賢者、皇帝陛下に褒美をねだる
今日も2回行動の気分
この前のデートで俺はノアさんをもっと積極的に色々な場所に連れて行ってあげたい。
そう思った俺は謁見の間へ向かった。
「皇帝陛下お願いがございます」
「マギか。いいだろう言ってみろ」
「グリフォン討伐やハイエルフの保護、そして交渉の件で保留していた褒美をいただきたく......」
「金や地位でなびかなかったお前が要求する褒美か。少し怖いがまあ良い話してみよ」
「ありがとうございます。ノアさんを定期的にどこかへ連れ出す許可というのはダメでしょうか?」
皇帝陛下がしばらくポカンとした顔をしていた。
「ははは!聞いたか宰相!やはりノアをマギに任せるのは正解だったのではないか?」
「はぁ結果的には良い方向に転んだみたいで......」
「良い方向に転んだどころではないだろう!これは最良の結果を手に入れたと言っても過言ではないわ!」
「はぁ......」
「ああマギすまんな。つい興が乗ってしまったわ。褒美の件だが良いだろう。しかしノアとお前が同時に帝国を離れると国防が脆くなる。数ヶ月離れる場合は事前に声かけてこい」
「ありがとうございます!ノアさんにも伝えきてきます!」
「ああ行ってくるとよい」
俺は急いでノアさんの部屋まで来ていた。
「ノアさん!いい報告があるんです!」
「何ですか?マギにしては珍しく興奮してますね」
「すいません、お恥ずかしいところを。ノアさんこれからは定期的に外に出れますよ!」
ノアさんが少し驚いた表情をする。
「マギいくら私を騙そうとしてもそれは無理な嘘ではないですか?」
「嘘はついてないですよ。皇帝陛下に確認していただいても構いません」
「マギがそこまでいうのであれば本当なのでしょう。しかしよく許可が降りましたね」
「ハイソウデスネ」
「マギ貴方何か隠してませんか?」
「い、いえ。そんなことは」
実は帝国に来た時にノアさんに言われていたことが1つある。それは何か功績を挙げて報酬を貰う権利を得た時は自分の為に使って欲しいというものだ。
つまり俺は初めてノアさんの言いつけを破っているということになる。
「マギ私を騙し通せると思っているのですか?何なら今からお父様に確認させて頂いても良いのですよ」
「すいません。帝国に来てからの功績を全て使いました。どうしてもノアさんに外の景色を見て欲しくて......」
「貴方の気持ちはとても嬉しいですが貴方は将来私が何かしらの都合で城を出ていかないといけなくなった時にどうするのですか?」
「その時は俺はノアさんと一緒に世界を旅するという覚悟ができています」
「マギ将来誰かにプロポーズの言葉を言うならもっといい雰囲気の時をお勧めしますよ」
「あっいえ。そういうつもりでは......」
「ふふ、分かってますよ。マギの心意気は受けとりました。仕方ありませんし今回だけは許しましょう」
「ありがとうございます!」
こうしてノアさんにある程度の自由が許された。
「師匠ノアにプロポーズしたって本当ですか?」
後にいらない噂が流れるのはまた別のお話だ。
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