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大罪と魔女シリーズ

家族愛と大地の魔女

作者: リィズ・ブランディシュカ



 ベッドの上から動けない体である私は、食べる事を知らない。

 栄養は投与されるもので、かみ砕き咀嚼して得る物ではなかったから。


 そんな私と違って、たくさんの妹と弟が、おいしそうにご飯を食べている。

 私はそれを眺める事しかできない。

 でも、私はお姉ちゃんだったから、どんなに食べてみたくなっても横取りなんてしない。

 むしろ、食べられないからこそ、美味しく食べられる妹と弟たちを応援していた。


 たくさん食べて、私の分まで大きくなってほしいのだ。

 こんな貧相な体のままと私とは違って、彼等は大きくなれるのだから。


 それだってのに、どうして残すのだろう?

 もっとたくさん食べなくちゃいけないのに。

 好き嫌いしているのだろうか。


 食べる事は良い事で、健康のためで、成長のためなのだから。


 だから、私がしっかり食べさせてあげなくちゃいけない。

 起きてる間はわがままばっかりで食べてくれないから、寝ている間に詰め込んでしまおう。


 ご飯は最後にはお腹におさまって栄養になる

 なら、お腹はどこにあるのだろう。


 直接ご飯を入れた方がきっと栄養もばっちりとれるはず。

 きちんと探さなくちゃね。


 大丈夫、投与の仕方は知っているから。






 大地の魔女はお腹を空かした者達を放っておかない。

 土地を潤して作物をたくさん作って施す。

 だから、人々が……

 おなかがいっぱいになるまで、放っておかない。

 ご飯に不自由しなくなるまで、放っておかない。


 けれど施された者達はいつも言うのだ。


「もうお腹がいっぱいだよ」






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