第1話 ねーね。大好き。
愛しているぽっぽ。
ねーね。大好き。
ぽっぽ。こっちにおいで。
見上げてみると、夜空はとっても綺麗でした。きらきらと光っているお星さまがいっぱいあって、お月さまもとっても綺麗で、なんだかみんな優しく笑っているみたいでした。
「綺麗ですねー」
ぽっぽはにっこりと笑って言いました。
ぽっぽは座りやすい形をしている石の上に座っていて、楽しそうに小さな足を動かしています。
明るい夜には優しい風が吹いていました。その風が木や草や花を揺らしています。(ぽっぽも揺れていました)
ぽっぽはそんな夜の風の音を聞くために目を閉じて耳をすませてみました。
夜の風の音はまるで音楽のようでした。
「ぽっぽ。なにしているの?」
優しい声で(ぽっぽの世界で一番好きな声でした)ぽっぽの『お姉ちゃん』のねーねがぽっぽに言いました。
「あ、ねーね。あのね。お星さまとお月さまを見ていたんです。とっても綺麗なんですよ」
ぱちっと大きな瞳を開いて、ぽっぽは(まるでここに新しい花が一つ咲いたように)かわいらしい笑顔で言いました。
「本当だね。すっごく綺麗。なんだかきらきらしていて、一つ一つの星が宝石みたい。月も街で見るよりも、ずっと輝いて見えるね。なんだか真っ白なドレスを着ているみたい」
ねーねは小さなぽっぽのことを抱っこすると、(大好きねーねに抱っこされて、ぽっぽはとっても嬉しそうでした)ぽっぽの座っていた石の上に座りました。
するとぽっぽは、ねーねの膝の上で、とっても眠そうな顔をして、大きな、大きなあくびをしました。
「もう寝ようか。ぽっぽ」
「まだ眠りたくないです」
うとうとしながらぽっぽはねーねの顔を見ながら言いました。
ねーねとぽっぽ。
二人はとっても仲の良い姉妹に見えます。
でも、『ねーねとぽっぽは本当の姉妹ではありませんでした』。
ぽっぽは捨てられていた子でした。(今は『とても大変なとき』で、捨てられている子や、孤児の子、大きな街の地下で子供たちだけで暮らしているとっても小さな子たちがたくさん、本当にたくさんいました)
そんなぽっぽのことを拾ったのが、ねーねでした。
だけど今では、ねーねとぽっぽの顔はとてもよく似ているように見えて、なんだか本当の姉妹みたいでした。(いつも一緒にいるからでしょうか? とっても不思議ですね)
「ねーね。大好き」
「私もぽっぽのこと大好きだよ」
ねーねに抱っこされて、いつのまにかに眠ってしまったぽっぽ(さっきの言葉は寝言だったみたいですね)のほっぺたにキスをしてから、ねーねはにっこりと笑って、とっても優しい声で(愛を込めて)言いました。(夢の中にいるぽっぽにまで自分の思いが届くように、お月さまとお星さまに願いを込めて)




