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第11話 前日

 準備は急ピッチで行われた。

周りを見ても忙しそうだ。

しかし、アンラの采配の振り方は素晴らしい。

いや、采配の振り方だけでなく、自ら市民の手伝いをしていることにも驚いた。

 国の最高位に君臨する魔王なのに……。

でも、やはりそこはアンラの性格上、見過ごすことが出来ないんだろうな。

 ま、そこがアンラのいい所で、俺が一番好きなところなんだけど。


「ふぇ!?」


ドサドサッ!


「ま、魔王様!?」


 アンラが魔法で運んでいた大量の荷物を、いきなり落とした。


「ち、ちょっと! 作業してる時にそんなこと言わないで!」


 おっと、思わず口に出てしまったようだ。


「もう、そういう事を言う時は2人きりの時にしてよね」


「――――!?」


 まさかの不意打ち!?

アンラは頬を真っ赤に染めながら作業を再開した。

俺も顔が熱くなったまま、作業に取り掛かった。

 周りはと言うと……。


((((羨ましい……))))


 ―――みたいな表情をしている。

女性陣はキャーキャー言って騒いでいる。

男性陣は鼻血を出しながら、涙を流し、


「「「「なんて破壊力だ……」」」」


 なんてことを言って大の字で倒れ込んだ。

その後、俺とアンラは質問攻めにあったことは言うまでもない。





◇◇◇





 星が綺麗に輝き、天の川が見える空の下で、俺とアンラはゲッソリとしていた。


「や、やっと着いた」


「そうね、じゃないわよ! なんであんなことをさらっと人前で言っちゃうわけ?」


「あ、頭の中でそんなこと考えていたら、なんか口に出ちゃった」


「そこで正直な性格出さないで!」


「いや、でもそのあとアンラはかなりの爆弾発言してたぞ?」


「――――うっ」


「自覚はあるのか……。でも俺が悪かったよ。ごめん」


「ふ、ふん……次また言ったらただじゃ済まないからね!」


「―――でも本当は言われて嬉しかったんだろ?」


「う、嬉しくなんかないもん!」


「本当は?」


「――――すごく嬉しくて、誰もいなかったらはしゃいでルーカスに飛び付きたかったです」


 素直でよろしい。

けど、今回の件で俺らの関係を暴露せざるを得ないことになってしまい、俺らの関係について話した。

結果、口笛が響き渡ったんですけどね。


「でも、最初は怖かった」


「何が?」


「暴露した時、市民のみんながどんな反応をされるのか。

だってルーカスは人間だから……魔王のわたしがルーカスと恋人同士になりましたって言いづらいわよ」


 アンラの気持ちは分かる。

俺たちは両思いで、晴れて恋人同士になれたとしても、俺は人間、しかもアーリア王国の出身という、魔族やモンスターにとっては宿敵の存在だ。

批判がおきてもおかしくない。

 でも、みんなは批判を言うどころか、逆に盛大に祝ってくれた。


「それはアンラの努力の成果だよ」


「――――!?」


「アンラが寄り添ってくれるから、市民のみんなは信用できるんだよ。今日だってアンラ自ら行って作業を手伝っただろ?魔王という頂点に君臨するはずなのに、アンラの行動で身近な人の感覚になるんだよ。だから人間である俺がいても安心できるんだよ。アンラが今やっているところは今後も続けるべきだと思う」


 アンラは口を開けていた。

俺何か変なこと喋ったか?

俺が思ったことは全部話したんだけど……。


「ふふ……わたしは魔王という頂点の位にいても、偉そうには絶対にしたくない。魔王っていっても、魔族なのには変わりはないから。ルーカスの言う通り、これからも市民のみんなに寄り添っていく気よ。それにしても―――」


 アンラは視線を逸らすと、


「わたしのこと少し褒めすぎ……」


 ぐはぁっ!!!

本当にモジモジする仕草の破壊力バツグンすぎる!

今日一緒に作業した男性陣と同じ状態になるところだった!


「ついに戦いが始まるのね」


「そうだな……」


アンラを見ると、胸に手を当て、不安げな顔をしていた。


「どうした?」


「――――わたし不安なの。もしルーカスがやられてしまったら……。一昨日からそんなことばかり考えてて」


「大丈夫だよ」


 俺はそう言ってアンラの肩に手を乗せる。


「俺は七帝の頂点の聖帝だったんだぞ? 俺は七帝にボロ負けするなんて無いから。 それにこの戦いは俺の我儘わがままだし」


「ルーカスがそう言ったら、心強く感じる。 そうね! ルーカスは強いから大丈夫よね」


 そして2人で笑い合うと、アンラは俺の手を握ってきた。


「明日は頑張ろうね、ルーカス!」


「あぁ!」

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