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転生者、有名な辺境貴族の元に転生。筋肉こそ、力こそ正義な一家に生まれた良い意味な異端児……三世代ぶりに学園に放り込まれる。  作者: Gai


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第166話 誰が対応する?

「いやぁ~~~~、マジで最高だよな~~、これ」


準備が整ったイシュドたちはイシュドが所有している空飛ぶ絨毯に乗り、目的地へと出発。


「……なんだか、ズルしてる気分になりますわね」


ミシェラもイシュドが所有している空飛ぶ絨毯を使用して移動することには賛成ではあるが……本来は学園が所有している馬車を使う、もしくは自分たちで手配して移動するのが一般的な移動方法。


「別に良いじゃねぇ~かよ。俺達は冒険者じゃねぇし、冒険者の……ほら、あれだ。昇格試験って訳でもねぇんだから、気楽に考えれば良いじゃねぇか」


フィリップの言う通り、移動方法に関しては特に評価される部分には入らない。


なので、特にズルい移動方法という訳でもない。


「つかさ、イシュド。現地に着いたらさ、その街を拠点に活動してる冒険者とぶつかったりしねぇか」


「どうだろうな。多分するんじゃねぇか」


サラッとおそらくぶつかるだろう発言をするイシュド。


「どう対処しますか」


それはそれで面倒ではあるものの、ある程度そうなるかもしれないと予想はしているので、特にイブキは焦らずどう対処すべきか尋ねた。


「……まぁ、一応リーダーな訳だし、そこら辺は俺がなんとかしておくよ。多分、お前らじゃ上手く対応出来ねぇしな」


「むっ! 決め付けるのは早過ぎるのではなくて?」


「じゃあ逆に聞くけど、デカパイは平民の冒険者に絡まれて、上手く受け流せるのかよ」


「それは……………………」


絡まれた際に言われるであろう言葉を脳内で思い浮かべ、何度も返答のシミュレーションを行う。


「……………………くッ」


「だろ」


「イシュド、フィリップであれば上手く出来ると思いますが」


イブキが自分よりもフィリップの力を評価している事に追加でダメージを受けるデカパイ……を無視し、イシュドはその問いに対して答える。


「フィリップはなぁ~~~~~…………言葉は上手いと思うが、チャラくてイケメンだからなぁ……野郎が相手だと、無理だと思うな~」


「おいおいイシュド、それってちょっと理不尽過ぎねぇか?」


「世の中そんなもんだろ。良い顔と身分と戦闘力を持ってんだぜ? 平民からすれば、逆にお前は何を持ってないんだよ!! って叫び散らかしたいはずだぜ」


もうかなり昔のことではあるが、イシュドも前世では……持っている側とは言い難かったため、平民たちの貴族に対する想いは良く解る。


「そいつは……そうなんかもしれねぇけど……あっ、でもよ! 同じ平民のガルフなら、向こうもこっちの話を聞いてくれるんじゃねぇか」


「ガルフはガルフで、逆に無理だろうな」


「えぇ~~~~~~~~。なんだよそれ、厳し過ぎねぇか?」


「あくまで俺の予想だけど、同じ平民なのに同世代の貴族と一緒に行動してる……ってのが、クソほど気に入らないんじゃねぇかな」


これはこれでまた理不尽な理由であり……それに関して真っ先に反応したのは、意外にもミシェラだった。


「……ガルフが、何も努力してないと、彼らは捉えるのね」


「俺の個人的な予想だけどな。つっても、超絶クソバカじゃないんだから、妬むのは運の部分だろうな」


運という言葉を聞き、ガルフは真っ先にイシュドとの出会いが浮かんだ。


学園に入学出来たとしても、イシュドがいなければ……と考えるだけで、体が震える。


「運とは、努力を積み重ね続けてきた者の頭上にのみ降りてくる要素だというのに」


「俺も似た様な考えだよ、イブキ。ベテランの冒険者たちは同じ考えを持ってる奴が多いと思うが、若い連中ほどそういう考えに至れていない」


「んじゃあよ、イブキならどうだ? なんかこう……イブキなら、いけそうな感じがあるだろ」


「その気持ちは解らなくもねぇけど…………あれだぞ、マジで個人的な考えだからな。野郎は女に正論をぶちかまされたら、余計に引き下がれなくなるんだよ」


イシュドの個人的な考えを聞いて……まず、ミシェラが面白いほど顔を歪ませる。


同じ野郎であるフィリップに関しては、その感覚が解らなくもないため、「あぁ~~~、なるほどなるほど」といった納得の表情を浮かべた。


そして同じく野郎であるガルフはフィリップほどあっさり納得は出来なかった。

ただ、男として女に負けたくない……そういったしょうもない理由ではあるが、男が抱えている本能的な部分に関して解らなくもないため、非常に難しい表情にある。


「……つまり、やはりイシュドが一番対応出来るということね」


そして大和では……ザ・男尊女卑の風潮が根付いているという訳ではないが、そういった思考を持つ者が一定数存在しているため、女性でありながら野郎たちの感情に対して、イブキは一定の理解を持っていた。

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