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夢のような・・・

邪な目的で能力を解放いた治・・・・しかしそこに邪魔が入る!いったい誰なのか?


「お前・・・・能力者なのか?」


「・・・だったら何?この変態!!」


・・・・当ってるだけに言い返す言葉もない治なのである


「・・・・お前、どっちだ?俺の敵か?味方か?」


「あんたみたいな変態の味方な訳ないじゃない!あーキモい!!」


心底嫌そうな顔をしてそう言う女の子である。特別悪そうな雰囲気ではないが・・・・・口は悪そう、いや・・・悪い。



パッと見、いいとこのお嬢さんというところであろうか・・・・ 制服のスカート丈やブレザーの着こなしも極々まともで、却って珍しいぐらいである。顔を小さく、手足は長いせいで大きく見えるが、多分160センチ前後ではないだろうか?



「なあ・・・・ゆっくり話をしたいんだけど・・・色々聞きたい事もあるんだ・・・・」


「あたしもそのつもりであんたの事探してたんだけど・・・・変態は無理!」


どうやら徹底的に嫌われたらしい(当たり前だが)


「探してたって?他にも能力者の事とか判るのか?」


「まあね・・・・それにあんたは特別だから・・・」


「何が特別なんだ?」


「だって・・・・あんたイレギュラーでしょ?個別能力がない。」


「ああ、そう言う事か・・・て、事はみんな俺がそうだって知ってるんだな?」


「・・・・だと思うけど・・・もう話はおしまい!」


「そうか・・・じゃ仕方ないな、気が変わったら連絡してくれ」


そういって名刺を渡そうとする治に


「動かないで!それを机に置いたら加速を解いて!あんたが先に解かないと、パンツ覗かれちゃうから!!」



明らかに軽蔑のまなざしでこちらを見ながら動かない・・・・



まだやり残した事があるので加速は解きたくない治だったが・・・・


この状況ではどうせ何も出来まい。ため息をついて名刺をテーブルに置いて、加速を解除した。



世界が動き出した時には・・・・・名刺はもう無くなっていた。



自分以外ではじめての能力者との接触だった。












結局相手側は全部知ってて、俺だけ何にもしらないって事かぁ・・・・


ぼーっとしてると玲子が話しかけてきた。


「なに?気持ち悪いわよ!一人でぼ〜っとして。」


「あ、すみません。玲子さんがあんまり綺麗なので・・・見惚れてました。」


「うそおっしゃい!よそみしてた癖に!大方だれか綺麗な子でも見つけてそっちを見てたんでしょ!」


「いえ!本当に玲子さんは綺麗です。前から憧れてました。」


真面目な顔で答える。幾分か赤面した玲子は自分の口元を拭いてから


「・・・ありがとう。でも誰にでも言ってるんでしょ?」


そう落ち着きを取り戻して聞き直す。


『あれ?・・・・もしかして脈あり?なのかなあ・・』


「いいえ?僕はそんなに要領よくないですし・・・誰か、いい人いらっしゃるんですか?」


「・・・・その質問・・・答えないといけないの?」


真赤である。玲子は下を向いてしまった。


「あ、いえ!すみません!ぶしつけでした。でも・・・今だれもいないなら・・・」


「いないなら?どうするの?!」


以外と食いついて来てる・・・・


「立候補したいなと・・・」


「本気?本気で言ってるの?・・・・からかってない?」


「からかうだなんて・・・・じゃあ・・・改めて」


「玲子さん!好きです。・・・・・付き合って下さい。」


立ちあがって大きな声で言い出した治に驚いた玲子は・・・


「いいから、座りなさい!そんな大きな声で・・・恥ずかしいわ!」


「いえ!キチンと返事もらえるまでこのままでいます。」


「もう!!判った、わかったから・・・・・いいわ。」


「え!?何ですか!?」


「だから・・・大きな声ださないで!付き合うから・・・いいでしょ?」


「あ、ありがとうございます!」


「でも・・・・あたし32だよ・・・柴田君いくつだっけ?」


「27です。玲子さんが62の時、57ですから、大したことないです。」


「ふーん・・・・ところでいつから『玲子さん』なんて呼んでたのかしら?」


「・・・いやあ・・・さっきからですけど・・・いけませんか?」


頭をかきながら席につく治である。


「いいけど・・・付き合いだしてもさん付けなの?」


「じゃあ・・・・れいこ?」


「うん!会社じゃちゃんと橘さんで通してね!」


「判りました。」














もう一軒付き合え・・・・玲子はそういって、行きつけであろうバーに治を連れて行く。



「いらっしゃいませ・・・・珍しいですね玲子さんが男連れ」


「たまにはね」


恥ずかしそうにマスターと話をする玲子は可愛らしかった。

治にとっては夢のような話である。こないだまでは人生が終わったような日々を暮らしていたのに・・・気がつけば、部署も変わり、こんなに綺麗な女性の下で働け、おまけに今日から彼女になってくれるという・・・・夢なら覚めないでと、頭の中で何度も念じていた。


それから1時間程酒を飲み、少し酔ったらしい玲子を送っていく。マンションの玄関で


「じゃあ、今日はありがとうございました。」


そういって立ち去ろうとした。告白していくらOKを貰ったとはいえ、そのまま上がり込む度胸はなかったのである。


「・・・・寄ってく?」


いかにも自然を装ってはいるが、かなり緊張した顔で玲子はそう切り出した。


「い、いいんですか?」


すこし驚いてそう答えると


「い、いやならいいのよ!」


「嫌な訳ないじゃないですか!」


「ウソ!無理してるんでしょう」


「無理なんかしてませんよ!」


「本当は嫌なのね・・・・・ウグッ」


多少面倒なのもあったが、これ以上の会話は無駄だと思い、治は玲子を抱きしめて唇を奪った。

長いキスをしてから拘束を緩めると・・・・玲子のほうからキスを返してくれた。






その晩は玲子の部屋に泊まった治なのである。















それから2〜3日は何事もなく過ごした。庶務課に移動になったからと言っても、しょっちゅうめんどくさいクレームが起きる訳でもなく、いろいろな雑用をこなしていく治である。

電球を替える、パソコンの修理、接続、インドア派の治にとって何の苦もない職務である。今回の配置換えは本当にありがたい治なのだった。




玲子とも会社では上手に今まで通り付き合って行けそうだ。しかし、仕事の時とプライベートでは正確までも180度変わってしまう玲子に少々戸惑う事もあるのだが・・・それはそれで可愛らしくて、愛情がすくすくと育っていっているのも事実だった。







『今日は帰りにうちに来てね♪』


という玲子からのメールを受け取った治は仕事を定時で終わらせて、いそいそと帰り支度をしていた。



いきなり世界が止まった。


『気をつけろ』


神の声がする


『なんだ・・・なにかあるのか?』


『近くに能力者がいる・・・・二人・・・・いや・・・少し離れてもう一人』


3人?!目的はなんだろう・・・・まああまりいい傾向とはいえない。なんせ誰がどうとか、どんな能力がある事すら判ってないんだから・・・・


『気をつけろったって・・・どうすりゃいいんだよ・・・』











ほのぼのした空気は長続きしません!なぜならこれはSFサイエンス・ファンタジーなのです。

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