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リミッター解除

能力を使いこなさなければ・・・・いつまた組織に襲われるかわからない!


でもヒーローも人の子、彼女との甘いひと時もあるのです。

「玲子・・・・・・そろそろお風呂に入ろうか?」


食事が終わって治は切り出した。


「あ、うん・・・洗いものやっちゃうから・・・先に入って!」


「・・・・いや・・・今日は一緒に入ろうよ・・・」


「えー?!嫌よ!お風呂明るいじゃない!」


「・・・今更・・・いいじゃん!」


「絶対に嫌!」


そこまで言われるともう諦めるしかない。もともと玲子はスタイル抜群、30を超えているとは脱いでも思われない程の美貌を誇っているのだが・・・・


いまだに全裸を明るいところで見た事はない。愛し合う時も必ず照明は落としてから!と決まっている。ここまで潔癖だと、治のエロチシズムというか性癖を満足たらしめる事は不可能に近いのであった。・・・・・まあ普通の人間ならばという前提である。



治は理由は判らないが、地球を救う「救世主」としてある能力を授かっている。

賢明な読者の諸君ならお解りであろう・・・・・そう『成長加速』である。







治は玲子が起こりだす前にさっさと諦め、自分だけカラスの行水程度に入浴を済ませた。


「お先・・・」


「うん♪じゃ入ってくるね。」


「うん、ごゆっくり。」



ここからが本領発揮である。玲子が脱衣所で脱ぎ始めた頃を見計らってから一回目の加速!

まず、脱衣所にかけられた鍵を爪でカチャっと開けて(家のカギは概ね外から開くようになっています。)中に突入!!玲子は丁度、上はブラのみ、ショーツに両手を掛けて下ろす瞬間である。


「ナイス!!ナイス俺!!」


その姿を目に焼きつけてからまた脱衣所を出て、リビングに戻り加速を解除。それから10分ほどしてから二回目の加速!


先ほどの手順で浴室内に侵入!!


丁度バスタブから出て身体を洗っている最中である。しかも・・・しかも脚をこすっている最中でストップしている。いわゆる開脚中であった。


「ありがたや〜・・・」


両手を合わせて、覗きこんだりと忙しい事この上ない。


『こんな事してるってばれたら・・・嫌われるんだろうな・・・やっぱり。』



ひとしきり反省しつつも、十二分に楽しんだ後、またもやリビングに戻り解除!!それから20分ほどして、頭にタオルを巻いてバスローブを纏った玲子が入ってきた。


「あ〜・・・いいお湯だった。ビール、飲む?」


「うん。貰う。」


二人でビールを飲む。まったりとした時間を二人で過ごす。しばらくして玲子が髪の毛を乾かしにいった。





『おい・・・』


神の声である。


『なんだよ?まさかここに?来たのか能力者が!』


『違う・・・』


『じゃあ何だよ!今まったりしていい雰囲気なんだから・・・』


『それは邪魔して悪かったな・・・しかし・・・あんな事に能力使ってて虚しくならんか?曲がりなりにもお前は救世主に選ばれた男なんだぞ・・・』


『ほっとけ!!救世主にだって人にいえない性癖の一つや二つあるんだ!』


『まあいい・・・それよりも、そろそろ能力の使い方をマスターせねばならんぞ。』


『ああ、それはあんたを呼び出して教えてもらおうと思ってた。』


『よし。では今夜同居人が寝てしまった頃にトイレに立て!その時にレクチャーしよう。』


『判った。』












二人でたっぷりと愛し合った後、まるで死んだように玲子は眠ってしまった。治はもともと極々普通の精力を持つ人間だったのだが、救世主としての能力を授かる時に体力も人間の限界を超えた次元にされてしまっている。従って、セックスも・・・・女性からすればプロレスラー何人かを相手にしているようなものである。治は玲子の部屋に初めて泊まった時にその事を失念していた為、欲望のまま抱いてしまい、玲子を失神させてしまった。だから、今は極力やさしくソフトに玲子の快感重視でするようにしている・・・・それでもこのあり様で、セックスの後は朝まで二度と起きる事はない。



トイレに立つ。という約束通りベッドからでてトイレを済ました。


いつもの感覚がやってきた。世界が止まった瞬間である。


『では、レクチャーに入る。』


『・・・なんかこう、必殺技みたいなやつ、ないの?一発で仕留めるような・・・』


『ヒッサツワザ?なんだそれは』


『必ず殺す技って書くんだけど・・・』


『お前は相手を殺したいのか?』


『そういう訳じゃなくて・・・現状7対2になってる訳だから、普通に戦っても勝ち目がないじゃないか・・・だから、少しでも相手より優位に立ちたいなって事だよ。』


『正直に言おう・・・・他の能力者はお前が特別だと思っている。』


『ああ、なんか隠された能力があるとか何とか・・・・』


『そんなものは・・・・ない。お前は成長加速とその強化された肉体で戦うしかないのだ。』


あっさりと認められてしまったが・・・・・勝ち目はない!と告げられているようなものだ。


『無理に決まってるだろ!あんな氷の槍とか手から炎出す奴と戦うのに・・・』


『まず人体強化だが、お前は10人の中でもずば抜けて強い身体を与えている。もちろん多少の強化はそれぞれ施してあるが、それは火を扱うものが熱に強い、とか氷を扱うものが逆に低温に強い、あくまで体力的にも常人と比べれば強いという程度。お前のように素手で人を殺せるほどの強化は行っていない。しかも、お前はすべてにおいて『耐性』を持っている。そして・・・加速中に超回復するのもお前だけだ。まあ、それでも心臓や脳を一撃でやられれば、再生もできないがな・・・』


『じゃあなにか?燃やされても死なないのか?』


『死にはしない・・・・・・普通に熱い筈だが。』


『死ぬほど熱かったら、死ぬっちゅうの!』


『そして・・・・・これは非常に危険な事で、お前の寿命が著しく減ってしまう欠点があるのだが・・・・加速のリミッターを解除する事が出来る。』


『それって・・・・どういう・・・』


『いいか、加速という能力は10人全員が持っている。だからおのずと戦いの場は加速中に、今のところは限定されてくる。一般人を巻き込み出したらそうも言えなくなるかもしれんが・・・その加速速度は一律なのだが、お前はその限定から抜け出し、さらに加速する事が出来る。それが加速中にも超回復できる理由でもある。』


『すげえじゃん!』


『そうすごい事になる。ほんの一瞬でもリミッターカットすれば・・・寿命を何年かごっそり失うほどにな。』


『一瞬で何年も?!じゃあ戦闘中に何分も使えば・・・・』


『おそらく2時間使用するぐらいで・・・・お前は寿命が尽きるだろう。』


『・・・・じゃあやっぱ使えねーじゃん!!死んだら元も子もない。』


『だから・・・これは最終手段だと覚えておけ!!あくまでもその強化された肉体で相手の攻撃をかわして勝機を見出すしか方法はない。』


『じゃあ・・・・他にどんな能力があるのかだけでも教えて置いてくれよ。』


『それぞれの性質でしか答えようがないが・・・それでいいか?能力は与えられた人間の感性や才能でどう変化しているか判らないからな。』


『ああ、とにかく教えてくれ。』











それから受けた説明は頑張って暗記した。これを覚えておかないとすぐに死に直面するからだ。


1、炎・・・・高倉泉(組織)


2、風・・・・霧島香奈(味方)


3、氷・・・・山下裕一(組織)


4、雷・・・・・??(組織)


5、水・・・・・??


6、重力・・・・??


7、創造と誕生・??


8、闇・・・・・??


9、光・・・・・??


10成長と時の流れ・・・・・これが治である。






と・・・・まあ、まるでファンタジーの世界がよくもまあ出そろったもんだ・・・・

聞いただけじゃあ確かにどんな能力か想像もつかないものまである。

治は一つずつ確認しながら対策を講じる事にした。その夜はほとんど眠れなかった。














次の日、玲子には高校時代の仲間と飲みに行く!と告げて、香奈と連絡をとった。

自分が仕入れた情報を話して、意見を聞き、出来れば香奈の能力について詳しく聞いておこうと思ったからだ。





ご飯時だった為に治が御馳走するという事で、希望を聞くと「ステーキか焼き肉!」

という返事だった。あまり懐具合がよくなかったので、フォルクスに食べに行く事にした。


待ち合わせの場所にいくと・・・・すでにサラダバーと山積みのパンをぱくついていた。


「あ、こんばんは!治さん、先に頼んじゃったけど・・・へへ♪」


「こんばんは、いいよいいよ、少し待たせてしまったからね。」


治はハンバーグを注文して、コーヒーを飲んだ。




料理が運ばれてきて食べ終わるまで二人は黙々と食べる事に集中した。


そこで、神から得た情報を香奈に話して聞かせ、意見を聞いてみた。


「あたしが実際に見た能力では・・・やっぱり雷撃使いが一番強そうかな・・・ていってもあとは治さんも知ってるあの二人だから、あんまり参考にはならないかもしれないけど・・・」


「・・・あの高倉よりも強いって事?」


「うん・・・なんかスピードが違う感じだったなぁ・・・高倉の能力はすごい威力だけど、あたしなら逃げ切れる気がするけど・・・雷撃は無理・・・狙うって言うより、的に向かって飛んで行く感じだったもん。」


「ふーん・・・・見てみないとなんとも言えないなぁ・・・」


「それよりも・・・治さんの能力って?なにか秘密のものがあったの?」


「いやあ・・・それが・・・特別何にもないんだって・・・ただ身体は強化されてるから、めったなことじゃあ死なないようになってるらしいんだけどね。」


「強化って?あたし達より強いって事?」


「どうかな・・・ただ丈夫で力持ちになったってだけだよ。」


「どのくらい?」


そう食いついてくる香奈になにかデモンストレーションを見せてやろうと思い、財布から10円玉を出した。


「え〜・・・10円玉くらいあたしでも曲げれるよ!」


そういって両手でググッと曲げて見せた。それだけでも十分怪力なのだと思うが・・・・

治はそのまがった10円玉を右手の人さし指と親指だけでさらに4分の1にしてしまった。


「すっごーい♪・・・」


「ね、ただの怪力自慢だなんだって・・・」


「それでも頼もしいよ!こないだの戦いで見せてないんでしょう?」


「・・・・まあ、一回片手で事務机持ち上げたくらいかな・・・ところで、香奈ちゃんの能力って、具体的には何ができるの?」


「まあ簡単に言うと・・・・風をカマイタチみたいに飛ばして相手を倒すとか、風で相手の攻撃を防いだりとか・・・・あ、ちょっとだけなら風に乗って飛べる・・・ぐらいかな」


「・・・・十分すぎるんじゃない?俺なんか役立たずだよなぁ・・・」


「そんな事ないよ!あと一人・・・・強い人が味方になってくれるといいね。」


「ああ、そうだね。俺も探してみるよ。」














そこまでで、話を終え、香奈とは別れた。これから血で血を洗うような戦いが待ち受けているのかもしれない!!でもこの世界を壊させたりしない!!俺は俺は!『All ends』なんかに負けない!!戦ってやる!!!決意も新たな治であった。















「治ちゃん・・・・今の女の子・・・・誰?」


振り返ると・・・・・・・・玲子がいた。


「え?・・・・・・」


「今日は友達と飲みに行くって言ってたよね・・・・・今の子がト・モ・ダ・チ・??」


「いや・・・あの・・・・・」


「もういい!」


そう言って玲子は走りだした。



『まじかよ・・・・どうやっていい訳すればいいんだよ・・・・・・』




組織よりもある意味強い、玲子との戦いは始まった。















人生最大のピンチ!どうする治!

どうする『救世主』?

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