【第10話】◆【オーレリア】
「ヴィシュヌ様。すべて終わりましたよ」
愚かな考えを持つ銀破石羅族を救済できた。
それを契約者であるヴィシュヌ様に御報告する。
『よくぞ一晩で銀覇石羅族を……やはり貴女は優秀だな』
「お褒め預かり光栄でございます。ヴィシュヌ様」
『えぇ、でも油断は禁物ですよ。彼女が封印を解いたという情報が今、入ったからね』
「彼女も殺してしまいますか?」
『排除が可能ならば、新世界の為に彼女には消えてもらいたいが……出来るかな?』
「お任せください、貴方様の創造される世界の為にあの女は排除しておきます」
『ありがとう、無理はしないようにね』
「承知いたしました」
私が承諾すると通信が切れた。
ヴィシュヌ様の方からしか通信は出来ないから……
最期に話せてよかったな……
あの方のおっしゃる通り油断は禁物だ。
銀覇石羅族で一番強い破壊属性持ちの女神ジュリエット。
私の描いた封印魔法陣を解除するとは……
己の生命と引き換えにしてでも私を封印しようとしてくるかもしれないからね。
私の謀略の所為とはいえ自分の事を裏切った神々のために私を殺すまたは封印しようとは思わないだろうが……
いや、少し考えよう、彼女は合理主義なところがあるけど恩義を感じている神には献身的な女神だ。
やはり私を排除するだろう。
ましてや、自国を滅ぼし、同族を滅亡させた私は彼女の憎悪を一身に受けることになる。
「ジュリエットさんはそのうち来るでしょうし、その時対策を考えるとしましょうか。まぁ、罪能と功能を有し、制御している私に上級女神が勝とうだなんて蟻が象を殺そうとするようなもの」
私はヴィシュヌ様のご家族の皆様にテレパシーを用いて作戦完了と伝えた。
あの方々は統一宇宙空間創造任務へ移行するみたいです。
その事を後ろ盾の吸血鬼神龍と神々に伝えた。
無事に銀破石羅族を虐殺していたので、後は私の指示で平和が完成する。
しかし、都合の悪い所で出て来るのだ破壊の女神ジュリエット。
神殺しジュリエット。
彼女は我々大罪堕神龍を殺害する為に生まれた銀破石羅族の突然変異体。
そう言えるだろう。
能力には神殺術という強力な魔法を放ち攻撃を行う。
この攻撃を受けると異世界転生時に記憶を喪失し我々が有している特殊能力を全て失う事になる。
通常の異世界転生では記憶を失う事は無いし更にはチート能力を手に入れて転生する事になる。
ゆえに彼女は強力だ。
生半可な覚悟では私の方が封印されるだろう。
まぁ、別に構わないが……………
しかし任務は完遂しなければなら無い。
ヴィシュヌ様の為にも本気でいこうか。
「私の家族は…………」
神出鬼没。
死神は状況を確認する能力が無いのだろうか?
しかし、危険な事は変わりないので私の協力者を呼んでおく。
「おはようございます、ジュリエットさん。まだ寝ていても良かったのに……」
「私の家族は…………」
「君の家族には消えてもらったよ。そのほうが幸せじゃないのかな? 銀河を破壊し続けるがん細胞でいるよりは…………」
「貴様…………」
ジュリエットが殺意を向けて、攻撃態勢に入る。
「悲しいね。私達は愛し合う運命なのか……ジュリエットさん」
「そうだな。死ね」
ジュリエットの攻撃を避ける。
私は罪能『富国強兵』を使用する。
この能力は自身の魔力を増加し、空間内の魔量素を取り組む魔力増強能力だ。
相手が破壊の女神だけに慎重に行くか。
罪能『粛正の鞭』で自分の手指を全て鞭に変える。
「破壊陣『魔攻防破壊』」
魔攻防破壊か!
つまり今の彼女には魔法攻撃及び防御が効かないという事だ。
目眩まし程度にブラックホール手裏剣を投げるとしよう。
ジュリエットが蹴り攻撃をしてきたので飛行魔法で避けつつ時間稼ぎのブラックホール手裏剣を投げるが予想通り素手で破壊された。
この女神は異常だと私は改めて思う。
新宇宙創造前に排除しておかなければヴィシュヌ様に負担がかかる。
祝福持ちの天敵『粛正の鞭』で彼女に近接戦を挑む。
近接戦で挑む私を見てジュリエットは祝福『音速の後退』で後ろに下がる。
困ったな祝福殺しといえば聞こえはいいが鞭をあてないと意味がない。




