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サブクエスト:行方不明の猫の捜索③ いのちだいじに、依頼優先

お久しぶりです。これからは他二つの作品と並行して投稿していきます。

【コボルト7体から165の経験値を取得】

【ノヴァは9~10にレベルアップ。次のレベルまで2185】


「レベルアップー!」


 コボルトを一気に7体倒し、レベルアップの報告が届く。

 次のレベルアップもまたかなりのかなり経験値を要するけど、他にサブクエストが無ければ三日間ここでレベリングしておけば11にもなれる可能性あるぞ!


「危ない!」


 虫みたいな兜ととんでもない大きさをした籠手?のような装備をしたお姉さんから、そんな声がかかる。

 横からコボルト1体が飛び掛かって来てたからだ。


 俺は一度菊一文字を送還し、ヒョイっと身体をイナバウアーの如く仰け反らせる様にして避けて、コボルトの顔が上に来たのと同時に、顎に向かって膝蹴りを食らわせる。

 その後間髪入れずにコボルトの首を掴んで、後ろに思い切り倒れこんで地面に頭を叩き付けた。


「ぎゃひぃッ…!?」


 そのまま気を失ったコボルトは、間もなくして光の粒子となって消えた。


「な、なんて荒々しい戦い方なの…」


「トリッキーさが売りなもんで」


 すぐに立ち上がって菊一文字を再度召喚しながら答える。

 菊一文字を消したり出したりする俺のスキルについても聞きたそうな顔をしているが、今はコボルトを倒さないといけない為、前に向き直る。


 しかしコボルトたちは俺の攻撃にビビッたのか、襲い掛かってくる気配がない。

 ならばこちらから仕掛けたいが、12体も残っている。《瞬歩》があるとはいえ、下手に突っ込んでは怪我をすることだってあり得る。

 先ほどは初見殺しだから大丈夫だったが、次は一斉に襲い掛かられてしまうだろう。


「俺はノヴァ!レベルは10です!そちらは?」


「こんな時に吞気に自己紹介?……サソりん。レベル13。見ての通り、蟲人よ」


「蟲人?」


 つまり亜人ってこと?へー。初めて見た。

 てことは頭の虫みたいな所は身体の一部か。てことは腕の籠手も?いや、よく見たら鋏だこれ。身体が武器とかカッコいいな。

 あと太い尻尾もある。先に棘があって刺されたら痛そうだ。


 って、今はそんなことよりも……


「俺は基本的に近接戦しか出来ないですけど、そっちは何か飛び道具あります?」


「尻尾の先から毒液を発射できる」


「じゃあ俺突っ込むので、援護を頼めますか?」


「いいけど、貴方に当たるかもしれないわよ?」


「合図してくれたら、さっきみたいに猛スピードで下がるんで大丈夫です」


 俺がそう言うと、サソりんさんはコクっと頷く。

 それを見た俺は、宣言通りにコボルトの集団へと突っ込もうするが……


「ウオォォォォォォォンッ!」


「「「!?」」」


 突然、遠くから遠吠えが聞こえて来た。

 するとコボルトたちは一斉に下がり始めた。


「あ!待てこら経験値ども!?」


「待つのは貴方」


 俺が慌ててコボルトを追おうとすると、サソりんさんが俺の身体に尻尾を巻き付けてきた。


「今の遠吠え、さっきのコボルトたちのとは全然違う。たぶんコボルトたちのリーダーのものよ。恐らく進化個体」


「進化個体?えっと、それって確か……」


「ワーウルフよ」


 ワーウルフ。

 Cランクモンスターで、ブラックゴブリンを大きく凌ぐようなステータスが図鑑に載ってた様な……


「……………た、戦ってみたいけど、さすがに死にたくねぇな…」


「ワーウルフと戦いたいとか、頭おかしい人ね…」


 さすがにあのブラックゴブリンよりも強力なワーウルフ相手は、万全な状態でも勝てる気がしない。

 特に素早さがめっちゃ高かった気がするし、なにも出来ずに蹂躙されそうだ。


 でも変だな?進化っていうのは、魔力濃度が高い場所じゃないと起きない現象のはずだ。

 コボルトくらいしか強いのがいないってことは、そんな場所はこの森には無いということ。

 だけどサソりんさんの言う通りなら、魔力濃度が高い場所があった。もしくは最近何かの拍子で出来てしまった可能性があるな。

 ホムラ村の裏山といい、一体何が起きてるんだ?


 全く何がやすらぎの森だよ…。とんでもねぇのがいるじゃねぇか。

 ここはミャアちゃんを連れて帰るのが正解か…。


 てかそうだったそうだった!俺にはミャアちゃんを連れて帰るというサブクエストがあったぜ。

 俺はサソりんさんに離してもらって、ミャアちゃんを呼ぶ。


「おーい!ミャアちゃん?もう大丈夫だぞ。出ておいで~」


「あのミャアちゃんって子は、君のペットなの?」


「いえ、俺は飼い主から頼まれまして。町の人たちに聞いたら、この森によく来てるって話を聞きましてね」


 そんな話をしていると、ミャアちゃんが草をかき分けて出て来た。


「お!良かった無事で。ミャアちゃん、君の飼い主が心配して……え?」


「あら。そういうことだったのね」


 ただし、茶色の猫と小さな子猫を連れて出て来た。

 これ飼い主になんて説明するよ?

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