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転生者、有名な辺境貴族の元に転生。筋肉こそ、力こそ正義な一家に生まれた良い意味な異端児……三世代ぶりに学園に放り込まれる。  作者: Gai


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第355話 存外だらしない

(話し合ってるね~~~。何を話してるのかまでは聞こえねぇけど)


意識を集中すれば離れてる場所の会話なども聞こえるが、現在イシュドは集中してもガルフたちの会話が聞き取れない場所で昼食を食べていた。


(…………まぁ、あれだよな。今更あれこれ考えても仕方ねぇよな~~)


自分がいる。

アリンダにシドウ、クルトがいる。

そしてフランガルたちもいる。


リスクは出来る限り取り除く行動は取った。


であれば、これ以上あれこれ考えても仕方ない。

悩むだけ無駄だと思い、食べることに集中する。


(つっても、あれだよな~~~………………勘が外れなきゃ、絶対ぇになんか起こるよな)


イシュドは、戦場に出ている時こそよく狙われたが、日常生活の中で狙われる……もしくは見張られることはなかった。


戦場で暴れている際も、死角から狙われることはあっても、じっくり……暗殺の機会を窺われる様な視線を向けられたことはなかった。


そういった点に関しては、イシュドたちがクリスティールたちに劣る点と言っても過言ではない。


だが……現在イシュドの勘が感じ取ったものは……レグラ家周辺の領地を探索してる時に感じ取った感覚だった。


(……Bランクの中でも最上位か、それともAランクか? 俺の勘違いで済めばぁ、それでも…………うん、良いだけどな)


イシュドとしては、ガルフたちとの手に負えない存在が現れれば、是非とも自分が戦いたい。

しかし、ガルフたちのリスクを考えるのであれば、そういった存在は現れな方が良い……ということぐらいは理解している。


「そういえば、宗教があんだよな………………ワンチャン、狙ってくんのは俺らを鬱陶しと思ってる連中だけじゃねぇのかもな」


イシュドはカラティール神聖国に関して、全くもって詳しくない。


だが、前世の頃の記憶をふわっと思い出し、神を崇拝する者たちがいれば、悪魔を崇拝する者がいてもおかしくないと考える悪魔崇拝者たちの存在が頭に浮かんだ。


(悪魔、悪魔、悪魔…………アンデットモンスターとか、ヴァンパイとかとは戦ったことあるが、悪魔とは戦った事はねぇかもな)


なんで、とツッコみたくなるが、イシュドは過去にヴァンパイアとの戦闘経験はある。

アンデットモンスターとの戦闘経験もあるが……悪魔と呼ばれるモンスターとの戦闘経験はなかった。


(悪魔を崇拝ねぇ………………何らかの出来事を経験して、神の存在を信じられなくなった連中がそういうのになるか、元々心の中に悪魔を飼ってる様なサイコパスとか快楽殺人者? とかがそういう道に進むのかね~~~)


また、前世で見た、聞いた情報などが鮮明に脳裏に思い浮かぶ。


(…………何を期待してんだかって感じだ)


イシュドは、エリヴェラたちの問いに答えた通り、何だかんだで神という存在はいると思っている。

しかし、イシュドの前世の記憶通りの神たちがいるのであれば……神と呼ばれる存在者たちの中には、割といい加減な存在が多い。


(ゼウスだっけ? 確か奥さんいるのに浮気したりして……へ、ヘラだったか? が嫉妬の炎を燃やして…………ていうか、ゼウスって父親を殺してなかったっけ?)


鮮明に思い出せはしたものの、神話オタクではなかったため、詳しい内容までは思い出せない。

それでも、イシュドにとって……この世界に転生して、改めて思った。


神とは、超常的な存在であるが、神聖な存在とは断言出来ない者だと。


(なんつーか、寄りかかり過ぎっつーか、期待し過ぎてる連中が多い気が済んだよな。本当に神が信者たちの行動を見守ってたりしたら、毎日毎日確認作業の連続で過労死するだろって話なのによ)


神に死という概念が存在するのかは分からない。


それでも、イシュドからすれば超ウルトラハイパーハードワークにしか思えない。


(つか、仮に……邪教徒? みたいな存在が何かしようとしてんなら、影の連中がなんとかしてほしいもんだけどな)


もしゃもしゃと昼食を平らげながら、そろそろ良いかと思い、イシュドはガルフたちの元へと戻って行った。






「お前ら、腹は膨れたか?」


「十分膨れたよ」


「そりゃ良かった……んだけど、なんでイブキはちょっと顔が赤ぇんだ?」


「会話の流れで、シドウ先生がイシュド君を斬ってしまった事が上がってね」


イブキとしては、それでも問題無かったとしても、兄がやらかしてしまった事と記憶しているため、思い出すと身内のやらかしであるため恥ずかしさがこみ上げてくる。


「あぁ、んな事もあったな」


「イシュド、あなたあれをそんな事で済ませてるのですの?」


ミシェラはイブキを、シドウを攻めるつもりは欠片もないが、それでも少しイシュドの感性を疑わざるを得なかった。


「おぅ、当たり前だろ……デカパイ、お前俺んちにあるあの建物の存在を忘れたんか?」


「っ………………そうでしたわね」


イシュドが稼いだ大量の金や素材をつぎ込んで建てられた戦闘部屋を思い出し、ミシェラは呆れながらため息を吐くも、イシュドの感性がある意味正常であることに納得。


「んで、良い感じの内容でも話せたんか?」


「良い感じっつーか、詰めておかなきゃならねぇことを話せたって感じだ」


「……フィリップが主導して何か話してたんか」


イシュドはフィリップたちの姿は一応見えていたが、距離的に話している内容までは聞き取れないため、意外そうな表情を浮かべた。


「そうなのですよ、イシュド君」


腐れ縁な弟的存在の成長が嬉しく、クリスティールはその成長に小さく微笑む。


「いや、別に主導したっつーか、飯食う前に話してた内容で気になったところがあったからよ……だからイシュド、そのニヤニヤ面を止めてくれ」


「へっへっへ、悪ぃ悪ぃ。別にからかってるわけじゃねぇよ」


イシュドにとっては、学園に入学してからの付き合いであるが、それでもガルフと同じく、大切な友人である。


そんなめんどくさがり屋な友人が、今回は積極的に行動してくれることに……クリスティールと同様、嬉しさを感じた。



そして数時間後、何度かモンスターとの交戦を経験するも、巣と思われる場所は発見出来ず、日が暮れる前にエリヴェラたちと合流した。

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