漏らさずの誓い
★前回のおもハレ!★
全裸で階段を駆け登った俺の前に突然現れたおもらし黒髪ショート女子。
全裸×おもらし×水たまり。今、ここに極まる...!!!
「ぐずっ...ゆるじでぐだざいぃ...ひっぐ...」
目の前の女の子は俺の部屋で漏らしていた。
俺は服を着ることも忘れてその場に立ち尽くしていた。
「ちょっと、夕梨くーん?ドタドタうるさいけど何してるのっ...てきゃぁぁぁぁ!!!」
騒がしいのを聞きつけて駆け上がってきたゆかりさんが顔を手で隠していた。
さすがに誰でも驚くだろう。だって知らない人がこの部屋で漏らしてるんだか...
「なんで夕梨くん裸なのよ!?あなた男の子っていう自覚ないの!?」
「俺かよ!!知らない人がいるとかいう話じゃないの!?」
というかそろそろ服着ないと寒くて風邪ひきそうなんだけど。このままだと開放感がたまらなくて裸族の仲間入りを果たしてしまう。
「知らない人?うーん、あっ由貴ちゃん!?」
ゆかりさんは俺の横から覗き込むようにして、知り合いを見つけたようだった。
「ぐずっ...ゆがりざぁぁん...ごめんなざぃ...もらじでじまぃまじだぁ」
えっ...?
「もぅ...しょうがないわね。ほら、下脱いじゃって。」
なにこれ、まるで当たり前の日常みたいな雰囲気。
「はーい...」
そう言うとこの人(由貴さん)は、スカートのチャックを下ろし、ホックに手をかけた。
「ちょっ...」
バサっと音を立て、水たまりの上に落ちた。
視界に水玉が広がる。
間もなく黒い布へ手をかける。
「待て待てっ!!」
とっさに俺はゆかりさんの方へ振り返る。
「きゃっ!だ、だからあなた裸でしょ!?私に見られたいの!?」
慌ててゆかりさんも後ろへ振り返る。
「じ、じゃあ、おぶろいっでぎまず...ぐずっうぅ...」
そのまま、足音は遠ざかっていった。
「...なんか、慣れてますねゆかりさん。」
「なんかね、うちの子はみんなよく漏らすのよ」
ゆかりさんはこれでもかという程の苦笑いを浮かべた。
「てことは、ゆかりさんも?」
「わっ、わたしは全然、ぜーんぜんそんなことないわ!!」
「そうなんですね。」
別に悲しくはないのだが、なんだかがっかりした。
「そんなこと言ってないでほら、おそうじよろしくね?」
「えぇ!?俺がやるんですか?」
「当たり前じゃない、あなたの部屋なんだから。あっ、そこの棚に拭くもの入ってるから。じゃっよろしくね。」
そう言って部屋を出ていった。
マジかよ。この家、絶対おかしい。
文句を言いつつも俺は棚から雑巾を出して、床を拭いていく。
荷物にかかってなくてよかったわ、ほんとに。
雑巾を水たまりの上に2枚落として、とりあえず服を着る。
体はすっかり冷め切っている。風邪ひいたらどうするんだ。
水たまりに落とした雑巾2枚で水の大部分は吸われていた。ここで俺は放置されている下着とスカートと対面し、考えた。
これは果たして、この状態のまま洗濯に出してしまっていいのだろうか。少し持ち上げてみると、温かな液体が滴り落ちた。重量もかなりある、そしてこの液体は比較的黄色っぽいときた。
確かに黒系の色だが、このまま半日くらい放置してしまったらあまり良くないということは間違いないだろう。
仕方ない、ちょっと洗ってやるか。
温かく濡れた雑巾でスカートとパンツをくるみ、そのまま洗面所へ向かう。
洗剤はあいにく持ち合わせていなかったので、水洗いだけでもしてやるか。
水を出し、黒のパンツを1枚取り出す。あいかわらず重量があった。
両手で両端を持ち、目の前に上げた。
女子の下着をこんなにもまじまじと見たことはない。いや、見てはいけないのだろう。
スゥッ...
その布を顔に近づけて、鼻で息を吸った。
臭いがするかと思ったが、びっしょりと濡れていたためだったのだろうか、何も感じなかった。これが水洗トイレが臭わない理由か。
いけない、これはいけない。俺は男だ。下手をしたら犯罪に繋がる。
理性を取り戻し、洗面器にぶち込んで水をかけた。
流れる液体は金色に輝いていたのかもしれない。
結局、また俺が掃除をした。
由貴さんはどうやらこの家の同居人ということらしい。夜ご飯を食べながら聞いていた。
「へぇ、あたしがお風呂入ってる間にそんなことがあったのね、で、この人が漏らしたってことね。次からはちゃんと気をつけなさいよ。」
「お前もさっき漏らしただろ。」
「うっ、うるさいわね!もうそんなことしないわよ!」
「うふふ、二人とももう仲良しね。嬉しいわ。」
「いや、別に仲良しではないです。」
「そ、そうよ!別にそんなことないわ。」
ここはしっかり否定しておかないと。
そして俺は序盤から確信に迫る。
「由貴さん、ですよね、なんで俺の部屋にいたんですか?」
「あぁ、実は今日も鍵忘れちゃって...えへへ。」
人差し指で頬をかきながら笑った。
あざとい。
「鍵忘れたら俺の部屋で漏らすんですか?」
「ちっ違うの!!今日はちょっとびっくりしただけ!!」
表情がコロコロ変わって非常に趣深い。
「びっくりしたって、何に?」
俺は完全にしらを切った。
「えっ、そ、その...男の人の、お...お、おちん...ち、ん...うぅぅぅぐずっ...」
泣いてしまった。またトラウマを作ってしまったのか。
「こらっ、夕梨くん!そんなにいじめないの。由貴ちゃんごめんね、掃除させられたの怒ってるのよ。」
はい怒ってます。完全にそうです。
「あんたホントしょうがないわね。」
お前も掃除させただろ!?
でもなんか悪いし、このくらいにしておこう。
「ちょっといいすぎました、ごめんなさい。」
「うんっ...ぐずっ...いぃよ...」
めっちゃ泣いてるやん。すげえ申し訳ないわ。
そして、楽しいお食事は続きましたとさ。
ここでプチ情報だ。俺は食べるのが遅い。
漏らした2人はもう既に上に上がってしまっているので、俺を待っているゆかりさんと2人だ。
「ゆかりさん」
ちょっと聞きたいことができたのだ。
「どうしたの夕梨くん?」
「2人ともなんというか、男子に慣れてない?ような感じがするんですけど、ほら、触っただけで失神したりとか、見ただけで漏らしたりとか、あれって気のせいですかね?」
「そうね、実は、小学生の頃から女子校に通っててね、やっぱりそういうところなのかもしれないわ。」
「へぇ、女子校なのかぁ。」
ということは別の学校なのか。一緒に行ければ友達も増えてよかったのに...
「杏菜ちゃんはあなたと同じ1年生、由貴ちゃんは2年生なの。」
「由貴さん2年生だったんですか!?先輩じゃないですか!」
目の前で漏らすし、同い年とかそれ以下かと思ってた。これは明日から経緯を払わなきゃなぁ。
「そうよ、だから学校のことは頼ってあげてね。」
「は、はぁ」
といっても学校違うんだから、頼りようがないかな。勉強面とかで頼ってあげよう。
「ごちそうさまです。」
そうこうしている間に食べ終わり、2階へと上がって行った。
部屋に入って思い出したことがある。
「あっ、制服...」
そこには箱に入ったままの女子の制服が置いてあった。
まぁ、明日でいいか。
その箱をどけて、ベッドに横になる。
今日はいろいろありすぎた。明日もあるとかちょっと心配なんだけど。
いかんいかん、いろいろ考えるとねられなくなるって誰かがテレビで言ってた気がする。
俺は考えることをやめた。
そして電気を消し、闇に包まれた部屋の中で目を閉じた。
③漏らさずの誓い[完]