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短編(ヒューマンドラマ)

クールな委員長は策士である。

作者: 御厨カイト


「あっ!」


「あっ、これは湊君。こんな休日に会うなんて珍しいですね。」


「ホントですね。まさか委員長もこの駅を使っているとは思ってもいませんでした。」


「たまたまこちらの方に用事がありまして。そういう湊君はどうしてここを?」


「あぁ、僕が好きな小説の特装版がこの先の本屋にしか売ってないのでそれで。」


「なるほど、そういうことですか。」


そう言いながら、委員長はバッグの中をゴソゴソと探る。


「どうしたんですか?」


「あ、いや、さっきからスマホが見当たらなくて。さっきまでこのバッグの中にあったはずなんですが。」


「もしかしてさっきの電車の中に忘れてしまったとか?」


「うーん、それは困りましたね。定期も入っているので無くしてしまったら勿体ないですし……」


「どうしましょうか……、一旦駅員さんとかに報告した方が良いのでは?」


「そうですね、そうしましょうか……、あっ!そうだ!私のスマホを鳴らしてもらえませんか?」


「えっ?でも僕、委員長の電話番号知りませんよ。」


「今から教えますから。いいですか、1回しか言わないのでよく聞いてくださいね。080-××××-×××です。」


「えっと……、080-××××-×××ですか。それじゃあ、かけますね。」


「はい、お願いします。」



そうして僕が、その番号に電話をかけると、ブーンブーンとバイブレーション音が聴こえてくる。


「うん?なんか音が近いような。」


僕がそう言うと委員長は「ハッ!」とした顔でまたバッグの中を探る。


「あっ!ありました!まさかバッグの隠しポケットに入っているとは。」


「見つかって良かったです。」


「ホントありがとうございます。」


「いえいえ、でもなんだかいつもはクールな委員長の珍しい場面を見ることが出来てちょっと面白かったです。」


「うぅぅ、恥ずかしい限りです。そうだ、お礼と言っては何ですが今度コーヒーか何かご馳走します。」


「そこまでしていかなくて別に大丈夫ですよ。」


「いえいえ、私が是非したいんです。電話番号は先ほどお教えしたので、それでまた連絡いたしますね。」


そう言って、委員長はスマホを手にニッコリと微笑んで、人込みの中に消えていった。



まさか、休日でこんな事にあうことになるとは思ってもみなかったな。

それにしても、委員長とお茶をすることになるとは、ちょっと期待している僕がいる。



そんなことを考えているとどこかでブーンブーンと電話のバイブレーション音が聴こえた気がした。




皆さんこんにちわ 御厨カイトです。

今回は「クールな委員長は策士である。」を読んでいただきありがとうございます。


読んで「面白い」とか思っていただけたら、感想とか評価のほどよろしくお願いいたします。

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