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幻想三色記  作者: 白黒原色
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第5話 妹と本好きの楽園

「本当に申し訳ありませんでした!!!!」


 三人はレミリアの話を聞き終えた後すぐに頭を下げた。


「俺たちのせいです。すみませんでした!!!!」


 レミリアが困惑していると、青が頭を下げたまま赤の言葉に対し補足を入れた。


「話の中の大きな衝撃って俺らが墜落したときに割った障壁だと思う」


 レミリアは青の補足になるほどと頷き赤に声をかけた。


「顔を上げて?赤達は悪くないわ。悪いのはミスして赤達を空に出した紫よ」


 レミリアはそう言ってフランの現状について話出した。


「フランは今、自室に引き籠っているの。最近は暴走しなくなったって喜んでいたから、、、」


 レミリアは暗い顔でそう言うと、


「赤、フランと話してあげて欲しいの」


 と、赤に提案した。赤達は顔を見合せながら赤が疑問を呈した。


「なぁ、スカーレットの妹の現状は分かった。だが、何故俺なんだ?」


 赤の言葉にレミリアは、


「フランは、暴走状態の記憶がないの。だから、赤を傷つけたと分かれば対面して謝罪しようとする

かなって」


 腹黒い笑みを浮かべながら赤にそう答えた。


「そうか、まぁ別に良いぞ。俺も会いたいと思ってたからな」


 赤は苦笑いを浮かべてレミリアの提案を受け入れた。


「ほんと!ありがと!」


 レミリアがそう言い、片手を上げると咲夜が移動してきた。咲夜に用件を伝えレミリアは、


「パチェの図書館で待ってるわ!」


 と言い残し部屋から出て行った。レミリアを見届けた咲夜が、


「妹様のお部屋にご案内致します」


 と言い扉の方へ歩き始めた。赤達は咲夜に続き歩き始めた。


「なぁ、咲夜。此処には図書室があるのか?」


 歩きながら青は先ほどのレミリアの言葉を思い浮かべて咲夜に質問した。


「はい、ございます。パチュリー様が管理されて居られています」


 咲夜は歩きながら青の質問に答えた。


「ねぇ咲夜ちゃん。その敬語止めよぉ」


 黄が咲夜に敬語を止めるように言うと咲夜は困った顔をしながら、


「皆さんはお客様ですから。それに他のメイドが勘違いするといけませんし、、」


 咲夜は仕事人としての顔を見せながら黄の願いを断った。


「僕たちそんなの気にしないし、距離感じるから止めてよ」


 黄の言葉に咲夜は難しそうな顔をして赤達二人の方に視線を向けると二人は頷いた。


「分かったわ。改めて、よろしく三人共」


 咲夜が敬語を止めると、黄は満足そうな顔で、


「うん、よろしく~」


 と答えた。二人も黄に続いて言葉を返した。咲夜は小さく頷くと扉の前で止まり、


「ここが、妹様のお部屋よ」


 扉を指しながらそう言うと、扉にノックし返事を待った。


「何?どうかしたの?」


 少し枯れた小さな声、無愛想とも聞こえるが棘はない。咲夜はその言葉に対し、


「お客様を、お連れしました。妹様にお会いしたいと申しております」


 咲夜は態度を崩さず、心配したような声音で用件を伝えると、


「私に?会わない!!」


 完全な拒絶。咲夜は意外な大声に驚愕を露わにし、困ったような顔をした。赤はそれを見て


「十六夜、俺が少し話していいか?」


 咲夜に声をかけ、咲夜の頷きを見て扉の向こうのフランに声をかけた。


「こんにちは、俺の名前は『彩色 赤』。少し話がしたい」


 赤がフランに向かってそう言うと、


「知らない!会わない!」


 フランは変わらず拒絶を続けた。その答えに赤は、


「分かった。ならこのまま話をしよう」


 赤は扉の前に立ちそう言って言葉を続けた。


「君はなぜ人と会わない?俺みたいな他人は分かる。だが、家族に会わないのはなぜだ?」


 赤はフランに向かって質問した。


「傷つけちゃうし、、」


 小さく弱い声で赤の質問に答えると、赤は「なぜ?」とまた質問した。


「能力を制御できないし、、」


 フランは赤の質問にまた答えた。赤とフランの話し合いに咲夜は少し驚きながら見守った。


「?能力を制御できないのは仕方ないだろ?」


 赤はフランの答えに真顔でそう言った。


「え?どうゆうこと?」 フランは赤の言葉に疑問符を頭に浮かべながら聞き返した。


「能力の制御なんて大概の奴には無理だろ。できるのは特殊な教育をされた奴か天才だけだ」


 赤はフランの疑問にそう答えた。


「でも、みんな暴走しないじゃん」


 フランは赤の言葉に疑問を積もらせる。


「ん?あぁ、暴走=制御の有無ととらえてるのか」


 赤はフランとの認識の違いを理解し、納得の表情になった。


「暴走は能力の制御によって抑えらえれる。だが、暴走するから制御できてない訳では断じてない」


  赤はフランに講座をするかの如く話を続けた。


「暴走とは一種のゾーン状態だ。別に悪いことはない。普通のゾーンと暴走の違いは、意識よりも能力が優位に立っているかどうかだ」


 赤は話が一段落するとフランに意識を向けた。


「要約すれば、暴走は能力よりも簡単に制御できるってことだ」


 赤はフランの雰囲気から理解できていないと分かると話を簡単にまとめ、フランに話かけた。


「暴走を抑えるだけならかなり短時間で習得できる。詳しい話をするためにも鍵を開けてくれ」


 赤はフランの望む情報の提示を使いフランの懐柔を目論んだ。(腹黒い)


「分かった!今、開けるね!」


 フランは赤の腹黒い算段に気づかないまま扉の鍵を開け、赤達四人を招き入れた。


「カワよ、ベリーキュート、so cute」


 四人が入り終わると同時に青はフランに向かってそう言った。青は眼の色を変えながらフランに近づいていく。


「青、やめろ。止まれ」


 フランが背中に隠れた赤は青に向かってそう言うと、フランに顔を向け、申し訳なさそうな顔でこう言った。


「変な趣味を持ってるが、悪い奴じゃない。だから、怪我は骨折までに抑えてくれ」


 赤の話を聞いたフランは真剣な顔で頷き、黄と咲夜は苦笑いした。


「兄さん、かなり酷い事言ってる自覚ある?」


 青は赤の言葉に対し真顔でそう言うと、フランに向き直り


「さっきはごめん。少々理性を飛ばしそうになってた」


 青は膝を曲げ、フランと目線を合わせてそう言うと


「兄さん、ここで働きたい。暴走ぐらいなら俺でも教えられる」


 青は赤に顔を向けそう言った。赤は青の言葉に考える素振を見せフランに声をかけた。


「フランドールが良いならいいぞ。館で働くのはスカーレットに聞かないとな」


 赤は青の言葉にそう言うとフランは、


「私は、青でもいいよ」


 赤の問いに答え、青を見た。


「さて、フランドール。悪いが俺たち、予定があるんだ。教えるのはまた今度になる」


 赤はフランに向けて言うと、咲夜に目を向けた。


「妹様、図書館に向かいますが、どうなさりますか?」


 咲夜は赤に頷き、フランに質問した。


「一緒に、行く」


 フランは咲夜にそう答え、赤達についてきた。



  赤達四人は咲夜の案内のもと、紅魔館の図書館に訪れた。




「でっっか!!」


 黄は図書室に入ると同時にそう叫んだ。赤は黄に同意しながら


「気持ちはわかるが、静かにな」


 赤の言葉に黄は頷き、赤は青に目を向けた。


「すごい量だ。パッと見、6割魔法書かな?」


 青は図書館を見渡しながら、そう呟いた。


「惜しい。魔法書は5割、魔術書2割、魔導書1割よ」


 正面から女の声が聞こえ、青の呟きを訂正した。


「持ち出さなければ、閲覧自由よ。自己責任だけどね」


 その声は付け加えていると、レミリアが現れた。


「スカーレット、その人は?」


 赤は現れたレミリアに声の主を尋ねた。すると、レミリアは


「えぇ、紹介するは。パチュリー・ノーレッジ。凄腕の魔法使いよ」


 レミリアがそう言うと、青は眉を顰めた。


「動く大図書館と言われるほどの知識量を持っているわ」


 レミリアがある程度の紹介をすると、


「パチュリーよ。好きに呼んで頂戴」


 パチュリーが一歩前に出てそう言うと、


「よろしく頼む。七曜の魔法使い殿?」


 青がパチュリーの前に立ち、そう呼ぶと、


「あら、あなたは魔術師なのね。こちらこそよろしく」


 と、言い握手を求めた。青はその手を握り、


「一つ、頼みがある」


 パチュリーに蔵書の閲覧を求めた。パチュリーは少し意外そうな顔で頷き、手を離した。


「すまない。ノーレッジ、本が好きなんだ。雑には扱わない、許してやってくれ」


 赤は本を探し行った、青の背中を見ながらパチュリーにそう話しかけた。


「構わないけど、、相当ね。魔術師は魔法使いに対して何かを乞う事はないと思っていたのだけど、、」


 パチュリーも青の背中を見ながらそう言った。


「何事も例外はあるだろ?っとそうだ、スカーレット悪いんだが青を雇ってほしい」


 赤は黄の視線に気づきレミリアにそう言った。


「構わないけど、どうしたの?突然」


 レミリアは赤の願いに頷きを返しながら、疑問を口にした。赤が答えようとすると、


「私の家庭教師に、なってもらうの」


 赤達に付いてきていたフランがそう答えた。フランの答えに対しレミリアは、


「そう、ならフランの世話係として雇おうかしら」


 と、簡単に受け入れた。それと同時に咲夜が現れ、



「お嬢様、妹様。お茶が入りました」


 レミリア達に紅茶の入ったカップを配り始めた。赤達二人にも目で質問し


「青が戻ってくるまで、御同伴預かろうかな」


 咲夜に頷きを返しそう言いながらカップを受け取った。黄も赤に続く形で咲夜からお茶を受け取った。



  青は数時間後、赤達と合流した。



「そういえば兄さん、紫はどうしたんだ?」


 青の質問に赤、黄、レミリア、咲夜は固まり同時に、


「あっ!」


 と、呟いた。赤達は紫の存在を思い出すと急いで紅魔館の正門に向かった。

 するとそこには、寝ている美鈴と顔を俯かせ立っている紫がいた。


「八雲、悪い待たせた」


 赤がそう言うと紫はゆっくり顔を上げ、満面の笑みで、


「うん、いいよ。なんて、数時間も待たされた奴が言うと思う?」


 紫は満面の笑み(目は笑ってない)で赤にそう尋ねた。


「思わないな。すまない、思いの外収穫のある挨拶になったんだ」


 赤は申し訳なさそうな顔で言い訳にも聞こえる言葉を付けながら紫の質問に答えた。


「まぁ、分かってたことだからいいわよ。次に行きましょ」


 紫は赤の言葉にため息を吐きそう提案した。赤達三人は紫の提案に頷き紫に近寄った。



  赤達四人は空間の裂け目(紫の能力)を使い移動する。

お久しぶりです。白黒原色と申します。この作品は東方projectの二次創作です。原作をご存じの皆様方からすれば見過ごせない点が多くあると思われます。そう言った場合は作品を読むのを止めるか感想等で指摘いただけると助かります。さて、紅魔館編終了です。青の就職が決まり喜ばしいですね。次回は幻想郷巡り3番目の地です。どこになるのやら。次回もお読みいただければ幸いです。

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