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Robowth「彼は成長の歩みを止めない」  作者: 羽織 輝那夜
ロボットの暴走
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ロボットの暴走

それは急に各地で起こった。

災害よりも最悪で戦争が可愛く見えてしまう出来事が。


2060年、私たち地球の人口は100億人を突破した。月へ行くのが楽になった事で、月で農業をする事ができるようになった。急激な農業革命により食料難が忘れ始めた頃だった。 


各地でロボットによる同時多発テロが行われた。この時世界中にいたロボット約50億体、その半分以上が特殊なAIの発展により人類を滅ぼし始めた。ロボットに感情があるのかはわからないが、見つけた人間全てを殺していった。老若男女問わずに、ロボット40億vs人間100億+ロボット10億の戦争。時期に「第一次ロボット世界戦線」と呼ばれる戦争が始まった。最初は各国の最高責任者たちもAIの修復が始まり、じきに収まるだろうと考えていた。しかし、収まっていくどころかロボットが増えていったのだ。


最初にロボットたちが襲撃したのは、レアメタルなどが産出される鉱山などだった。そこで独自にロボットを制作し始めた。ロボットは原子炉を内臓する事により半永久的に動き続けることができるロボットを開発する事に成功した。そして、人類側の対策が練られ始めた頃には、ロボットは200億へと数を徐々に増やしていった。


各国が同盟を組み、ロボットに対する特殊隊を結成させるも、その大半は動かぬ肉の塊と鉄の残骸で、海、陸とも覆った。その要因は、彼らに内臓されている原子炉だった。ロボットに感情はなく。特攻隊のように突撃を繰り返してくるロボットに対し。撃ち落としても原子炉が爆発、無視しても自爆して本部が爆発、周りにいた人間は跡形もなく消えてしまった。


彼らの成長は人間が予想していたものよりも遥かに早く、最初は素手で戦っていたロボットたちが、刃物を使い始め一年もしないうちに人類よりもなん世代も後に作られるであろう武器を装備し始めたのだった。


明らかに劣勢だった。人類がなぜ生き残る事に成功したのか。疑問に思う人もいるかもしれない。それは、ある科学者により、AIを0に戻すウィルスが発明されたためだ。後一年遅かったら、人類は確実に滅んでいただろう。100億人もいた人類はたった2年で20億人にまで減ってしまった。この悲劇を人々は忘れる事が出来ないだろう。

目の前で恋人が蜂の巣にされた人もいれば、我が子が踏み潰され厚さ1mmになったところを見た人もいる。父親が真っ二つに引き千切られ、ロボット恐怖症という新しい病気ができるほどに、人間たちの心に一生かかっても克服できないようなトラウマを植え付けさせた。


この話は、あれから、100年が過ぎ、戦争を目の当たりにした人たちは少数となり、あの惨劇の記憶が薄くなり始めた頃、ロボットがまた普及し始めた話だ。


 朝、目が覚めると自動で身支度を整えられ、自動で朝食が出来上がる、やはり最近の技術はすごいなと私は思う。テレビをつけるとどの局でもロボットは正義か悪かをほぼ毎日のように協議している。私はこれを見る度に馬鹿な奴らだ。と思ってしまう。ロボットが悪いのではない、それを制御できなかった。人間が悪いのだ。それに今は共存派の方が多い、つい先日、ロボットにも人権は必要だと叫ぶ人たちまで現れ始めた。今ではロボットとの結婚も許されており、完全に共存している。今では、24時間体制でロボットがロボットを監視して暴走化しそうになると廃棄処分される。ロボットの警察のようなものだ。そろそろ時間だ。私は研究室へと急ぐ。


「博士、今日もメンテナンスお願いします。」


「いいだろう。最近体の調子はどうだ?」


「博士に言われたとおり、筋トレを毎日やっていますが、筋肉痛ににた現象が体に起きています。」


「そうか、そうか。結構」


そう、私も実はロボットなのだ。私の目の前にいるノートル博士は、世界で初、人間と同じような体の造りをしたロボットの開発に成功した人だ。しかし、これは極秘研究として扱われているようでその事を知る人はあまりいない。

私はなんのために作られたのだろうか。


次の日、博士に大事な用があると呼ばれた。今は、研究室に歩いて向かっている。


「博士、大事な用とはなんですか?」


「それなんだが、君には私の事を守ってもらいたい。」


「守るって?誰からですか?博士は誰かに命を狙われているんですか!!」


「そうだ。私は100年前に起きたあの事件のロボットの生き残りたちに命を狙われている。」


「なぜ、博士が命を狙われているんですか?」


「それは、私の祖父があの事件を終わらせたプログラムの開発者だからだ。」


「なぜ、あなたが狙われているのですか。」


「奴らの目的は、私の一族を皆殺しにする事なのだ。しかし、これだけが理由では無いのだがな、今は教えなくていいだろう。」


「博士は、私をつくってくれました。そんな親同然の人を見殺しになんてできません。」


「そう言ってくれると助かる。私は長い間隠れて生きてきたのだが、ついにこの場所もばれてしまった。今日中に奴らは来るだろう。」


「今日ですか?ロボット相手に私が役に立ちますか?身体能力は人間と変わらないのですよ。」


「お前の体をアップデートする。身体能力はあの事件が起きたときのロボットと同じぐらいまで上げる。奴らがこの100年でどこまで進化したかは私にもわからないが、なんとかそれで頑張ってくれ。」


「了解しました。」


一時間後

「よし、アップデート完了だ。これで、ある程度は戦うことができるだろ。」


プシュウ (カプセルの開く音)


「確かに体がすごく軽くなりましたし。パンチも早いですね(シュッシュッ)っ!!」


ドンドンドンドン(何か重いものが地面にぶつかるテンポのある音)


「奴らがきました。戦闘体制に入ります。」

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