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幻想三色記  作者: 白黒原色
3/16

第3話 弾幕はパワーだぜ!

「兄さん?」


 赤の向いている方向に違和感を感じた黄が赤に声をかけると赤は小さく首を横に振った。

 と、同時に霊夢の近くにトンンガリ帽子を被った金髪の少女が下りてきた。


「霊夢!大変だ!」


 焦ったような口調で話された言葉には焦りよりも興奮が多く含まれていた。全員が不思議に思っていると赤達に気づいた金髪の少女は赤達に向かって口を開いた。


「見ない顔だな。お前達は?」 


 先ほどまでの興奮が嘘のように無くなった声で尋ねてきた。赤は小さな雄猫を思い浮かべながら質問に対し返事を返した。


「俺たちはここの新しい住人だ」


 赤は簡潔に答えを返し、金髪の少女の服装を観察していた。メイド服にも似ていて少し違うエプロンのような違うような、、

 魔女見習いの言葉が浮かびしっくり来たのか赤は小さく微笑んだ。青達二人を見ると同じような事を考えていたのか目が合いまた、三人は微笑んだ。


「そうなのか、私は『霧雨 魔理沙』魔法使いだぜ。よろしくなお前達」


 魔理沙がそう言うと、青は少し眉を顰めすぐに元の表情に戻った。


「よろしく頼む、霧雨。俺は...(略)」


 三人が自己紹介を終えた後、赤は魔理沙に対する疑問を口にした。


「霧雨、お前は博麗に用があったんじゃないのか?」


 赤がそう聞くと魔理沙は大きく目を開き霊夢に向かって声を出した。


「そうだった!霊夢、私と戦ってくれ!」 


 魔理沙は先ほどの興奮を蘇らせ霊夢に向かって手を合わせながらにそう言った。


「嫌よ」 


 即答、簡潔に霊夢は魔理沙の願いを断った。その後、少し考る素振を見せて赤の方に視線を向け人の悪い笑みを浮かべてこう言った。


「魔理沙、赤達の力見たくない?」 


 霊夢は悪びれすらせず、魔理沙に悪魔の囁きをした。すると魔理沙は、、、


「赤!私と戦ってくれ!」 

 

 スッと体の向きを変え赤に対して手を合わせながらにそう言った。赤は苦笑いを浮かべて紫に視線を向けると、紫は苦笑いを浮かべながら頷いた。


「いいぞ。霧雨、場所はどうする?」 


 紫の頷きを確認し、魔理沙に承諾の意と範囲の確認を行った。魔理沙は赤の答えを聞くと霊夢に顔を向けた。


「物壊したら、賠償金請求するからそのつもりで」 


 霊夢は魔理沙の視線に頷きそう付け加えてから社の方に下がっていた。残った三人も霊夢に続き社の方に下がっていった。


「青!悪いが結界を頼む!」 


 赤は魔理沙との距離を十分にとってから、青に向かって叫んだ。青は赤の言葉に頷きを返し。


「魔術水陣【泡沫】」 


 と呟いた後、赤達二人に向かって手を振った。赤はそれを確認し、魔理沙に話しかけた。


「それじゃあ、やろうか。お手柔らかに頼む」 


 そう話した後、静寂が訪れ参道横の木が揺れ木の葉が一枚赤と魔理沙のちょうど真ん中に落ちた。

 と、同時に二人の戦いが始まり、二人はそれぞれ動き出した。


「それじゃぁ、小手調べだぜ!」


 魔理沙は始まると箒に乗り空へ昇りながらそう言った。赤は動かず魔理沙を観察していた。


「魔符【ミルキーウェイ】」 


 魔理沙は上昇を止めると同時にスペカを呟き攻撃を始めた。赤は右足を軸にして魔理沙の攻撃を回避していた。


「やるな!赤、次だぜ!」


 魔理沙は赤に被弾がないことが分かりそう言った。赤は少し笑みを浮かべて魔理沙の出方を窺っていた。


「彗符【ブレイジングスター】」


 また、スペカを呟きながら空を飛び回る。赤は回避に徹し攻撃や防御の気配すらない。そのことに魔理沙は、


「避けるだけじゃ、勝てないぜ!」 


 少しイラつきを含んだ声でそう言った。赤は変わらず回避を続ける。


「魔符【マジカルR360】」 


 技が当たらないことにイラつき、焦りが生まれる。イラつき、焦りは簡単に冷静さを無くし、技を1,2段階下げる。魔理沙のスペカは先ほどより荒く大きな技になっていた。

 赤がそんな隙を逃す訳も無く。赤は小さく技の名を呟いた。


「魔術魔弾【炎弾】」


 威力は低く数で勝るための技が魔理沙の魔弾と衝突し、相殺。煙幕が境内を包み込んだ。


「んなっっ」 

 

 完全に予想外の展開に魔理沙は声を出し空中で動きを止めてしまう。赤は煙幕の中に入り魔理沙に向かって歩き出した。


(煙幕のせいで赤を見失った、、、)


 魔理沙は赤を見失い、赤は魔理沙を認識していた。赤は魔理沙の下にたどり着くと、足を曲げ魔理沙の正面に跳び上がった。


(どうする、、?、煙幕が晴れた?っっっ!) 


 赤が跳び上がったと同時に煙幕が社の方から晴れて行き、魔理沙は赤の強襲に気づき咄嗟に高度を上げた。


(、、黄か?さて、どうするか、、)


 煙幕が晴れたことにより魔理沙に避けられた腕を振り降ろし切りながら、赤は冷静に考えながら下りていった。


「そろそろ、新魔法だぜ!」 


 魔理沙は上げた高度を保ちながらそう言うと、スペカを呟いた。


「魔符【スターレイン】」 


 魔理沙を中心に3つの円が生まれ、3つの円の縁から形状、速度、威力の違う様々な魔弾がランダムに放出され始めた。


(マジか、回避優先だな) 


 赤は魔理沙の魔法を見てそう結論づけ回避に集中した。4,5回の波状攻撃が止むと魔理沙は、


「これが1発も当たらない、なんてショックだぜ」


 と告げた。魔理沙の告げた通り赤に被弾は無く、赤は全ての魔弾を避け切ったのである。


「赤!魔法も試したからこれで最後だぜ!」


 魔理沙が戦いの終わりを宣言すると、赤は大きく笑みを浮かべ


「そうだな、そうしよう」 

 と答えた。赤は魔理沙に向き直り、魔理沙は少し高度を下げて赤に目を向ける。


「恋符【マスタースパーク】」 


 大きく高らかに魔理沙はスペカを声にすると同時にポケットから手のひら大の小物を取り出し赤に向けた。


(おいおい、、それはヤバいだろ、、、)


 赤は放たれようとしている魔法に戦慄しながら、小さく技名を唱えた。


「魔術砲線【指向式魔力熱線砲(マスタースパーク)】」


 赤は両手で何かを包むような仕草を見せ魔理沙に向けて両手を突き出した。

 刹那、両者の光線が正面から衝突し、接触面が輝き周りを照らしていく。次の瞬間、接触面で爆発が起こり周囲に衝撃がまき散らされる。


「強いな~、さすがだぜ赤。最後は特にな」


 魔理沙は閃光と衝撃が収まると、赤に向かって笑いながら話し掛けて来た。


「ありがと。霧雨もすごかったぞ。引き分けか?」


 赤は歩いて来た魔理沙に笑みを返しそう言った。


「ああ、引き分けで良いのぜ」


 魔理沙は赤の質問に対しそう答えた。二人が話している間に近づいていた青が二人に声をかけ


「お疲れ、兄さん・魔理沙」 


 青に続き残りの三人も歩いていることを認識しながら赤は青に返事をした。


「サンキュ、そういえば黄。なんで煙幕晴らしたんだ?」 


会話できる距離まで近づいていた黄にちょっとした疑問を聞くと黄は、


「ごめんなさい」 


 黄は赤の質問に対して申し訳なさそうな顔でそう言った。それに赤は、


「いや、怒ってないぞ?理由が気になっただけだ」


 赤は一切の悪感情の無い声でそう言うともう一度黄に対して質問をした。


「実は、、、」 


  時は遡り戦いが始まる少し前、、、


「どっちが勝つと思う?」 


 霊夢は後ろを歩いていた三人にそう聞いた。すると、


「兄さん(赤ね)」 


 三人とも赤が勝つと予想した。それに霊夢は、


「以外ね。紫も赤が勝つと思っているの?」 


 と、紫が赤が勝つと即答したことに疑問を持った。


「魔理沙も弱くないわよ?」


 霊夢はそう言いながら紫の方に視線を飛ばした。


「ええ。でも、あの暴走したスカーレットの子を相手に勝っていたからね」


 紫は霊夢の疑問と魔理沙の評価に対して肯定しながら理由を付け加えて答えた。


「え?暴走状態のフランに勝ったの!?」


 霊夢は自分たちが手を焼く強さを思い浮かべながら聞き返した。


「ええ、それも傷つけないように配慮してね」


 紫は霊夢の言葉に丁寧に返しながら、詳細を加えた。


「なるほどね。なら、納得だわ」


 霊夢は紫の言葉を納得した声音で返し、魔理沙達二人の方を向いた。


「始まるな」


 赤達の方を見ていた青がそう言うと、黄は頷き、紫は顔を前に向けた。

 魔理沙の攻撃を回避し続ける赤を見て霊夢と紫は眉を顰めた。


「ねぇ、どうして赤は攻撃しないの?」


 霊夢は隣にいる黄に尋ねることにした。すると、黄は視線を霊夢に向けて


「分からない」


 と答えた。霊夢は黄の奥にいる青にも目を向けたが、青も訝し気に眉を顰めて、口を開いた。


「魔理沙は見るからにパワータイプだ。だが、燃費が悪いわけじゃない、それは兄さんも分かってるはずだ」


 青はそう言うと口を閉じた。すると、次は黄が口を開いた。


「つまり、魔理沙に長期戦で挑むのは悪手なんだ。それに、今日はまだ予定が残ってるから時間をかけるはずがない」


 そう締めくくり赤達の方に視線を戻した。


「あら、煙幕ね。見えなくなってしまったわ」


 紫は赤と魔理沙の魔弾による煙幕に困ったような顔をしながら呟いた。


「あぁ、そうだね。兄さん仕掛けるだろうけど晴らそうか」


 黄がそういうと、青は少し黄から離れた。すると黄の手には刀が握られており、黄はその刀を構えた。


「剣術抜刀【霧祓い】」


 黄が呟くと煙幕が押しのけられ晴れていく。


 抜刀、一閃、納刀一瞬の技に霊夢も紫も認識できず、青ですら振り切った後からしか認識できない抜刀術により霧が晴れた。


「あっ、最悪のタイミングでしちゃった」


 黄がそういうと霊夢と紫の二人は黄の技からハッと意識を戻した。

 魔理沙の新魔法が放たれると、青は感嘆の息を上げた。それに気づいた紫が青に視線を向けて目で理由を促した。


「魔理沙の技量じゃあの規模の魔法は無理だ。だが、ランダム、つまり精密さを捨てることで魔理沙にも発動できるレベルに格下げされている」


 青は紫の視線に対し返した。


「え?あれも避け切るの!?」


 霊夢は赤が大量の弾幕を被弾無しに抑えたことに驚愕した。青と黄は当然とばかりに頷き視線を戻した。

 赤と魔理沙が最後の魔法を衝突させると。霊夢と紫は衝撃から目を背け、青は魔理沙の魔法の不安定さに眉を顰め、黄は爆発の結果を見届けようと正面を向いたままだった。


「引き分けかな?」


 爆発と閃光が止んだ後に黄が小さく呟いた。その言葉は観戦していた全員の耳にしっかりと聞こえた。

 青は結界を解き二人に向かって歩き出した。青に続く形で三人も歩き始めた。


  現在に至る、、、


「なるほどな、、」


 赤は観戦組の話を聞くとそう呟いた。黄は赤の呟きに少し怯えながら赤の表情を見ていた。


「黄、そんな怯えるな。怒りゃしねぇよ」


 黄は赤の言葉を聞き、怯えるのをやめた。


「さて、挨拶はこのぐらいにして次に行こうか」


 赤はそういって、紫に目を向けた。紫は赤の視線に頷きを返し霊夢と魔理沙から少し離れた。


「色々と世話になった。またな」


「二人とも、それじゃまた」 


「二人ともまたね~」


 三人はそれぞれ赤、青、黄、の順に挨拶を言って紫に近づいていく。


「それじゃ、行くわよ」


 紫がそう言うと、空間が歪み裂けた。


  赤達四人は空間の裂け目(紫の能力)を使い移動する。

お久しぶりです。白黒原色と申します。この作品は東方projectの二次創作です。原作をご存じの皆様方からすれば見過ごせない点が多くあると思われます。そう言った場合は作品を読むのを止めるか感想等で指摘いただけると助かります。さて、ようやく東方二次創作らしい弾幕バトルが登場しました。原作では全てが弾幕ですが、個人の解釈として物理攻撃等に変更したりします。お許しを。赤、強かったですね。今のところオリキャラ2人、東方キャラの中で最強として設定しています。再びご了承を。

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