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納得できない

作者: 瀬川潮
掲載日:2015/01/12

「ちょいと、お客さん」

 会計を済ませ店を出ようとしたところで仲居に止められた。

「当店では持ち帰り運動を推進してまして」

 そう、包みを持たされた。開けると青い梅がごろりと入っていた。見覚えがあるような気がする。

「ご注文された梅酒ロックに入っていた梅です。毎回、残されてたでしょう?」

 そりゃ残してたよ。しかし、こんなに飲んでいたのか。酒量を抑えろと言われていたことを思い出すにつけ、忌々しい。こいつらがうまかったからこうなったのだ。こいつらが悪い。

 すると梅の方も一斉に渋面を作る。私への恨みか、それともまた顔を合わせたからか。

 しかし、そんな顔をされてもなァ。

 こいつらがなぜこんなに渋い顔をするのか不明だがばつが悪い。そろいもそろってなぜにそんな顔!

 とにかく、極力この青梅たちと目を合わさないようにして帰宅した。

 結局、それらは焼酎漬けにしておいた。何が不満で渋面を浮かべているか分からない連中だ。飲ましておくに限る。

 後日。

「私が言ったこと、守ってないでしょう?」

 医者に注意された。渋面を浮かべている。

 みんなあいつらが悪いのだ。

 自宅では青梅たちが何度目かの焼酎漬けとなっている。



   おしまい

 ふらっと、瀨川です。


 他サイトのタイトル企画に出展した旧作品です。

 梅酒を飲む人はかぷかぷ飲まれますね。

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