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了
黒猫議長に再会するまで随分時間がかかった。彼の「老衰」は進んでいた。私は彼の最期を見取った。
それから船に乗った。空飛ぶ船ではなく、海を行く船だ。その時にはもう、風波という国は無くなっていた。リバウンドも終わっていた。私は津軽海峡を渡って北海道へ上陸した。今の所、私の話はこれでお終いだ。
(了)
同シリーズ一覧
①『消える流れるすり替わる』
②『メロンの楽園』
③『辿れない糸口』
④『氷の目隠し』
⑤『ロッカーの隣人』
⑥『砂に降る影は滑る』
⑦『君のいない船』本作品
⑧『水際ランナウェイズ』
時系列は④(過去篇)→①→②→③→⑤⑦同時進行→⑧→⑥(後日譚)




