第二話
「くそ!」
運よく、ロングソードは手放さなかった。すぐに片膝をついた姿勢で、反対側に体を向ける。
そこに魔物がいた。両手には、巨大な鎌のような武器を持つ、四足歩行の魔物。
「カマキルかよ」
鎌を振り上げ、オルスに向かって駆け出してくる。
「アイスボール!」
カマキルの背後ろから、呪文を唱える声。同時に、氷の玉が見えた。青年は、横に飛んだ。氷の玉は、カマキルの背中に当たり、勢いよく転ぶ。
青年は立ち上がり、すかさずカマキルの頭部めがけて、ロングソードを突き刺した。そのまま、蒸発した。
「ありがとう」
肩まで伸びた黒髪。右手に杖を持ち、青のスタンレーローブを身に纏い、赤いマントに包まれた青年が立っていた。
「オルス、大丈夫か?」
オルスは右肩を押さえながら、頷いた。
「ありがとうテッド。死ぬかと思ったよ」
二人は森を出て、太陽を浴びた。そこには少女と、仲間の兵士がいた。少女は目を潤ませながら、オルスの方を見ている。
「大丈夫か。どんな魔物だ?」
仲間が心配そうに聞いてきた。
「コンクーンとカマキル。油断していたよ。お嬢ちゃん、俺は大丈夫だ。ただ、これからは一人で森の中は、行くんじゃないぞ。ここも危険だ」
少女は、大きく頷いた。テッドは袋の中から薬草を取り出した。
「これを使ってくれ」
オルスは袖を破り、傷口に薬草を当てる。
「ありがとう。俺とテッドで、この子を修道院まで送る。後で合流しよう」
「わかった」
オルスとテッド、少女は森に背を向け、近くの修道院まで歩いて行った。
どうも、芦火屋与太郎です。
本作を書くために、久しぶりにRPGをやりました。飽きるかと思いきや、熱中してしまう日々。
昔よりも、物語に入りこめました。
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