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あなたのことが大っ嫌い
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「私、あなたのことが大っ嫌い。もう別れよう。」
数滴の大粒の涙を浮かべながら、彼女はそう言い、今まで一緒にいた公園を後にした。
早い時間に青から橙へ塗り直された冬の空は、黒色が蝕み始めた。
それはまるで俺の頭の中のように。
あるいはまた、壊された未来のように。
様々な想いが遅れて錯綜し始めた。
後悔先に立たずという言葉の通り、今更後悔したところでなにも残らない。
もう――諦めよう。
そう思っている傍ら、諦めきれない気持ちのそれが突如とこみ上げてきた。
どうすればいいのだろうと、自分は思い続けた。
錯綜したたくさんの想いは、今の空のように暗く、何かが俺の心を蝕んでいき、歪む。
雨が降り始めた。
それは俺のことを哀れんでいるかのように。
もしくは洗礼を俺に受けさせるかのように。
あるいはこれが彼女の気持ちを表しているように。
結局、俺はこの場に一時間近く立ち続けた。
寒さは、感じなかった。