンが焼き上がり、拠点にいい匂いが広がった。


「おいしそ~!」


フィオナが飛び跳ねる。


「いただきます!」


リオンも元気に手を合わせた。


みんなでパンを頬張るその光景は、確かに"家族"のようだった。


***


昼休み。

焚き火を囲んで雑談が始まる。


「この拠点……住みやすいよね」


フィオナが幸せそうに言った。


「何もなかったときに比べたら、雲泥の差だな」


ノアも珍しく頷く。


セレスティアはコーヒーを啜りながら、


「まあ……悪くないかもね」


と小さく笑った。


その時、フィオナがふとノアの方をちらりと見た。

ノアは気づかず、焚き火の火をぼんやり見つめている。


(ノア……かっこいいな……)


フィオナの心がポッと熱くなる。

気付いた修也が、何も言わずににやりと笑った。


「……なに?」


フィオナが顔を赤らめて尋ねるが、


「いや、なんでも」


修也はわざとらしく目を逸らす。


(頑張れよ、フィオナ)


心の中で、そうエールを送った。


***


午後。

最後に水道の整備に取り掛かる。


「砂と木炭で水をろ過して、飲み水を確保するぞ」


フィルターシステムを設置し、試験運転。


「……飲める!」


リオンが感動して叫んだ。


「これで……生きていける……!」


その言葉に、修也は嬉しそうに笑った。


「当たり前だろ。魔法なしでも、俺たちはやれるんだ」


リオンはキラキラした目で修也を見上げた。


***


夕暮れ。


拠点の中庭で、星を見上げながら焚き火を囲む。


「……ここ、もう俺たちの家だな」


修也がぼそっと呟いた。


「うん」


フィオナが嬉しそうに頷く。


ノアは無言だったが、そっとフィオナにブランケットを掛けた。

その優しさに、フィオナは顔を赤くして俯く。


(やっぱり……ノア、優しい……)


心の中で、胸がきゅっと締め付けられた。


セレスティアは、それを横目に小さくため息をついた。


(ほんと、うちのパーティ、まともなやついないな……)


でも、そんな空気が、セレスティアも嫌いではなかった。


修也はそんな皆を見渡して、静かに笑った。


「さーて、次はこの世界に"科学革命"でも起こすか」


「また適当なこと言って!」


フィオナが笑いながら突っ込むが、

その声はとても明るかった。


焚き火の音と、夜空の星たちが、やさしく彼らを包み込んでいた。


【続く】

TEPEN作

引用は許可取らなくてもタイトルと著者名を出してくれたら大丈夫です。

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