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王妃様のお茶会 3

お疲れさまです!

いつも読んでくださって、本当にありがとうございます。

年末ですねぇw


「カロヌロア国、王妃殿下ルドヴィカ様のおなりです」


 開けられた両扉から、陛下にエスコートをされ、王妃殿下が現れる。一斉にとられたカーテシーは王妃殿下が席近くに来るまで捧げられた。


「皆、顔を上げてちょうだい。今日は集まってくれてありがとう」


 艶笑を浮かべる王妃殿下は、後ろに続く両殿下をお産みになったと思えないほど、若々しく美しい。


「妻が今日は楽しみにしていた。楽しんでいってくれ」


 リッチヒルド・カロヌロア陛下が、柔らかな物腰で鷹揚に笑うと、緊張をしていた場の雰囲気が変わった。


「さ、席に着きましょう」


 ヴィンセント殿下が席をひき、王妃殿下が腰掛ける。


「久しぶりね。リュミエール、座ってちょうだい」

「お久しぶりでございます。王妃殿下にはご機嫌宜しゅう…」

「わたくしのテーブルには姪である、ライラ…先日、ヴィンセントの従者であるマルカと婚約が決まりましたのよ。そしてライラの母にあたるわたくしの叔母、ベロニカ・フォルダーノ、そして、こちらはもうご存じかしら、シルヴァンの従者となったマクシミリアン・ビンチョスの妹、エリーチカ嬢よ。皆、気心のしれた者ばかりだから、楽しくやれると思うわ」


 私とマリアを見ながら、王妃様は一人づつ、紹介をして下さった。

 スッとヴィンセント殿下が、自分の席もひいてくれる。


「も、もったいなく存じます、殿下」


 スチュワード(男性メイド)がたくさんいるのに、いくら紳士的対応としても、殿下に椅子をひいていただくなんてとんでもない。


「ひいてしまったのだ。座ってもらわなければ椅子が可哀相だ」

「椅子でございますか?」


 ヴィンセント殿下が、小さく微笑んだ。


「そう、椅子だ」


 王妃殿下も頷く。恐縮しながらもそのままにはできず、目礼をしながら席に着いた。


「失礼いたします…」


 ヴィンセント殿下は、お隣のエリーチカ様の椅子もひく。なるほど、このテーブルは殿下が、参加者の椅子をひくのかしら。恐れ多いわね。


「いつもビンチョスにはお世話なっているよ」


 殿下は一言ずつ添えながら、丁寧に椅子をひいていった。


「フォルダーノ夫人、伯爵の件では心労もあるだろう」

「殿下、お気になさる必要はありませんわ。商人となれば商いのあるところ、伺うのは当然でございます」

「なるほど、勉強になる」


 王妃殿下の左隣の席だったマリアに目をやると、ちょうど陛下と歓談中であった。


「先ほど、ハウネとも話をしたところだったんだ。ハウネは良き後継者を育てたと思っている」

「ありがたきお言葉でございます。兄も望外の喜びでしょう」

「マリアベル、どうぞ」


 こちらは、シルヴァン殿下が席をひいた。


「シルヴァン殿下、いけません」


 わたくしと同じ様に、マリアがわたわたしている。

 お互いに淑女たるを、もう一度勉強し直さないとかしら。


「いけなくないよ。陛下、マリアベルにはダンスレッスンのパートナーをお願いすることになりました」

「そうなのかい?だったら、遠慮をせずに座りたまえ、パートナーとしては当然の事だよ」


 にこにこと陛下に薦められる。


「……っはい。ありがとうございます」


 マリアベルが座ると、隣の従姉弟様である、ライラ様の椅子をひく。


「ライラ、婚約おめでとう」

「シルヴァン殿下、ありがとうございます」


 このテーブルだけ注目度が高すぎる。貴族子女として、口元の笑みは絶やさずにいるが、私もマリアもドレスの中は汗をかいているに違いない。


「リュミエール様、ご機嫌宜しゅう」


 やはり、エリーチカ様は愛らしい声の方。理知的な瞳がきらきらして、マイク様に似ていらっしゃる。少しほっとした。


「ご機嫌宜しゅう。ご一緒できて嬉しいわ」


 他のテーブルもスチュワードたちがほぼ掌握しきったらしく、お茶の用意が始まった。


「私たちも参加できれば良かったのだが、あいにく公務が立て込んでいてね。ルドヴィカ、席を外すよ」


 王妃様の手を取り、唇を寄せると陛下は来た扉からお戻りになられた。

 私たちのテーブルは二席空いたままだった。今日は貴族子女たちを集めたお茶会と聞いていたけど、殿下方もご参加なさるのかしら?


「皆に今日はご紹介をしたい方々がおりますのよ」


 王妃様がいらした扉とは反対側の扉が開く。

 王国では珍しい原色のドレスを身に着けた、女性らしいラインをお持ちの赤毛の方と、美しい黒髪の青のドレスに身を包んだ女性の方が、スチュワードに手を引かれ促されるように、王妃様の前までいらした。

 そして、自国の貴礼らしく、方方だけドレスを摘まみカーテシーをとる。


「アスパーニャ国、第五王女カルナラ・オブラ・アスパーニャと申します。こちらは第六王女ミネア・オブラ・アスパーニャですわ。本日はお招きをいただき、光栄です」


 何というか妖艶な方。日に焼けた肌に金粉がきらきらして、緑色のドレスが映える。


「ああ、だめよ。お二人はお忍びで我が国を訪ねられたのですから、王女ではなく、高位の旅行者の方。それで宜しいわね?」

 

 制するような王妃様の視線に、カルナラ様が何かをいいかけたが、ミネア様が頷く。


「…ええ。構いませんわ」

「では、ナーラとミーネ。このお茶会ではそう呼びましょう。どうぞお座りになって」

「あの…王妃様、そちらにいらっしゃるのが、両殿下でいらっしゃりますの?」


 ナーラ様とミーネ様の視線が殿下方から動かない。瞬きが多いけど、目にゴミでも入ったのかしら。


「ふふ、今日はただのスチュワード(メイド)ですわ。公式でしたらご紹介もできたのですけど…仕方ありませんわね」

「さ、あなたたちは、公務に戻りなさい」


 ああ、だから、いきなり椅子をひいたりなさったのね。お忍びでいらっしゃった貴人の方々のためにも、拝謁などの形はとれないから。陛下もお戻りになるのが早かった。

 両殿下は笑顔を浮かべたまま頷き、美しく貴礼を取ると下がろうとする。


「え、よろしいではないですか、その、少しお話をするくらい!」


 慌ててナーラ様が声を上げるのを、ミーネ様が止めた。


「カルナラ、私たちはただの客人なのよ。無理は言えないわ。父からの書簡が届けば、賓客扱いで夜会にも参加できますの?」

「そうね。入国審査も受けていただきたいわ」

「承知いたしました。この度はご迷惑をおかけしました」


 ミーネ様も美しい方。謙虚な態度に少し、可哀そうに思えてしまう。でも、入国審査を受けていないことには、首を傾げる。


「お若いのですもの、色々手違いもあったのでしょう。アスパーニャ国王には、わたくし共からも書簡を送ってありますからね。すぐに返事も来るのではないかしら?」

「書簡を…送っていただけたのですか」

「ええ、ホテルにご滞在が決まったと同時くらいかしら?」


 にこにことお話しする王妃殿下が、少し怖いのは気のせい?全員が貴族の笑みで流しているけど。

 ヴィンセント殿下が、そっとテーブルに置いてあった扇を指さした。何かお話しがあるのかと、会話をしているのがわからないように扇を広げた。

 すっと屈んだヴィンセント殿下の低い潜めたお声が、耳朶に響く。


「後ほどマリアベル嬢と温室に来るといい。先日のお茶会のやり直しをしよう」

「ひゃ」


 淑女あるまじき声がでてしまった。


「う、承りました」


 マリアに助けを求めようとしたが、シルヴァン王子からひらりと手を振られ『あ・と・で』などと唇を読まなくてもわかってしまうアクションを取られてペコペコしている。


 すでに、神経がへろへろになっている。お茶会は始まったばかりだった。



王妃様のお茶会が始まりまして、ヴィンセントと

シルヴァも動きはじめました。

書いてる時に、なぜかド〇クエの音楽が…ヴィンスの

攻撃『低音、甘やかボイス!』

リュミエールはへろへろになった。

フォルダーノ夫人はいまだアスパーニャ国から帰れぬ

叔父さんの奥様です。


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