サソりんは臭いフェチ?
ワーウルフ戦後のステータスに魔法防御力を入れるのを忘れてたので、修正しました。
【コボルト5体から103の経験値を取得】
【ノヴァは13~14にレベルアップ。次のレベルまで8017】
体力:101/138→101/153
魔力:134/197→134/214
スタミナ:168/335→268/339
物理攻撃力:116→124
物理防御力:87→92
魔法攻撃力:60→70
魔法防御力:78→86
素早さ:91→111
最後のコボルトらを倒し終わると同時に、レベルアップの報告が入る。
なんか素早さがすげぇ上がった。
試しに軽く左右にステップしてみると、身体がさっきよりも一段と軽くなったように感じた。
あと《復讐の賛歌》という魔法の攻撃手段を手に入れたからか、魔法攻撃力の伸びも良い。杖くらい買っておいた方が良いかもしれない。
「ふぃ~。結局50匹どころか、100匹以上と戦うことになったな…」
「はぁ……はぁ……ふぅ。そうね。次々と増援が来て、憂鬱になりそうだったわ」
「俺はそこそこ楽しめたから、満足満足♪」
「戦闘狂は気が楽でいいわね…」
失礼な。俺だって生きるか死ぬかの局面になんて出くわしたくはないぞ。
今のコボルトの群れにだって少々ビビったし。まぁそれよりも経験値が大量ってことで、嬉しさの方が勝ったけど。
おかげでまたレベルが上がった。
「さて、素材の回収回収……お!毛皮落ちてるじゃん、ラッキー♪」
「こっちにもあったわ。これで毛皮は3枚。あと2枚ね」
よっしゃ!これなら運が良ければ今日中に毛皮は揃うぞ!
アイテムポーチは1000キロまで物を入れれるから、牙も爪もまだまだ入るぞ~。
牙と爪は持った感じ、一本1キロも無いし。
「……ねぇ。ワーウルフ戦の時も思ったのだけど、ノヴァってスタミナが凄いわよね」
素材を集めながら、サソりんがそんなことを言う。尚、彼女の収集方法は、片方のハサミで掴んでもう片方のハサミの中に入れるというものだ。
セルフ籠にもなるなんて、また便利だよな。大きいからそこそこ入るし。
「ああ。最大339あるからな」
キレが悪い数字だぜ。
「339!?私と二倍近く差があるじゃない!」
「ワーウルフの時は、緊張で動きが硬くなってたけど、普段は無駄にも思えるようなトリッキーな戦い方するのが俺のスタイルだからな。そのおかげか、スタミナがみるみる増えてくんだよ。ワーウルフ戦の最後にもやっただろ?アッパーしたり、牙を受け流してワーウルフの上を取ったり」
このコボルトの群れに対してもイナバウアーしたり、小夜左文字握ってるのに裏拳したり、ジャンプして避けたらそのままかかと落とししたり、ブレイクダンスのような回転をしながら囲んで襲って来たコボルトたちを蹴っ飛ばしたり……まぁ。色々やった。
「あんなキテレツな動きを毎回やってるの…?通りで息切れもしてない訳ね」
「汗は凄いから、出来れば今は距離を置いて頂ければと思います…」
「ふーん」
ある程度集めてハサミの中が一杯になったのか、サソりんがこちらへ近付いてくる。
まぁ冒険者になるんだし、他人の汗の臭いなんて一々気にしないか。
そんなことを考えながらアイテムポーチをサソりんの方に差し出すと、彼女はポーチに物を入れるでもなく、俺の首元に顔を近付けて「すんすん」と臭いを嗅ぎ始めた。
「……あの~。サソりんさん?」
「なに?」
「いや、何をしてるのかな~と…」
「臭いを嗅いでる」
いやそれは見ればわかるよ。急にどうした?もしかして君は臭いフェチなんですか?そうなんですか!?
あ。可愛いお顔が目の前に……ドキドキするぜ…。
「……うん。別に嫌じゃない。というか臭くないわよ。男らしい、良い香りしてる」
「そ、そうか…」
「うん。私は好きよ」
好き。と言われてドキドキドキドキと、さらに心臓がうるさく鳴り響く。今の俺、顔赤いんじゃなかろうか?
全く変わらないサソりんの表情からして、彼女のこの行動は完全に天然だな…。
「あ。はいこれ。コボルトの素材」
俺が開けっ放しで差し出したままのポーチの中に素材を入れると、サソりんは素材集めに戻った。
「……心臓が鳴り止まない…」
エリスみたいな相手を揶揄う為の言動には耐えられるが、彼女のような天然100%の不意打ちには、俺は耐えられないようだ。
「イケメンに迫られてキャーキャー騒ぐ女の子の気持ちがわかったかもしれん」
「何を言ってるの?」
「サソりんは可愛いな~って話」
「??? ……ふふんっ」
俺の誤魔化しに首を傾げるサソりんだったが、それはそれとして褒められたのは嬉しかったのか、喜びのドヤりんを披露した。
……その内誰かに騙されないか心配だよ…。




