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Robowth「彼は成長の歩みを止めない」  作者: 羽織 輝那夜
ロボットの暴走
5/11

2-3トレーニング(ミッション1試験)

「そろそろ自分でも気づいただろ。このトレーニングの意味に。」


「多分ですが、集中力、忍耐力、観察力の強化…ですか?」

私は不安だったが、そう答えると

博士は笑い

「そこまで気づいたのなら及第点だな。次は動体視力を鍛えよう。体の次は目だ。バッティングセンターを用意した。最初の球はキレが無いぶん見分けやすいだろう。赤は打て、青は打つなよ。


昨日のイメージトレーニングの成果なのか、集中力が明らかに良くなっている気がする。簡単すぎる。


トルイドはほとんどホームランを打ち続けた。球の回転方向がしっかり見える。球が速くなっても、それは変わらなかった。


私は、明らかに成長している。


それを実感するだけで、とても強くなれた気がする。これで博士をもっと護れると嬉しくなってくる。


「パッティング終了!!」

博士の声が鳴り響く。

「どうだ、自分の成長に驚いたか?」


「はい、2日でここまで成長できるなんて思ってもいませんでした。」

私は、自分の手を見ながら、そう言うと、


「次は、昨日やった特訓に戻ってもらう。しかし、昨日と同じだとは思うなよ。相手のレベルを10倍はあげておいた。これを一定時間避け続ける事に成功したら、この特訓は合格だ。」


「えっ!?、10倍って高すぎではないですか?」


しかし、博士の言葉は返ってこなかった。


相手が現れると、すぐ戦闘が始まった。相手は速くはなっていたがトルイドは、軽々と攻撃を避け続けた。


これで、ほんとに10倍なのか?相手の全身の動きを見る余裕まである。


2時間が経過すると、終了の音がなる。


「よくやった。クリアだよ。成長が早過ぎて私もついにやけてしまったよ。よくやった、トルイド。ご苦労さま。戻って来ておくれ。」


博士のいる研究室へ戻ると、美味しい匂いがした。

「博士、この匂いはなんですか?」

こんな匂いは今まで嗅いだことがなかった。


「それはステーキだ。特訓合格おめでとう。そんな君へのご褒美だ。」

博士はそう言いながら、私を席へと案内するとステーキを皿にのせ、テーブルへと運んできた。


これがステーキなのか、初めて見た。ナイフで一口サイズに切り分け、口へ運ぶ。トルイドは、これまで味わったことのないような味覚を感じた。

「美味しい!!何だこれ、口に入れた瞬間に香りが美味しいと教えてくるようです。それに噛むたびに肉汁と旨味が出てきますよ。これがステーキなんですか。とても美味しいですよ。博士!!」


「それは良かった。美味しそうに食べているところ、悪いのだが。敵が動きを見せた。私の計算だと明日には、ここに来るはずだ。それまでに体のコンディションをしっかり整えておいてくれ。」


「次の敵ですか、いったい何体いるんでしょうか。」


「それは私にもわからない。しかし、あの事件の幹部は3体だったと聞いている。少なくとも残り2体はいるだろう。」


私は、家に帰りベッドに入るがなかなか眠る事ができない。それは明日来る敵が怖いからでは全く無い。むしろ今自分がどれほど強くなったかを確かめたいという気持ちのほうが強い。


「全然眠れない。そうだ!!体を動かせば眠くもなるだろう。1.2.3.4…」


トルイドは、筋トレを始めた。だが以前やって辛かったトレーニングをやっても辛くならない。辛くならないのだから疲れることもない。ここまであの特訓が強烈だったのか。よく自分は乗り越えることができたな。などと考えているうちに寝てしまった。


トルイドは目を覚ました。外を見ると空では星たちが踊っていた。時間を確認すると夜中の2時頃だった。なぜこんな時間に起きてしまったのだろうか?すると、自分に対しての疑問が次から次へと出てきた。私はロボットなのに動体視力など人間のようにトレーニングする事で鍛えることができる。普通はパーツなどを交換してバージョンアップするのではないのか?次になぜ私はご飯が食べられる。ロボットに食事は必要ないだろう…。


博士の技術が神がかっていたという事だろう。ここまで、レベルの高いロボットを作れるなんて凄すぎる。いったい、博士はどうやって私を作ったのだろう。


太陽が昇る。鳥たちのさえずり聴こえ始めた。

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