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第十八部隊

作者: 椿山 昇

日本の敗戦が見え隠れする中、日本は北海道を放棄することを

決定した。そんな中、俺たち十八部隊は札幌の最終防衛線を守っていた。



「隊長、隊長の守りたい物ってなんですか?」

隊長の脇腹から吹き出る血を抑えながら尋ねてみた。

同じ部隊の竹中は、「なにを、こんな時に」と言っていたが、

隊長の意識が薄れていく中、胸ポケットの写真を指差した。

家族の写真かと思い取り出した

しかし、そこに写っていたものは『第十八訓練生』

俺達の部隊だった。



隊長は、おれたち訓練生の教官でもある。

訓練では、「癇癪玉」との異名を持つほど怒ると恐ろしい教官だったが、

責任感が強く、いい教官でもあった。

そんな、隊長の歌い文句は

「自分のために、死ぬな。仲間のために死ね」

「最後の一人になっても、死んだ仲間を捨てて逃げるな」

だが、必ず最後には

「自分の命は大切にしろ、少しでも長く生きろ」

まったく、無茶を言う人だ意味がわからん。

その時は、そう思っていた。


しかし、隊長は俺達をかばって敵に撃たれた。

仲間のために撃たれた。


十八訓練生の写真を竹中が見ながら

「隊長、懐かしい写真をお持ちですね。自分もその写真持ってますよ」

卒業の時、隊長が入学当時に撮った写真を

訓練生全員に配った時のことを竹中は隊長に必死になって話しかけていた。




隊長もよく意識がまだもつものだと感心してしまう。

だが、だんだん目が虚ろになってきた。

そろそろか、竹中と俺もそう思い始めたその時、

隊長が俺の腕を必死につかみ俺の耳元でなにかをつぶやいた。

「・・わかりました。隊長」

それを聞いた後か聞かなかったかわからないが、

隊長の手は地面におちた。

最後に俺の腕をつかんだ時の握力はとても強かった。



無線では、退避命令が流れていた。

「退避だと!もう逃げる場所なんてどこにもないくせに」

竹中の言うとおりだった

札幌には、いや、北海道には、もう俺たちの部隊しか残っていなかった。

ほかの部隊が退避していく中、

新千歳空港を占拠させないために俺たちの部隊は、ここに残された。

後悔はしていない、自ら志願したのだから、

それに、隊長の最後の言葉もある。

部隊の仲間は、「中隊長どうする?逃げるか、逃げる場所もないけど」など

いいながら俺の命令を待っていた。



「よし、こうなったらガラじゃないが一発喝を入れてやろうか。

 ちょうど敵も攻撃が緩んできたことだし。」

「いいか、お前ら隊長が訓練生の時に口がすっぱくなるまで言っていたことを思い出せ。

 自分のためには死ぬな、仲間のために死ねだが、すぐには死ぬな

 命は大切にしろ、少しでも長く生きろ、

 俺が思うに少しでも 俺たちが長く生きればその分、日本は長く生き残る。

 だから、死ぬなとは言わない。

 だが、生きろ!少しでも長く。

 ・・最後に、死んだ仲間を捨てていくな、と隊長はいいましたが、

 俺はそうは思わない、仲間の屍を乗り越えていけ。以上!」

「いくぞ、総員突撃」



「なぁ、中隊長、聞きたいことがあるんだが」

「なんだよ、竹中」

「お前、隊長になんて言われたんだ」

俺は、にやりと笑いこういった

「秘密だ」

そう言って俺はAK-47を握りしめ戦場へ飛び出した。


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

「第十八部隊」が、自分の一作目になるので

最後まで読んでいただけるかドキドキしています。

これからも色々と書いていきたいので

よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] もう少し説明がほしかったですね。 装備から太平洋戦争ではない戦争だとおうことは分かりますが せめてどこに攻められているのかがほしかったですね。
[一言] どういった過程で日本が敗戦間近まで追い詰められて北海道を放棄するにまで至ったのか、そこが欲しかったですね。 AK-47という機関銃より小銃を用いたほうが良かったのではないかと思います。 もっ…
[一言] そこそこ面白く読めました。 贅沢を言えば戦場の緊迫感が欲しいところですが。 個人的に、主人公のAK-47にはものすごく違和感を感じました。(銃火器が詳しくない人は問題ないでしょうけど) 世…
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