第2話:事件
その日のニュースではどの局も同じニュースが一斉に流れた。風呂上りの中村俊弥(以降、俊弥)は、コーヒー牛乳を飲みながらこのニュースを見ていた。
「誰かこのニュース見てるかな」ふとそんなこを思った俊弥は、連絡網で自分の次の和司にとりあえず電話してみた。
「お〜い、和司、今何やってんだい?」
「なんだよ、いきなり。忙しい時に電話しやがって」
「忙しいといってもゲームだろ。それより今やってるニュース見てみな」
「ニュースは録画してあるから別にいい」
「んだよっ、とりあえず見てみなって」
「わかった、わかった」
俊弥にしつこく言われたので和司はゲームの画面からニュースにチャンネルを変えた。ニュースには「謎の生命体出現」なかなかおもしろそうだ。だが、ニュースが終わるまで、謎の生命体の写真は流れなかった。そしてこの日、謎の生命体の写真や映像に現金百万円の懸賞金がかかった。
翌日、話の話題は全てこのニュースのことになった。当然、康太やリョスケ、俊弥達もこのことについて話していた。だがこの生命体出現前と出現後では日本中で変わったことは、ほとんど無かった。ここの中学校でも同じであった。ただ一つ、宗磨と衛が学校に来なくなった以外は。
この三日後新潟の農家の人が謎の生命体の写真を撮ることに成功し、この写真はすぐに日本中に公開された。謎の生命体は、体は人間のようだが頭が白く、三角の形をしていることからマスコミは「ライスヒューマン」と名付け、この一連の事件を「ライスハザード」と名付けた。この日からちょうど一週間後、日本に戦慄が走ることになる。