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懇願

「という訳で……助けてくださぁああああああい!!!!!」

「清々しいまでに情けない姿だな。王子よ」


 現在ロザリエ邸、床。俺の頭は今、大地の鼓動を感じている。


「オレが情けない姿晒して事が進むならいくらでも頭めり込ませますけど?あとどれくらい頭擦ればいいですか?」

「全く、我が国の未来を背負っている時期王候補がこの姿とは、泣けてくるな」

「じゃあ泣かない様全力フォローお願いします。俺の為じゃなくてあんたの為に」

「面倒事を持ってくるなと何度も言っているだろう?この前はゴブリン殲滅の依頼に我が一族(ウチ)の騎士団が内容も告げられずに駆り出されたんだ。今回は懇切丁寧に一からすべて要件を話してもらうぞ?」


 ん?たかがゴブリンってか?てめぇゴブリン舐めんじゃねぇぞ?大体の異世界屈辱モノ同人作品だと竿役は大体ゴブリンだからな?特に輪〇モノでの採用率はえげつない。リョ〇系はオーガ、オールラウンダーでオークも捨てがたい。そういやロザリエさんの屋敷付近でゴブリンが発見されたっていうからこの前急いで討伐したんだよなー、いやーあん時は焦った。お前らにロザリエさんは指一本触れさせねぇ!(実行はミケ君とロザリエさん家の家系の騎士団の皆さん)


「ウチのミケ君(騎士)が裏組織に喧嘩売ったから売られる前に買おうって話。で、買うには人手足りないから協力してください」

「随分とざっくばらんに壮大な話をポッと出したな?下手をすれば王族会議ものだぞ?」

「王族会議ってあの無駄に長い結論どこに行くかも定まってない町内会議以下の会議の事?うーわ、それはやだな」

「はー、何故お前が第一王子なのだ……早く成人して縁を切られないものだろうか」

「はっはー!それはいいですね!けど今はちょっと困りますね!まだロザリエさんと一緒に居たいんで!!」

「…………分かったからいい加減頭を上げろ。この場を事情を知らん第三者が見たら困る」

「いやー、ありがとうございます」


 ようやく許しを得て顔を上げる。眩し、ちょっと目眩が……。


「何をやっている……それで、どこの裏組織だ」

「ああ、えーっと……アーヤムンを取り仕切ってる組織みたいなんですけど……」

「アーヤムンの裏組織……『ノドン』か」


 なんか思い至ったようだけど俺にはさっぱりである。そんな有名なの?『喉ン』って?だっせぇ名前。


「喉ン?……耳鼻咽喉科の医者かなんかですか?」

「喉ではなく『ノドン』だ。裏社会では中々に有名な組織だな。主に違法奴隷や亜人売買で生計を立てている組織だな。表では教会へ支援を送る宗教団体という風になっているが、真逆の存在だ」

「ほえー、やっぱ宗教って金が絡むのな?これだから好きになれねぇわ宗教って」

「純粋に神を信じる者もいる。その発言は看過できんぞ」

「おっといけね。今のは過言だったわ」


 生憎日本に住んでた記憶があるとどうにも一神教は肌に合わねぇ。それ以前に無神論者だからなぁ俺。居たらいいなとは考えるけど、いないとも思ってる日本人特有のどっちつかず精神が身に沁みついてるからな。こればっかりは変えられない。赤ん坊のころからこの国の王子として生きちゃいるが、それでも前世での日々が長いのだ。真の幼少の頃に培われた価値観がそう簡単に変えられる筈もない。悪いな。


「ま、その辺はいいとして。援助貰えるんですか?」

「それは計画次第だな。貴様がどういったプランでの実行を計画しているか、また、それに我々が加勢するメリットがあるか。成功率なども加味して計画しなければ話にならん」

「それだけで十分」


 ま、そうだよなぁ?どんなことも予定を教えなきゃ意味はねぇしな。


「考えて来てない!!パワープレイって無理???」

「論外だ」


 そう言って執事さんは俺をつまみだす。あ、そうだ一つ言い忘れてた。


「執事さん。あんた元歴戦の勇士で、執事兼騎士団長補佐らしいけどそのキャラ設定モーリーさんと被ってるから変えたほうが良いでっせ」

「帰れ」


 すぐさまアンダースローで玄関まで吹っ飛ばされた。くっそ、投擲技術もあんのかよハイスペックな。






「で、無事追い返された」

「無事に無様な結末ですね」

「言ってる場合かあああああ!!」


 で、飛ばされた勢いのまま帰ってきたらこの総バッシングでございます。やばいな。計画もクソもなくやったからこの結果だし、どうすべきか……


「あんだけ意気揚々と出たのに結局これかよ!お前いいとこ何にもないじゃん!」

「そうだよ!いいとこなんざどこにもないよ!だからこそ全力で強者(ロザリエさん)に媚びへつらいに行こうと思ったらその目前で止められたんだよ!無能は予想外の事態に弱いんだって!!」

「にしたってやり様あったんじゃないの!?」


 こいつちょっとしたら随分ふてぶてしくなってまー!お父さんそんな子に育てた覚えはありませんよ!


「馬鹿言うんじゃありません!そんなもん思いつくだけで儲けもんだわ!王子だからって何でもできると思うなよ!!」

「あー!知ってるよ!お前が何にも出来ない事は重々知ってる!」


 カッチーン!行ったなてめー!!無能でも出来る事くらいあるんじゃい!


「なめんじゃねーぞエミリー君!四則演算位余裕で出来るわ!九九の段全部暗唱してやろうか!!?土下座に関しては芸術レベルで出来るぞ!!」

「土下座がどういう事かは知らねぇけど絶対誇れるものじゃないだろ!!」


 いいねー!この口論してる感じ。ミジェロ君とかモーリーさんとか大人な対応で白けるからこの打てば響く感じ好きだわー。


「しっかしどうるんです?ロザリエ様の援助が期待できないとなると他当たるしかないですし、そうこうしてる内にウチの屋敷に来てるかもしれないですよ?」

「いやー、屋敷に関してはモーリーさんに任せるとして……殲滅作戦にロザリエさん戦力使えないのはえぐいなー」

「国王のつては使えないんですか?」

「それは最終手段として……まだオレ自身でなんとか縋れる相手を探さねーと……」

「惨めですね」

「これ以上に無いだろ?」

「現在進行形で上がってます」


 うんうん、ミケ君も調子戻って来たみたいだね。


「うーん、自力でどうにかなる事かなー?どう思うミケ君?」

「ミジェロです……そうですね、武力とかそういった面ではオレやモーリーさんで何とかなるかもしれないですけど、経済面などで報復されるのが怖いですね。それにノドンを殲滅できたからと言って他の組織が関わってくる可能性もありますし、対処が難しいですよ」

「金で何とかできないかな?」

「そうしたら付け上がって一銭残らず搾り取られますよ」

「だよなー……あ」


 ちょっと待てよ?ノドンが無くなると困る組織が存在する。けど、ノドンは無くしたいし、ノドンに居る子供たちも救いたい……ありなのかなー?






「なぁ、ミケ君」

「なんです?」






「俺らがノドン乗っ取ればよくね?」

プロットなしだから行き当たりばったり

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