納得できない
「ちょいと、お客さん」
会計を済ませ店を出ようとしたところで仲居に止められた。
「当店では持ち帰り運動を推進してまして」
そう、包みを持たされた。開けると青い梅がごろりと入っていた。見覚えがあるような気がする。
「ご注文された梅酒ロックに入っていた梅です。毎回、残されてたでしょう?」
そりゃ残してたよ。しかし、こんなに飲んでいたのか。酒量を抑えろと言われていたことを思い出すにつけ、忌々しい。こいつらがうまかったからこうなったのだ。こいつらが悪い。
すると梅の方も一斉に渋面を作る。私への恨みか、それともまた顔を合わせたからか。
しかし、そんな顔をされてもなァ。
こいつらがなぜこんなに渋い顔をするのか不明だがばつが悪い。そろいもそろってなぜにそんな顔!
とにかく、極力この青梅たちと目を合わさないようにして帰宅した。
結局、それらは焼酎漬けにしておいた。何が不満で渋面を浮かべているか分からない連中だ。飲ましておくに限る。
後日。
「私が言ったこと、守ってないでしょう?」
医者に注意された。渋面を浮かべている。
みんなあいつらが悪いのだ。
自宅では青梅たちが何度目かの焼酎漬けとなっている。
おしまい
ふらっと、瀨川です。
他サイトのタイトル企画に出展した旧作品です。
梅酒を飲む人はかぷかぷ飲まれますね。




