第13話:リョスケの危機
リョスケ
頭脳:C 身体能力:B 武器:モスバーグM590
特徴:食料管理担当。割としっかりとした性格。他の班員に比べて少し臆病な性格。頭脳、身体能力共に平均的な能力である。
リョスケがキッチンへ逃げ込んだとき、二階の研究室にいた和司と康太にも俊弥の声は届いていた。
「何かあったのか」
康太はリュックにしまっていたM16を取り出し、銃弾を装填するとすぐに部屋を飛び出し、一階へと向かっていった。和司は部屋を出ずに、机の引き出しにの中に入っていた写真に目を奪われていた。写真には俊弥を殺した謎の生物が写っていた。
「なんだこいつ」
そう呟きながら写真の裏側を見る。裏側にはシミだらけだが、文字が書いてあった。
「イーター 危険要注意」
写真をポケットにしまい、康太の後を追った。
リョスケは冷蔵庫の陰で震えていた。
「あいつが俊弥を…」
震えが止まらない。そして嫌な足音が聞こえてきた。心臓に直接響いてくる嫌な足音が。
リョスケは近くに落ちていた鶏の骨を足音の聞こえてくる方に投げつけた。すぐに骨が砕ける音が聞こえてきた。足音はさらに大きくなってくる。こうなったら。
リョスケはイーターの目の前に姿を現した。イーターはすぐにリョスケの方を向く。そして襲い掛かってきた。リョスケは冷蔵庫の扉を素早く開けた。イーターはそのまま突っ込み冷蔵庫の中へ入っていく。すぐに冷蔵庫の扉を閉め、近くにある棒を冷蔵庫の取っ手に挟みイーターを閉じ込めた。
急いでリョスケはキッチンから飛び出し、出たとたんその場に座りこんでしまった。
「何なんだあいつは」
あまりの恐怖でもう立てそうになかった。
階段を下りてきた康太は座り込んでいるリョスケを見つけた。
「リョスケー」
すぐにリョスケのもとに駆け寄る。
「大丈夫か」
「ああ」
軽く返事が返ってきた。
「俊弥はどうした」
康太が厳しい口調で聞いた。
「俊弥は…」
康太はそれ以上深く聞いてこなかった。
「一体どんなやつが襲ってきたんだ」
康太が聞いたと同時にキッチンから冷蔵庫の壊れる音が聞こえてきた。
「奴が来る」
リョスケが震えた声で言った。
「二階へ逃げて!」
二人は全速力で階段へ逃げた。二人は軽く後ろを確認する。まだ来ていない。階段に辿りつき、キッチンをみるとイーターが出てきていた。
だが、イーターの様子がおかしい。
イーターはうめき声を発していた。すると徐々に体の色が肌色から赤色へと変わっていた。変色し終えたイーターはただでさえ速いスピードがさらに速くなっていた。
「来た」
二人は銃を構え狙い撃つが両方ともかすりさえしなかった。
「やばい」
康太がそう思った時、どこからかイーターの頭におにぎりが投げつけられた。イーターはおにぎりに気を取られた。
「今の内に早く」
和司の声だ。二人は急いで階段を登った。イーターはぶつけられたおにぎりを食べ終えるとまた二人を襲い始めた。二人は間一髪、和司のいる研究室に入ることができた。和司はすぐに扉を閉めた。
「大丈夫か?」
「ああ、和司のおかげで何とか」
イーターはすぐに扉の向こうまで来ていた。
イーターはすごい力で扉を押してきた。康太とリョスケは和司に加勢した。それでも扉は少しずつ扉は開いてく。
「もう駄目だ」
リョスケが弱音を吐く。だが、和司は異様に落ち着いていた。
「和司何か仕込んであるのか」
康太が聞いてきた。
「うん」
軽く返事を和司がしたところで急に扉を押す力が弱くなっていた。
「これは」
リョスケが聞いてくる。
「硫酸入りおにぎりを投げた。硫酸は浴びれば火傷を起こすような劇薬だ。それならイーターにも効くと思ってね」
扉を開けながら和司が説明した。扉の外には、倒れているイーターがまだうめき声をあげていた。生きているものの、動けそうになかった。康太はイーターの頭に銃口を向け、引き金を引いた。撃たれた銃弾がイーターの梅干を貫く。イーターの動きは止まった。
その後、康太とリョスケは黙って一回へ降りていった。二人の背中は、イーターを倒してのに悲しみに溢れていた。
和司は研究室に残り、もう少し捜索を続けることにした。和司は大きい本棚に一冊しか入っていない本に目がいった。手に取ると少しほこりが付いていたので軽く払った。
「ノートか」
そう呟き表紙をめくった。




