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以外なつながり

何とか病院での化け物退治が終わった治達だが・・・

そこで以外な人物と再開する。

病院での爆弾テロ(本当は化け物なのだが)騒ぎが収まり、警察が現場検証を始める頃に、階堂、香奈、治の三人はひと先ず解散する事にした。


「みなさんお疲れ様でした。私はまた潜って統治者の動きを探ります。」


「あたしは・・・・治さんは?これからどうするんですか?」


「・・・・とりあえず家に帰るよ。」


少し残念そうにしたを向く香奈である。


「そう・・・ですか・・・じゃ、あたしも帰ります。」


そう言うと病院の正面玄関に向かう。





「あれ?治?」


香奈の横を通り過ぎた女性が治に声を掛けてきた。香奈は思わず振り返る。


「ああ・・・マリ・・・どうしたの?こんなところで。」


その女性が治の知り合いだと判ると、香奈は踵を返して治の元までやってきた。


「治さん!その人、誰なんですか?!うちに帰るなんていって・・・軽蔑します。彼女さんでもない人と会うつもりだったなんて・・・」


なにやら興奮して理解不能な事をまくしたてる香奈だが、治は落ち着いて答える


「いやいや・・・偶然だよ!本当に!」


「もういいです。」


治の話も聞かずに香奈は駆けて行ってしまう。


事の成り行きが判らないマリはしばらく呆然としていたが、心配そうに声をかける。


「・・・いいの?今の子行かせちゃって・・・」


「うん?・・・ああ!多分大丈夫だよ・・・・なんか思い込みの激しい娘だからね・・・」


「そうだ!この前はありがとう!」


「ああ、大したことないよ。」


「あのあと警察の人にいろいろ聞かれたのよ・・・あなた二人組をやっつけちゃったんですって?!」


「・・・・ええ・・・と、うん。なんか成り行きでね・・・めんどくさいから逃げたってわけ・・・」


「治ってそんなに腕っ節強かったっけ?」


「・・・いやいや・・・・あの二人が弱すぎただけだよ」


「・・・・ふーん・・・」







「それよりも、どうしたの?怪我とか病気なら・・・なにもこんなバタバタした病院にこなくても・・・」


「あら・・・違うわよ、主人がこの病院に勤務してるの!」


澄ました顔であっさり、マリはそう言った。


「主人?!・・・ああ、結婚したんだ!知らなかった・・・おめでとう」


「ありがとう・・・知らせなかったの、悪かったかしら。」


「・・・いやいや・・・あの頃は、ちょっと落ちてたからね、知らなくてよかったよ、実際」


そういう治を見てマリは治自身の変化に気づく・・・


「治・・・なんかずいぶん雰囲気かわったね。」


「・・・そう・・かな・・」


「うん!なんか背も伸びたみたいに見えるし・・・昔はもっと・・・なんて言うか、疲れた感じがしてたけど・・・カッコよくなったよ。」


笑顔でマリはそう正直に答える


「・・・ありがとう。ところで、ご主人は?お医者様かい?」


「ええ、外科の佐藤っていうの・・・」


『外科の佐藤』

どこかで聞いた事があるような・・・・ないような・・・・


「ご主人、先生なんだ・・・・なんだかマリらしいね。」


「どういう意味?」


「いや・・・悪気は無いんだけど・・・結構マリってそういう仕事とかステイタスで男性を見ている気がしてたんだ。あの頃は・・・」


「・・・・そう・・・・気が付いてたんだ・・・確かに、あの頃はそんなことばっかり考えてた。今の主人も・・・・最初は大学病院の外科医って外見だけで選んだかんも知れない・・」


「・・・でも・・・今は違うんだろ?!」


「ええ。いい人なの。あたしなんかもったいないくらいに。」


「じゃあ、いいじゃない!最初はどうあれ、いい人と結婚できたんだから。」


「うん。ありがとう。」


マリは懐かしい、人懐っこそうな笑顔を見せた。







「マリ?」


治の背後から声がする。おそらく噂のご主人なのだろう。治は自己紹介すべくゆっくり振り返る。


「どうも!・・・・ああ、先生!」


「あなた!騒ぎを聞いて駆け付けたんです。大丈夫だったの?」


「ああ、大丈夫!・・・・だけど、君・・・柴田さんと知り合いなのかい?」


「ええ!・・・大学の時に同じバイト先で・・・古い友人です。」


なんと・・・・マリの主人は治の担当医であった。とっさに嘘をついた治である。


「・・・ええ・・・そうなの。久しぶりにあったから・・・あなたの患者さんだったの?」


「ああ、そうだよ。そうか、柴田さんとお知り合いだったのか!」


マリも治の気遣いに合せて話をする。


「だったら・・・マリ、君からもお願いしてくれないか?」


「あら・・・何を?」


なにか佐藤は治に頼みごとがあるらしい・・・・


「いやなに、坂崎教授がどうしても柴田さんの体を詳しく見てみたいってきかないんだよ。」


「ええ?まだそんなことおっしゃってるんですか?」


「ええ、なんとか・・・一日だけでもお願いできませんか?教授はあれから柴田さんからの連絡を待っていたんですが・・・それがないとわかると、今度は私や医局の人間に柴田さんを呼んでくるように言いだして・・・・困っていたところなんです。」


最初に入院した時から、調べさせてくれ!としつこいほどいっていた教授である。ここで断るのも角がたつしどうしたもんかと悩んだ治は・・・・


「じゃあ・・・仕事の調節ができたら、連絡しますから・・・今日のところはスミマセン」


「そうですか・・・・いやいや気にされないでください。こんな事頼むこちらの方が失礼をしているんですから。」


「本当に!改めてご連絡しますから。」


そういうと、となりにいたマリがウィンクして両手を小さく合わせた。

(お願い)


そう言っているのだろう。

とりあえずはアースに相談してみてから返事をしないと、変な結果がでて、そのままモルモットにされても困る。



ひとまずは病院を出て、玲子の待つ部屋へと変える治であった。

『坂崎教授』・・・いったい治の何を調べたいのだろう・・・・

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