思ってた弟と違う…
――えっ……?写真では小学4年生くらいのランドセル背負った可愛い男の子をミヨさんに見せられたのだけど…
身長は遥かにミヨさんを超えてるし…なんならアタシより年上なんじゃない!?ってくらい落ち着いてるし…
いやけど、それよりも何よりも…
髪の毛が金髪なんだけど!!!
綺麗に色が抜けてる金色
前髪はセンター分けで根本が少し立ち上がっていた
耳辺りまである前髪は外に緩くハネていて
襟足は少し刈り上げられ、髪は全体的に緩くハネさしていた
――え!?ヤンキー!?ふ、不良なの!?いや、オシャレの金髪だよきっと!うん、そうであって欲しい
けど…きっと背も高いと思うんだけど…背中が曲がって立ってるから…立ち方がヤンキーなんだけど…
やっぱりヤンキーなのかな…
徐々に怖くなってくるハル
――いや、けどちょ、ちょちょっと待って!!///
顔が…顔が整い過ぎなんだけど!!///
驚いてパチパチと瞬きするハル
眠そうに見える幅の広い二重
あまり焼けてない白い肌に綺麗な輪郭
高い鼻に薄い形の良い唇
綺麗な顔は中性的で整っていた
「リツ君、久しぶり。今日からよろしくね」
「よろしくお願いします…」
――えっ、お父さんはもう知り合いなの!?えっ、アタシだけこの状況に驚いてるの!?
父の挨拶を見て慌てるハル
「は、はじめまして!小林 晴です!!よろしくお願いします!」
深々と勢いよく頭を下げるハル
「…よろしく」
綺麗な声が呟く
ゆっくり顔を上げると
「俺、部屋の片付けしてくる」
ミヨにそう言うと部屋に戻って行った
「ハルちゃんこれから…」
ニコニコして喋るミヨに飛びかかるハル
「ミヨさん!!騙しましたね!!全然写真と違うじゃないですか!!」
ミヨの両腕も掴んで揺らすハル
「ごめんなさい!!同い年の男の子とこれから一緒に住むなんてなったらハルちゃん嫌がるかなと思って…言い出せなくて!!」
両手を合わせて申し訳なさそうに謝るミヨさん
「同い年なんですか……」
更に驚くハル
「ハル、すまん!俺も中々言い出せなくて…ハルは年頃だし、気にする事はたくさんあると思うけど、俺は4人で家族として暮らしたいと思ってる。けどこればっかりはハルの気持ちもあるから難しいようだったら言ってくれ…」
両手を合わせて謝る父
「……わかった。すごい驚いたけど、アタシもここで暮らす以上はみんなと家族になれるよう努力する。けど騙すのはこれから無し!!」
――最初から言ってくれればもう少し心の準備っていうものができたのに…確かに同い年の男の子と暮らすのはものすごく複雑な心境だけど、ミヨさんの息子さんだもん。
アタシのこれから家族になる人に歳とか関係ないよね…
あの人だって同い年の女の子と暮らすの複雑だろうし…
お互い様なんだからアタシだけわがまま言えない
「ハル…ありがとう。今まで黙っててごめん。」
「ハルちゃんありがとう…ごめんなさい。もう嘘ついたりしませんっ」
2人がホッとしたようにハル見る
その2人を見て呆れたようにふっと笑みが溢れた
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その後、ハルも自分の部屋に運ばれた荷物を整理しようと2階に上がった
2階に上がると右側に2つ扉があって、手前側がハル奥側がリツの部屋割りになっていた
――今日からここがアタシの部屋…
新しい部屋にはベットと机だけ運びこばれていて後は山積みの段ボールがあった
とりあえずベットにダイブするハル
――アタシ、これからあの金髪ヤンキーイケメンと暮らしていくのか…大丈夫かな…
というかヤンキーなのにあんな綺麗な顔してるとかめちゃくちゃモテそう…イケメンって言うより、美人ってくらい整ってた、ミヨさんにあんな息子がいたとは…
まぁ、ミヨさんの息子さんだからきっと悪い人じゃないよね!
うん、きっとそう!弱気になるなアタシ!!
思ってた姉弟とは違うけど、一緒に住む家族だもん!
一緒に過ごしていけばきっと自然と姉弟になれるよね
ハルはゆっくり目を閉じて少し眠った