第9話:新潟前夜
和司
頭脳:A 身体能力:B 武器:M24SWS
特徴:兵器開発担当。主に裏方での活躍をする。武器を買う時にレジの人を容赦なく撃つなど、結構残忍な性格。
星野討伐班が野宿の準備をしているとき、国外逃亡準備班はライスヒューマンと遭遇していた。
「不死身なのかこいつら」
幹弘がいらつかせながら言う。銃弾をいくら打ち込んでも倒せる気配が無い。
「みんなどけ」
後ろから秋田が車で突っ込んだ。ライスヒューマンもこれは効いたらしく、10m以上転がっていた。勝ったと全員が確信したとき、またライスヒューマンは立ち上がった。
「くそが!」
一将は高之の持っている拳銃を奪い乱射し始めた。全ての銃弾がライスヒューマンを貫いていく。それなのにライスヒューマンは何事も無かったように立っている。そしてこちらに向かって歩いてくる。
「もうだめだ、死ぬ」
ほとんどがそう思っていた。ライスヒューマンとの距離がもう10mしかない。その時、純が飛び込んでいった。
「お、おい」
健斗の声も聞かずにまっすぐに突っ込んでいった。尚人はこのままじゃ危ないと思い、ライスヒューマンの足に狙撃した。これで体勢を崩したライスヒューマンに純は飛び掛かり、頭にある物を埋め込んだ。
「伏せろ!」
純が大声を上げたのと同時に強烈な爆風が襲ってきた。みんな吹き飛ばされていく。飛ばされる中、健斗はライスヒューマンの頭部が粉々になるのを確認した。
「痛って~」
みんな飛ばされたところからそれぞれ声を上げる。
「ちょ、今の何だよ」
車の中から秋田が聞いてくる。
「あれ、手榴弾だよ。和司がくれた拳銃の中に混ざっててさ、勝手にもらったの思い出して、使ったんだよ」
笑いながら純が答える。
「でも、あれだけやって一体しか倒せないんだら」
幹弘が真剣な顔で言う。
「まぁ、次会ったら考えればいいら」
そう言って尚人は車に乗り込み、他のみんなも笑いながら車に乗り込んだ。
「さっさと船盗みに行こうぜ」
純がそう言うと、秋田は慣れた手つきで車を走らせた。
「何作ってんの?」
歯磨きを終えた亮太が和司に尋ねた。
「これ、明日の為にさ、武器作ってんだよ。火炎瓶とか」
「俺も手伝っていい?」
「うん、ありがと助かるよ」
こうして二人は武器の開発をした。その間、康太とこうちゃんは明日の計画を考えていた。
「明日、朝早く行けば昼過ぎには新潟に行けるね」
「途中またコンビニ寄って行くか」
こうした話を続け、その後、全員で見張りを決めることにした。じゃんけんの結果でこうちゃんとリョスケがやることになった。一時までがリョスケ、それ以降はこうちゃんがやることに決まった。そして、リョスケ以外のみんなは相当疲れが溜まっていたらしく、すぐに寝てしまった。皆それぞれの想いを胸に秘めながら。
「きれいな夜空だな」
リョスケはそう呟き、俊弥のかばんからおにぎりとお茶を取り出した。
「早く一時になんないかな」
そう言いながらおにぎりを食べ、空になったペットボトルを星に向かって投げつけた。