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第二十話

 翌日から、兵舎に入る度、暗いに雰囲気に飲まれていくことが多くなっていった。多くが、出動要請だった。


「貴族の館に、盗賊団が侵入、ただちに急行せよ」


 バードからの指令で、オルス達は嫌な顔をしているものの、体が反応してしまう。すぐに数人がロングソードを鞘に入れ、現場へと向かっていった。


 駆けつけた貴族の館は、めちゃくちゃにされていた。窃盗というよりも、略奪に近かった。ここに住んでいている貴族は、怪我を負っている。テッドもそこにいた。ライオードで、足跡や痕跡を調べていた。


「手がかりは、ありそうか?」


「足跡からして、数名で行われている。いつまで続くんだろうな」


 館から出ると、そこに十数人の国民がじっと見つめていた。


「神様が下さった罰じゃ。自分たちだけいい思いをして」


「おいオルス。あんたはどっちの味方なんだ。お前もそっちの味方か」


 オルスはため息をついた。


「私たちも、今月から給料を減らされました。所詮は兵士です。ここにいる仲間もそうです。みんな、給料を減らされながら、それでも仕事をしているんです」


「なぜ、貴族に歯向かわないんだ」


「こればかりは、どうにもできなんんです。貴族の方すべてが、自分の身を守ろうとはしていません。皆さんのことを考えている人もいます。ただ、まだ実行に移していないだけです。国王も悩んでおられます」


 仲間の一人が、オルスの所にやってきた。


「行こう。ここで彼らと話しても、怒らせるだけかもしれない」


 オルスは頷き、その場から離れようとした。


「お前が倒したのは、本当に魔王だったのか?」


 一人が言った。


「お前が魔王を倒したから、こんな世界になったんじゃないのか」


 オルスは足を止めた。


「そしたら、今も魔物に怯える日々を送っているんですよ!」


「前の生活のほうが良かった。魔物がいても、食料が十分にあった。こんな生活もしていなかった」


「神だったのかもしれないな」


「ああ、神だったかも」


 仲間がオルスの腕を引っ張った。オルス達はその場から離れていく。


「なんて奴らだ。あの姿が神に見えるか?」


「わからないよ。実際、現場にいなければ見れないことだ」


「なんでこんなことになったんだ。平和になったはずなのに」


 そこに、ウラシュ専用の馬車が来た。中からがウラシュが出てくる。


「オルス、これから会議に出てもらいたい」


「へっ?」


「国王を含めた、貴族の会議だ。そこに、国民である君たちの意見も聞きたい。そう決まった。服装はそのまま。すぐに乗りなさい」

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