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真実の鍵

『・・・いったい誰とたたかっているんだ?』



治は激しく防戦中の香奈を見てそう思う。

香奈は空中で、まるで舞うようにひらりひらりと身体を旋回させてその度にカマイタチを放っているようである。そして香奈が攻撃している方向には人らしきものは見えず・・・


しかし・・・

たしかになにか物体が香奈に向って飛んできている。

すでに加速している治だったが、どうしても相手が確認できない為、やむ負えず限定解除してあたりを探った・・・香奈の自宅があるマンションのほうにはなにもない。

マンションの向かい側を覗くと、壁の向こうはどうやら自動車ディーラーのよう。そのまま回り込み、敷地内にはいると・・・・工場ブースの方から車の部品が飛んでいく。しかしそこにも人影は見当たらない。


摩訶不思議な光景なのだが・・・治はそこで確信を持ちさらに周りを見渡す。



・・・・・いた!!



予想通り、ディーラーの屋根の部分に彼はいた。


重力マスターの優斗である。かなりの時間、限定解除していたので、治は一旦通常の加速に戻り空を舞い飛ぶ香奈に声をかける。


「香奈ちゃん!!屋根の上!!」


香奈は治の声に気が付き、優斗めがけてカマイタチを放つ!!


しかし、カマイタチはいきなり飛んできた鉄板に阻まれてはじけ飛ぶ『キーン!!キーン!!』


『香奈ちゃん一人じゃくるしいか?』


治はもう一度限定解除!!何とか屋根の上に上り、優斗の背後にまわる。しかし・・・

今迄のように簡単に相手を手に掛ける事はできなかった。相手はまだ幼い子供である。


悩みに悩んだ治だったが、とりあえず優斗の手を自らのベルトで縛り、ハンカチで猿轡をかませる。その上でためらいながらも優斗の延髄あたりに手套をぎりぎりの加減でいれ、気絶させた。




限定解除を解き、香奈に手を振ると治は優斗を肩に担いで下まで降りた。


「・・・・あ、ありがとうございます・・・」


なかなか素直になれない様子の香奈はそれでもそっぽを向いたまま治に礼を言った。


「いや、いいんだけど・・・どうして優斗くんと香奈ちゃんが・・・」


「・・・わかりません・・・ただ待ち伏せされていて、いきなり・・・」


「そうなんだ・・・あとは優斗君が気が付いてから話をしてみるか・・・」


「でも・・・気がついたらすぐに攻撃してくるんじゃないですか?」


「そしたら・・・気が進まないけど、また気絶させるさ。」


とにかく今できる事と言えばそれしかない。





五分ほどしていきなり優斗はうめき声をあげた・・・・どうやら話がしたいらしい・・・

治は猿轡だけを外してやった。


「柴田さん!!あぶない!!そこから離れて!!」


優斗は治に叫んだ!治はとっさにその場から跳ね跳ぶ・・・・・ザクッザクッ!!!

治が立っていた場所のアスファルトに亀裂が走る。


「・・・え?カマイタチ??」


「惜しかったわね!!ふふふ。」


そこには・・・・・いつもとはガラッと雰囲気が違う香奈が腕組みして立っていた。








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『・・・いったい誰とたたかっているんだ?』



治は激しく防戦中の香奈を見てそう思う。

香奈は空中で、まるで舞うようにひらりひらりと身体を旋回させてその度にカマイタチを放っているようである。そして香奈が攻撃している方向には人らしきものは見えず・・・


しかし・・・

たしかになにか物体が香奈に向って飛んできている。

すでに加速している治だったが、どうしても相手が確認できない為、やむ負えず限定解除してあたりを探った・・・香奈の自宅があるマンションのほうにはなにもない。

マンションの向かい側を覗くと、壁の向こうはどうやら自動車ディーラーのよう。そのまま回り込み、敷地内にはいると・・・・工場ブースの方から車の部品が飛んでいく。しかしそこにも人影は見当たらない。


摩訶不思議な光景なのだが・・・治はそこで確信を持ちさらに周りを見渡す。



・・・・・いた!!



予想通り、ディーラーの屋根の部分に彼はいた。


重力マスターの優斗である。かなりの時間、限定解除していたので、治は一旦通常の加速に戻り空を舞い飛ぶ香奈に声をかける。


「香奈ちゃん!!屋根の上!!」


香奈は治の声に気が付き、優斗めがけてカマイタチを放つ!!


しかし、カマイタチはいきなり飛んできた鉄板に阻まれてはじけ飛ぶ『キーン!!キーン!!』


『香奈ちゃん一人じゃくるしいか?』


治はもう一度限定解除!!何とか屋根の上に上り、優斗の背後にまわる。しかし・・・

今迄のように簡単に相手を手に掛ける事はできなかった。相手はまだ幼い子供である。


悩みに悩んだ治だったが、とりあえず優斗の手を自らのベルトで縛り、ハンカチで猿轡をかませる。その上でためらいながらも優斗の延髄あたりに手套をぎりぎりの加減でいれ、気絶させた。




限定解除を解き、香奈に手を振ると治は優斗を肩に担いで下まで降りた。


「・・・・あ、ありがとうございます・・・」


なかなか素直になれない様子の香奈はそれでもそっぽを向いたまま治に礼を言った。


「いや、いいんだけど・・・どうして優斗くんと香奈ちゃんが・・・」


「・・・わかりません・・・ただ待ち伏せされていて、いきなり・・・」


「そうなんだ・・・あとは優斗君が気が付いてから話をしてみるか・・・」


「でも・・・気がついたらすぐに攻撃してくるんじゃないですか?」


「そしたら・・・気が進まないけど、また気絶させるさ。」


とにかく今できる事と言えばそれしかない。





五分ほどしていきなり優斗はうめき声をあげた・・・・どうやら話がしたいらしい・・・

治は猿轡だけを外してやった。


「柴田さん!!あぶない!!そこから離れて!!」


優斗は治に叫んだ!治はとっさにその場から跳ね跳ぶ・・・・・ザクッザクッ!!!

治が立っていた場所のアスファルトに亀裂が走る。


「・・・え?カマイタチ??」


「惜しかったわね!!ふふふ。」


そこには・・・・・いつもとはガラッと雰囲気が違う香奈が腕組みして立っていた。





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